既に成果が生まれている「AI技術」を自社のビジネスにどう取り入れるべきか「自動応答ソリューション」がもたらすコンタクトセンター業務の改革と未来像

「自動応答ソリューション」の主な機能と事例

 「自動応答ソリューション」では、このテキスト含意認識技術をチャットボットに活用することで、ユーザーにとってより使いやすい「問い合わせ窓口」を提供できる。自動応答ソリューションには現在「一問一答型」と「対話型」が用意されており、対話型では、ユーザーの問い合わせに対して、不足している情報の入力を促す返答や選択肢の提示を行う機能も提供している。

機能:一問一答型

機能:対話型(問合せ型)

 チャット画面は、一般的なWebアプリケーション形式に加え、マイクロソフトのチャットツール「Skype for Business」との接続を可能にするコネクタが提供されており、今後「LINE」などにも対応する予定という。もちろん、こうした機能はユーザーによるセルフサービスだけではなく、オペレーターがユーザーの問い合わせを受けながら回答する際のサポートツールとしても効果を発揮する。

 現在、「自動応答ソリューション」で高い導入効果が見込める領域としては、顧客からの問い合わせを受け付けるユーザーサポート部門でのコンタクトセンター業務に加え、企業の総務人事など、複数の企業のバックオフィス業務を請け負うシェアードサービスセンターなどが想定されているという。NECでは、「自動応答ソリューション」の開発にあたって、NECグループ全体でのライン業務、スタッフ業務を受け持つ「NECマネジメントパートナー」社のコンタクトセンターにおいて実地検証を行った。その結果、「問い合わせに対する回答案の正答率が90%以上」であり、「オペレーターの作業時間を30%以上削減できる見込みを得られた」としている。

 「従来のQ&Aシステムは、欲しい情報をすぐに得られるようにするためのナレッジベースの整理、構築、運用が重要で、そこに多くの人手がかかっていました。自動応答ソリューションではテキスト含意認識技術とチャットボットを組み合わせて検索できるようにすることにより、そうしたメンテナンスの手間も削減できます」(三科氏)

「AIチャットボット」はあらゆるシステムの「コンシェルジュ」となる

 「自動応答ソリューション」は、テキスト含意認識だけでなく、「NEC the WISE」に含まれる他のさまざまなAI技術との連携も可能だ。例えば「画像認識」と組み合わせることで、チャットツールから製品の状態を写真で送ってもらい、その状況に応じた回答を送るといったこともできる。

チャットイメージ図

 さらには「音声・感情認識」との組み合わせで、文章ではなく音声での質問、音声での回答機能を付加することも可能になる。

 また、ERPやRPA(Robotic Process Automation)のシステムと連携させることにより、24時間365日の対応が可能な「受注センター」の構築も容易になる。NECでは実際に、同社のERPソリューションである「EXPLANNER/Z」と「自動応答ソリューション」との連携についても検証を開始している。(参考リンク

「EXPLANNER/Z」と「自動応答ソリューション」「RPA」の連携イメージ

 さらにNECでは、「自動応答ソリューション」を活用し、「働き方改革」の実現をサポートする構想を進めている。

 この構想において、自動応答ソリューションは、社員が普段行っている勤怠管理・交通費精算・経費申請などの提携業務を、チャットツールを通じてRPA(Robotic Process Automation)が人間の代わりに行ってくれる。全社員が定期的に行っている交通費精算申請書の作成作業や、経理担当者が行っている確認作業の大部分が自動化されれば、削減できる業務時間は膨大だ。

 それだけでなく、社内の人材管理にも自動応答ソリューションを生かせる可能性がある。自動応答ソリューションと連携したAIによって、業務で使っているアプリケーションや、作成したドキュメントなどの情報を個人と紐付けて分析することで、「保有資格」のような情報とは異なる、実際の業務と深く結びついた社員一人ひとりの「専門性」を予測することが可能になる。例えば、新規事業のメンバーを選出する際、担当者がチャットツールに「○○について詳しい社員を教えて」と指示するだけで適切なメンバーがリストアップされれば、社内調査の手間も大幅に削減できるというわけだ。

 「自動応答ソリューションで提供するAIチャットボットは、多様なシステムのフロントエンドに発展していく可能性を持っています。現状、チャットボットのルールは人間によって書かれたものですが、今後の機能強化によって、そのルールそのものをAI自身が拡張し、運用の大部分が自動化できる環境も目指すことができます。お客様のトラブルを解決する『オペレーター』から、より顧客満足度を高める『コミュニケーター』、そして楽しさや快適さを提供する『コンシェルジュ』へと、AIチャットボットの役割を広げていく計画です」(高橋氏)

 現時点でのAI技術は、人間のすべての「知的活動」を代替できるものではない。しかし、限られた個別の領域では、既に十分な効果が得られる形での実用化が果たされつつある。今後、企業にとっては「AIを導入するかどうか」ではなく、「AIをどの領域に、どのような形で生かすか」の議論が、競争力を高め、独自の価値を生みだすためには必須となってくるだろう。AI関連技術の開発と、そのソリューション展開に長年の実績とノウハウを持つNECは、AIシステムによる改革を目指す企業にとって、心強いパートナーとなるはずだ。

提供:NEC
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2018年6月30日

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