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学生がIBM z Systemsのプログラミングにチャレンジ! ~「IBM メインフレーム・コンテスト 2015」優秀賞受賞者に聞く

日本IBMは2015年9月から12月にかけて、学生向けに「IBMメインフレーム・コンテスト2015」を実施した。これはIBMが世界各国で開催しているプログラミング・コンテストの一環で、2016年1月までに58カ国88,000人の学生が参加している。参加者は個人のパソコンから米国にあるIBMメインフレーム「z Systems」にアクセスし、パート1~3まで3段階の課題に取り組んでプログラムの品質を競う。社会基盤や企業で使われているメインフレームの概要を学び、実体験できる機会となる。優秀賞に輝いた3名に感想を聞いた。

優秀賞を受賞した3名
優秀賞を受賞した3名。
左から、胡晟(フ・シェン)さん、千葉裕也さん、続衍森(シュウ・エンシン)さん。
--優秀賞の受賞おめでとうございます。まず、簡単な自己紹介とコンテストに参加したきっかけを教えてください。
千葉裕也さん
宇都宮大学工学部情報工学科3年の千葉裕也さん。
「今回の体験で、テクノロジーは世界共通だと実感しました。将来は、次のトレンドとなるような技術開発をやりたいと思います」

千葉:宇都宮大学工学部情報工学科 3年の千葉裕也です。大学でコンテストの張り紙を見て、「プログラミングでニューヨークに行こう!」というのにひかれてエントリーしました。プログラミングが好きで、いろいろな言語を試しているので、自分の力が試せる機会になると思いました。

続:電気通信大学 情報システム学研究科 情報ネットワーク学専攻 修士2年の続衍森(シュウ・エンシン)です。4月から博士課程に進学します。ネットワークアーキテクチャーを学んでおり、プログラミングはPythonを使っています。就職活動でIBMのゼミに参加してコンテストのことを知りました。メインフレームに関する知識を身に付けたいのと、千葉さんと同じでアメリカに行けるならと参加しました。

胡:名古屋大学情報科学研究科 修士2年の胡晟(フ・シェン)です。データベースのインデックス構築などを研究しています。プログラミングはJavaScript、C++、Javaなどを経験しました。続さんと同じく、4月から博士課程に進みます。私の場合は、先生からメールで「コンテストがあるので参加してはどうか」と誘われ、参加することにしました。

--実際にコンテストに参加してメインフレームに触れてみた感想はいかがですか。

千葉:メインフレームは画面が黒くて文字しかなくて、普段のGUI画面とは違うというのが第一印象です。課題は、大学で学んできたことを少しひねった感じで、これまで学んだことを思い出しながら解いていきました。パート2からは問題が英語で出題されて、英語があまり得意でないので少してこずりましたが、それだけに終わったときの達成感は格別でした。優秀賞の知らせが届いた時は、思わず"ガッツポーズ"です。

 コンテスト中はメインフレームを触っているという感覚がなく、メインフレームについてのガイドを読みながら「こんなふうに使うのか」と理解しながら解きました。今日の授賞式のあとで稼働しているz Systemsの実機を初めて見学したのですが、「ここがストレージ」と示された範囲が広くて驚きでした。いつも使うパソコンとはスケールが違っていて、こんなに大きいものをリモートでいじっていたのかと感概深かったです。

続衍森(シュウ・エンシン)さん
電気通信大学修士2年の続衍森(シュウ・エンシン)さん。
「頑張ったらできるという自信がわきました。将来は世界で使える新しい技術やサービスを作っていきたいです」

続:研究で大学のサーバーにリモートアクセスしていますが、メインフレームは勝手が違っていて使い方や入力の仕方など慣れるのに少し時間かかりました。JCL(ジョブ制御言語)はすごいですね。企業や銀行のシステムはこういうふうに使われているということがよく分かりました。課題はそれほど難しくありませんでしたが、パート3からは自分が知らない知識も出てきたので勉強しながら取り組みました。コンテスト参加中は電車の中で「まだあの課題をクリアしていない」と考えることもあり、これほど集中して熱心に取り組んだ経験はこれまでありませんでした。

 研究会で発表会をしているときにメールで受賞の知らせが届き、先生から「新しい技術を身に付けるよいチャンスなので、これからの研究に役立ててください」と励まされました。

胡:メインフレームを扱ってみた第一印象は「インターフェイスがかっこいい」ということです。普段プログラミングで使っているのはWindowsマシンで、研究では大きなメモリが必要なのでサーバーはLinuxを用いています。メインフレームはコマンドラインでしたが、普段から慣れているLinuxに似ており、すぐに慣れました。普段のプログラミングはテキスト編集ツールを用いているため、デバッガーがあるなどプログラマーに優しいプログラミング環境はいいなと思いました。こういう環境が研究時にも欲しいです。

 コンテストのほかの参加者がどういう状況か分からないので自分の相対的な成績は分かりませんでしたが、コンテストに全力で取り組んだので結果には確かな自信がありました。優秀賞の結果を知らせると後輩たちからうらやましがられたので、次回は参加するようすすめたいと思います。

--受賞の副賞として、2016年2月にラスベガスで開催された「IBM InterConnect 2016」に招待されたそうですね。感想はいかがですか。

千葉:世界各地から約2万人が参加するイベントで、多様な人種がいて英語だらけで……。

 とても貴重な経験になりました。技術的なトレンドのセキュリティ、IBM Watson、IoTなど、これまで調べたことはありましたが、実際の事例や効果は見たことがなかったので興味深かったです。

 いま人工知能のこと、例えば人工知能と比較して人間の脳はどう動くのかとか、そもそも人間とは何なのかというようなことに興味を持っています。これまでアカデミックな資料を調べていましたが、イベントで自然言語処理や画像処理でAPIが提供されていること、家電に組み込まれていることなどを知り、人工知能の捉え方が変わりました。

 大きな講演は、続さんや胡さんと一緒に聴き、終了後に感想を語り合ったのも思い出に残っています。二人とも先輩なので教えてもらうことが圧倒的に多かったですが……。

続:IBMが開発している技術を目にして圧倒され、今後の自分の専門を決める上で大いに刺激になりました。特に印象的だったのは、IBM WatsonやIoTなど新しい技術と多様なAPIです。IoTについては、大量の端末から絶え間なくデータが生成されていても90%は使われていないと聞き、もし70%でも役に立てれば多分世界は変わるんだろうと感じました。実はロボットを開発した経験があって、当時は顔認識やダイアログなどすべてのアルゴリズムを自分で書いたのですが、今なら自分で書かなくてもAPIがあるので便利だなと思いました。

 イベント3日目のエルトン・ジョンのコンサートのピアノも素晴らしかったです。滞在中には市内の博物館にも足を運びすごく有意義でした。

胡晟(フ・シェン)さん
名古屋大学情報科学研究科修士2年の胡晟(フ・シェン)さん。
「研究テーマの探し方、何のために研究するのか、どのように研究を進めていくのかを考えるきっかけになりました」

胡:3日目の朝食時、たまたまドイツのIBMメインフレームの開発者の方と同席できて話ができたことが思い出に残っています。メインフレームの基盤となるファイルシステムの話を聞き、すごく面白かったです。エンジニアの方から直接話を聞いた機会がなかったので、すごく感激して貴重な体験になりました。

 私はデータベースを研究しているのでIBMのデータベース技術に興味を持っていて、このイベントに行く前に10年前のIBM DB2の学術論文を読み返してみたのです。ドキュメント指向型のデータベースも含め学術界で数年前に出ていたことがイベントでは商品化され実装されていたことに感心しました。

 講演ではスピーカーの方々のプレゼン表現力に驚きました。発表するときには完全に前を向き、背後に映し出されるプレゼン資料に目をやることなく暗記して堂々と話していて、ほんとうに素晴らしかったです。

--最後に、コンテスト参加を通じて役に立ったこと、今後挑戦したいことを教えてください。

千葉:今回の体験で、「テクノロジーは世界共通」だと実感しました。違いは言葉や文化くらいで、こうしたグローバルな環境にチャレンジするのも面白いんじゃないかと思いました。今はトレンドであっても未来には普通になり、未来にはまた次のトレンドが生まれるのだと思います。将来は「次のトレンド」となるような技術開発をやりたいと思います。

続:コンテストを通じて「頑張ったらできる」という自信がわきました。また、メインフレーム・コンテストとラスベガスで、テクノロジーが日々新しくなるということを実感しました。研究者になりたいと思っているので、自分にどんな力があり、社会に対して何を手伝えられるのかを考える契機になりました。将来は世界で使える新しい技術やサービスを作っていきたいです。

胡:私も研究者を目指しています。現実の生活に役立つもの、現実の生活での不足や欠点を解決するものをテーマに掲げて研究していますが、一つの研究が終わり論文にまとめるとそのテーマはひとまず終結し、次の研究テーマを見つける必要があります。今回の経験で、研究テーマの探し方、何のために研究するのか、どのように研究を進めていくのかを考えるきっかけになりました。

--本日はありがとうございました。これからも、いろいろなことにチャレンジしていってください。
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