効率化に満たされた社会なんて、つまらない電通デジタル「Wonderful Prototyping」が
AIやIoTを活用して創り出す未来とは

テクノロジの未来を語る上で、シンギュラリティは避けられない

効率化とは対極にあるAIやIoTの活用を一言で表現するのは、簡単ではないと思います。世の中ではAIについてシンギュラリティ(技術的特異点:人工知能が急激な技術成長を引き起こし文明社会に大きな変化をもたらすという仮説)を唱える人もいますが、どちらかというとネガティブに捉えている。テクノロジが進化した先にある世界をどのように世の中に提案していくのでしょうか。

 もちろん、シンギュラリティを見据えた開発をしていかなければ、効率化を追求した先に人間はどうなるのかという課題に対する答えは生まれないのではないでしょうか。世間では囲碁で人間がAIに負けたことを脅威に感じているかもしれませんが、実は人間とテクノロジがそんなところで争う必要はなく、人間とテクノロジが共存する社会を描いていけばシンギュラリティは決してネガティブな話ではないと思うのです。

 むしろ、テクノロジの進化によって生まれる人間の時間をどう楽しむか。それが文化芸術なのか学問なのか、はたまたエンターテイメントなのかはまだわかりませんが、テクノロジによって生まれた時間を楽しむことを通じて、人間が豊かになる社会が生まれればいいのではないかと思っています。

 現在のところ、AIやIoTなどのテクノロジが進化した先にあるシンギュラリティが具体的にどのような世の中を生み出すのかという点については、誰も答えが出せていません。そのため、どうしても目先の効率化にフォーカスが当たってしまっています。しかし、そうではない新しい価値を生み出そうという兆しは見えていますので、Wonderful Prototypingはそこに寄り添っていきたいですね。

過去を振り返ると、コンピュータが登場したことで世の中は大きく変わり、インターネットやスマートフォンの登場も世の中に変化をもたらし、生活スタイルや働き方を変えてきた。これもひとつのシンギュラリティだといえるのかもしれませんが、効率化を追求してきた割には、実は人間は暇になっていません。

 実はそうなんですよね(笑)。デジタルマーケティングはその最たるもので、これまでは世の中(マス)にひとつのメッセージを発信すればよかったところを、今は100人顧客がいたら100通りのメッセージを考えて発信しなくてはならない。ひとつの製品を100通りのメッセージで語るなど実は逆に効率を悪くしているのではとさえ感じるのです。ひとつの製品が世の中に新しい価値を提供できるのかという点をしっかりと追求していけば、メッセージはむしろひとつで十分なのではないでしょうか。


 ただ、今はテクノロジが先行してしまっているが故にひとり一人に最適なメッセージを最適なタイミングで発信することができてしまう。それが正しいマーケティングだと信じてしまっている。結果的に担当者のタスクは増え、PDCAの運用が複雑になってしまっている。もちろん、このようなメッセージのパーソナライズが必要なビジネスもありますが、それがマーケティングにとって唯一の選択肢だと信じられている現状は不幸ではないかと思います。

 もちろん、マーケティングにとって効率化は大切です。ただ重要なのは、その削減できたコストを新しい価値の創出に投資することなのではないでしょうか。こうしたことは現場だけで判断できることではなく、企業のトップから責任をもって意思決定していく必要があると思います。

 重要なのは、テクノロジは手段であり目的ではないということです。何のためにテクノロジを作るのかを考えることは、人間にどのように時間の余裕を生み出して、働き方を変えたり、生活を豊かにできるのかを考えることと同義なのです。

未来の新たな価値を生み出すために、必要なこと

少し情緒的な話ですが、AIやIoTの活用が進んでいる中で、その先の世界が見えていないという世の中の現状に対しては危機感を抱くべきなのではないかと思うのです。未来に対して理想を持っていない状態で、いま新しい価値をどうやって生み出すのか。現状では何も作れないのではないでしょうか。

 マーケティングでもよくある話ですが、新しい商品や価値を生み出したいと思って人々に「どんな商品が欲しいですか?」と問うても、実は答えは見いだせないことが多い。だからこそ、ビジョンを創った人が勝てる、なぜその価値を生み出すのかという「Why」が語れる人が強いのではないかと思うのです。世の中の共感は「何を」ではなく「なぜそうするのか」という「Why」に対して生まれます。例えばアップルは、「我々のすることはすべて世界を変えるという信念で行っています。これまでと違うということや、違う考え方に価値があると信じています。」という「なぜそうするのか」という「Why」に共感してアップル製品を支持している人が多いと思います。この思想なしに、単なる美しくデザインされ、簡単で使いやすい製品であれば、他に沢山あるし、アップルも他の製品に埋もれてしまっています。


図表2:Why共感モデル

「サイモン シネック: 優れたリーダーはどうやって行動を促すか」を参考に加筆

 そして、かつてフォードが誰も想像もつかなかった自動車というものを実際に生産して社会に問うたように、そのビジョンを形にして世の中に出さなければ、未来への期待や理想を促すことはできないと思うのです。

 例えば、アニメ「ドラえもん」に登場するひみつ道具は、かつては未来感が詰まったわくわくするようなものばかりでしたが、実はその中のいくつかは現代社会で実用化されていますよね。そう考えると、あのひみつ道具こそが未来へのビジョンだったのかもしれません。同じように、私たちが未来の世の中を想像できるようなビジョンを形にして提案する必要があると思います。

 「手間を機械に任せよう」という効率化は、メッセージとしてはわかりやすいですよね。ただ、それは「How(手段)」を語っているに過ぎず、その先にある目的や目指す価値=Whyがなければ無味乾燥なものになります。一方で、未来の価値やその背景にあるWhyを考えて提案するというのは非常に難しい。だから企業は新規事業の創出に苦労されているわけです。私たちは、そうした課題に伴走して新しい価値の創出をお手伝いできればと考えています。

世の中が便利や効率化で満たされている世の中だからこそ、現代社会は未来へのビジョンが描けなくなっているのかもしれません。だから近年はなかなか破壊的なイノベーションが登場しないのではないでしょうか。

 そうかもしれません。だから私たちも効率化ではないテクノロジの新しい価値は何か、テクノロジの先にある理想的な未来のビジョンは何かというテーマで、試行錯誤を続けていく必要があると思います。Wonderful Prototypingでは、クライアントと時間を掛けてディスカッションを行い、なぜ今AIやIoTを活用する必要があるのかという「Why」を徹底的に議論しながら、未来の価値を模索していきたいと考えています。

未来の社会に向けた新しい価値として、これから挑戦してみたいテーマなどはありますか。

 ひとつ挑戦したいと考えているのは、「自分AI」と呼んでいる自己能力拡張AIですね。自分がネット上で投稿した画像やコミュニケーションのテキストをAIが学習して、自分自身のことに詳しくなっていく人工知能で、自分自身とAIが共生しながら暮らしを豊かにするような世界を描いています。例えば、情報の記憶もAIに任せて必要なときにAIが情報を引き出してくれたり、自分の能力をサポートしてくれる存在ですね。そのための技術を今から少しづつ開発しているところです。

最後に、Wonderful Prototypingの今後の展開について抱負をお聞かせください。

 効率化の追求だけでない、テクノロジの活用アイデアは、新しいビジネス、サービスを考えている方々の間では、日々浸透してきていると実感しています。そのような志を同じくする企業の皆様、ベンチャーの皆様と一緒になって、新しい暮らし方、新しい働き方、新しい人生の楽しみ方を、新しい価値観とともに生み出していきたいと思っています。そのために、テクノロジの進化に、私たちが得意とするアイデア力を掛け合わせて、0から1を生み出すイノベーションの大きな第一歩となる、プロトタイピングを2020年までにどんどん生み出していきたいと考えています。

提供:株式会社電通デジタル
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2018年6月30日

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