製品情報

E2c

SHURE

E2c

【主なスペック】
【発売日】
2003年06月
【メーカーサイト】
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ユーザーレビュー

2005年11月09日 00時35分
◆総合評価
E2Cは遮音性抜群で買いやすい価格の本格的?カナル型として人気の機種。しかし、音の方は微妙なレベルであり、価格に見合った良い面もあるが、これはちょっとという悪い面もある。その辺は、比較的低価格でしっかり遮音できるイヤホンが手に入るということで割り切るしかないだろう。

◆デザイン
割ったら中から豆が出てきそうな形だが、この形状は耳の中にすっぽり収めるためのものだ。ケーブルは耳の上を通す独特な装着方法で、ケーブルのタッチノイズを軽減する効果がある。機能のためのデザインとして秀逸なので★4つとした。このイヤホンの見た目が美しいと言っている訳ではない。

◆音質
高域は見事なまでにダラ下がりでハイエンドは悲しいくらい伸びない。高域に関しては「ダメだこりゃ」である。中域と高域の間ぐらいの帯域にアクセントを付けて、高域の不足感やキレが無くなることを防いでいる。苦肉の策ではあるが、低価格のイヤホンではちょくちょく見受ける手法だ。ただしこの方法は中音域への影響も大きく、中域は若干こもった感じが出て、エコー掛かった音になっている。

クセのある音ではあるが、中音域はこのイヤホンがもっとも得意とする領域だろう。ボーカルには独特の響きがつきまとうが、その点以外は意外と素直に出ており、慣れてくると声に自然さ、伸びやかさすら感じてしまう。音のクセはともかくとして、1万円未満のイヤホンでは一番歌がうまいのでは無かろうか?中域〜高域のアクセントの強い部分に音が乗っかると、ボーカルにしろ楽器にしろ表現が若干オーバー気味になって嫌な響きになるときもあるが、これがうまい具合に働くと声の表現・表情の幅を広げる効果がある。なんとも評価が難しい音作りだ。

低域は軽い。重低域の低い帯域から下はさっぱり出ていないのだ。イヤーチップで調整すれば量的な問題は解決するだろうが、根本的に出ていない音はどうしようもない。出ている領域自体は結構押し出しが良く、パンチのある音が出せる。ほどほどの量感で若干丸みを帯びた低域ながら、キチンとコントロールされた音であり、立ち上がり良く出て、潔くスッと退く、気持ちの良い音で押しつけがましさが無い。

この機種が国内に出回り始めた頃に"音楽的な音を出す”という評価を耳にすることが多かった。私が実際に聴いてまず思ったのは「Hi-Fiではない・・・つうか、ひでぇ音だな」と言う印象だった。しかし、しばらく聴き込んでいくと、出ない高域のごまかし方、クセのある中域の意外な表現力、リズムに乗りやすい低域など、確かに人を騙すような音作りではあるが、これはこれで騙されても良いか・・・と思えるレベルなのである。ひでぇ音であることは変わらないのだが、納得はできる・・・この辺りにSHUREの巧さと言うか狡さを感じた。

◆コストパフォーマンス
装着しやすいオレンジのスポンジチップでも、かなり遮音性がある。堅い透明チップは耳に合わないのであまり使っていないが、こちらの遮音性はさらに高い。この遮音性こそがE2Cの真価であり、この遮音性がどこにでもE2Cワールドを作り出すのだ。カナルの魅力を手軽に楽しめる機種と言う意味でコストパフォーマンスは高い。

◆使いやすさ
透明チップが耳に合うならば、あとは装着に慣れれば大した問題はないと思う。スポンジチップにしても、つぶしてから耳に入れると言うステップが増えるだけだ。まあ、いずれにしても気にするほどの問題はないと言うだけで使いやすい訳ではない。

私の場合は透明チップの小では低域が抜けてしまい、大では自分の体内雑音(血流音、つばを飲む音など)が煩わしい上に耳が痛くなる状況だったのでスポンジチップを使用している。スポンジチップの方が音がマイルドになる傾向はあるが、こちらの方が痛くないし聴きやすいし、E2Cの本質自体が変わる訳でもないので気にしていない。

◆ナイスか?
ナイスであるが、この個性の強い音が肌に合うか否かがすべてのような気がする。

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