国際審査・認証機関の仏ソコテック日本法人 米パーセフォニ社の気候変動管理・会計プラットフォーム(CMAP)の 第三者認証(妥当性確認)を実施

金融業界の脱炭素社会に対する意識改革に向けて

ソコテック・サーティフィケーション・ジャパン株式会社(本社:東京都千代田区/執行役員社長:二場誠吾、以下ソコテック)は、Persefoni AI, Inc.(本社:米国アリゾナ州テンペ、以下「パーセフォニ」)の依頼に基づき、パーセフォニが設計・開発した”気候変動管理・会計プラットフォーム(CMAP)日本版”が温室効果ガスの排出量を正確に算定できることを、第三者機関として審査を実施し、金融機関に特化したPCAF*1による国際基準においてその妥当性を確認いたしました。

パーセフォニが提供するソフトウェアは、企業の事業活動における各バリューチェーンにおいて排出される温室効果ガスの排出量を簡単に算定・管理できる「気候変動管理・会計プラットフォーム(CMAP)」です。GHGプロトコルに基づく算定のみならずPCAF基準を搭載することによって、金融機関はPCAFの定める基準に基づいて投資・融資の形態に応じて定められた算定ルールに基づき、金融ポートフォリオの温室効果ガス排出量を簡単に算定・評価することができるというものです。

本件の目的は、このソフトウェアの設計に関して、判断基準に基づいて独立の立場から妥当性を客観的に評価することであり、今回の審査にて、当製品がGHG プロトコル*2「企業のバリューチェーン(スコープ 3)の算定・報告基準」、PCAFの定める金融に係るGHG算定・報告の国際基準に基づいて適切に算定・出力されるものとして設計されているかにつき、ISO14064-3の要求事項を参照した当社の検証手順に基づいて認証を実施し、2022年7月29日に認証を完了致しました。

具体的には、スコープ3 カテゴリー15(投資)における排出量に関して、金融機関が投融資している金融資産の分類である「株式投資」「ビジネスローン」「社債」「プロジェクトファイナンス」の4つの資産クラスにおいて、当該金融機関に帰属する排出量を投融資先から直接排出量データを取得して計算する方法(データ品質スコア1)から、物理的活動データ数値の取得による計算(データ品質スコア2、3)、経済的活動データ数値の取得による計算(データ品質スコア4、5)のそれぞれについて確認し、計算方法が基準に従って妥当であると判断いたしました。

同社は、金融分野におけるGHG排出量に関しても、基準に忠実に検証を実施することにより、排出量情報の信頼性を向上させる役割を担い、脱炭素に向けた取組に貢献していこうと考えています。


 Persefoni AI, Inc.について
パーセフォニは、気候変動管理・会計プラットフォーム(CMAP)のリーディングカンパニーです。企業や金融機関は、国際的な炭素会計基準であるPCAFやGHGプロトコルに対応する同社のSaaS型ソリューションを利用することにより、国内外のステークホルダーや規制当局が求める気候変動に関する情報開示業務を、高い信頼性、透明性、利便性をもって行うことができます。パーセフォニのプラットフォームは、「炭素分野のERP(経営資源を統合的に管理し、経営の効率化を図る手法)」であり、スコープ1から3までの(自社や国内外のサプライチェーン全体での)炭素管理の一元化を実現し、企業は従来の経理業務と同様の厳密さと信頼性をもって、炭素会計・管理業務を進めることができます。
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 ソコテック(SOCOTEC)グループについて
フランスに本部を置く国際的な認証機関として、世界各地で審査、認証業務を行うグローバルなリスクマネージメント企業。技術力の高さを強みとし、1万人の従業員のうち6000人を技術者が占めています。
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 ソコテック・サーティフィケーション・ジャパン株式会社
国や自治体が行っているGHGの削減に係わる審査・検証業務など、10年以上にわたる実績や知見を基盤とし、カーボンニュートラルを目指す企業の気候変動対策等を支援する幅広いサービスを提供しています。
同社が行っている第三者検証は、企業が独自に提供するサービスメニューや企業が自主的に開示するESG情報について、公正・中立な第三者機関として、データだけでなく運用状況も確認することで、社会的信頼度をより向上させることができます。
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お問い合わせ先 
担当者:大瀧 / 事業推進室
Email:sumiko.ohtaki@socotec.co.jp Tel: 03-3516-2411 Fax: 03-3516-2415

用語解説

*1 PCAFについて
PCAFとは、金融機関向けの炭素会計に関する国際的なパートナーシップ(Partnership for Carbon Accounting Financials)で、日本でも大手都市銀行や証券会社、保険会社などが加盟しています。PCAFは、金融機関が投融資を通じて資金提供した企業の温室効果ガス排出量を算定・評価するための枠組として、「Global GHG Accounting and Reporting Standard for the Financial Industry」という国際基準を策定し、6つの金融資産クラスについて金融機関に帰属する温室効果ガスの排出量の算定方法を示しました。

現在、GHG排出量算定や気候変動を含むESG(環境・社会・ガバナンス)に関する情報開示のための様々な基準がありますが、PCAFが策定した国際基準は、金融機関に特化しており、この基準のポイントは、投資・融資によって発生するGHG排出量を算定し報告することを目的としています。

この基準に基づいた金融機関における金融ポートフォリオの排出量報告が進展することで、投融資先の地球温暖化に対するリスクと対応状況を金融機関自らが認識することにつながり、脱炭素社会への移行において金融機関が投融資先にどのようなエンゲージメントを行うべきかに関して考察する機会となるでしょう。


*2 GHGプロトコルについて
GHG(温室効果ガス)排出量の算定・報告には「GHGプロトコル」という世界的な基準があり、「GHGプロトコルのバリューチェーン会計・報告基準」では、GHG排出量を算定する上で以下のように3つのスコープを設定しています。

スコープ1:直接排出するGHG
スコープ2:エネルギー利用に伴い間接的に排出するGHG
スコープ3:その他、間接的に排出するGHG

企業のバリューチェーン全体のGHG排出は、スコープ3のGHG排出を算定・報告することでカバーされます。

金融機関においては、産業の特性からスコープ1、2の排出量は他の産業と比較して大きくないものの、投融資を行うことによって投融資先の企業が事業活動を行うことで発生する排出量(スコープ3)に最も影響を及ぼしています。

金融機関がGHGを大量に排出する企業に投資や融資を続けていては「2050年までのGHG排出量実質ゼロ」の社会の実現は困難でしょう。したがって、金融機関におけるスコープ3のカテゴリー15(投資・融資によるGHG排出量)を算定・報告することが投融資先とのエンゲージメントを深める意味でも重要であると考えています。

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