米Sybaseは、モバイルソフトウェアの米AvantGoを約3800万ドルで買収する。Sybaseが米国時間12月20日に明らかにした。
データベースやポータルなどの企業向けソフトウェアを手がけるSybaseは、同社の子会社iAnywhere SolutionsにAvantGoを統合する計画だ。AvantGoは、モバイル機器にデータを伝送するためのソフトウェアを提供している。
「SybaseはAvantGoの資産を利用して、何百もの無線端末から企業データベースへアクセスできるようにするためのソフトウェアとハードウェアの市場に参入する」と、Sybaseの最高責任者、ジョン・チェンは述べた。
チェンによると、2002年にIBMやSybaseなどが販売したいわゆる「ミドルウエア」は、約7億ドルに相当するという。市場調査会社の米IDCは、2007年にはその規模が150億ドルに拡大すると予測している。
「AvantGoの買収により、いくつかの新しい市場で迅速なスタートを切ることができる」と、20日に行われた報道発表の場でチェンは語った。
なお、買収取引に関する詳細な財務条件については明らかにしなかった。
AvantGoで最も良く知られている製品は『My AvantGo』だ。これは、無料の消費者向けソフトウェアで、ユーザーがハンドヘルド端末を使ってニュースなどの情報を確認できるようにするものだ。
チェンによれば、SybaseはMy AvantGoのサービスを今後も継続する予定だという。My AvantGoのユーザーは約700万人を数える。
AvantGoは最近、企業向け市場への参入を試みた。しかし企業がIT予算の引き締めを行っているため、困難に直面している。同社はコスト削減を図り、7月に約40%の人員整理を実施した。
チェンは、さらなるコスト削減計画を明らかにしている。年末までに、AvantGoの社員約30人を解雇し、カリフォルニア州ヘイワードにある施設を閉鎖する。
AvantGoのCEOは「他の仕事に従事する」として、9月に辞任。10月にデビッド・パットが、暫定社長兼CEOに就任した。
今年の第3四半期にAvantGoは、450万ドルの売上に対して、550万ドルの損失(1株あたり損失は16セント)を計上した。前年同期は、490万ドルの売上に対し、2120万ドルの損失だった。
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