ビジネスユースに最適 Zaurus SL-C1000

シャープ
内容:厳しい状態が続いているPDA市場で、高い支持を得ているシャープのザウルス。今年の春に登場した「SL-C1000」は、ビジネス文書のテンプレートを20種類収録するなど、ターゲットをビジネスユースに大きくしぼった1台だ。PDAといえば、古くはHandspring社の「Visor」からSonyの「CLIE」などPalm互換機を使用してきた経験をもとに、今回Sharpの「Zaurus SL-C1000」を試用した。

コストパフォーマンスの高いSL-C1000

厚さは約25mm

 

キーボードだけでなく、カーソルボタンも付いている

 

メイン画面

 この「Zaurus SL-C1000」は、その筐体デザインや各スペックが、以前発売された「SL-C3000」とほぼ共通となっており、「SL-C3000」の廉価版という位置付けだ。目立った違いといえば、筐体のカラーリングがマットブラックであることと、HDDを搭載しないかわりにフラッシュメモリが128MB搭載されていることだろう。4GBのHDD搭載で話題になった「SL-C3000」は、しかしその価格などから少し手を出すのを躊躇してしまう、という方もいるかもしれない。「SL-C1000」は、「SL-C3000」と比べ市場価格ではおよそ2万円程度差があるようなので、大容量のデータを扱わないのであれば、コストパフォーマンスは非常に高い。

 実際に箱から実機を取り出して最初に感じるのはその重量感である。HDDが非搭載ということで「SL-C3000」からは20g程軽量化された約278gだが、これまで筆者が使ってきたPalm互換機と比較するとずっしりとした重量感がある。また筐体も「SL-C3000」と同じ厚さがあるため、PalmやCLIEなどのPDAと比べると厚みがあり、ポケットに入れて持ち運ぶのはさすがに難しいかもしれない。

 この厚みのためか、液晶を表に出したビュースタイルにしてスタイラスペンで操作をする際には、少し持ちにくく感じた。ただ、側面に配置されているボタン類は、非常に使いやすい位置にあるため、片手でメニュー画面を操作する際にはそれほど苦にはならない。また、キーボードを使うインプットスタイルの場合は、キーボードの小ささや配列が独自配列のため長時間の使用には向かないが、簡単な書類の修正や短いメールを打つ場合にはそれほどストレスなく使うことができた。


見やすい高解像度ディスプレイ

 電源を入れてみた最初の印象は、ディスプレイが非常に高解像度で見やすいということだ。搭載されているディスプレイは3.7型のVGA液晶(65,536色)なので、少し大きいスプレッドシートやWebページのブラウジングもスムーズに行うことができる。また、電源投入からメニュー画面が表示されるまでが非常に早く、すぐに取り出して使えるというのも好印象だ。

 しかし、いざ各アプリケーションを起動してみると、画面がなかなか切り替わらない。起動してしまえば快適に使えるのだが、アプリケーションの起動や切り替え、また、ヴュースタイルからインプットスタイルへの切り替えなどの際に、少し時間がかかるようだ。すぐに使いたいアプリケーションは終了させないでおいたほうがよいかもしれない。

 搭載されている各アプリケーションだが、基本的なPIM関連やWebブラウザ「NetFront 3.1」「Hancom Word」「Hancom Sheet」などSL-C3000と共通のもののほかに、新たに「データベース」や「乗換案内」「写真ビューア」などが搭載されている。この「写真ビューア」は、CF/SDメモリーカードの800万画素クラスの画像(JPEG)ファイルを表示をすることが可能だ。また、写真データ1枚とExif情報を閲覧できる「info」、写真を連続して閲覧できる「スライドショー」の機能があり、チェックを付けた写真の複製などのファイル操作も簡単に実行することができる。また、搭載されている電子辞書も、SL-C3000から変更になっている。  漢字辞典を除いた辞書では、「インクリメンタル検索機能」を有効にすると、文字を1文字入力するたびに候補の文字が絞り込まれる。特に英単語を調べたいときには、すべての綴りを入力する必要がないので使いやすく、効率よく調べることができる。

ビジネスの効率化に役立つPDA

 SL-C1000でネットワーク接続する際には、おそらくほとんどの場合カードスロットに通信カードを挿入して利用することになるだろう。FOMAやボーダフォンコネクトカード、AIR-EDGEといった通信カード・サービスに対応しており、bitWarp PDA(ソニーコミュニケーションネットワーク)やKWINS for PDA(京セラコミュニケーションシステム)といったPDA専用サービスを利用すれば、128kbpsのデータ通信が定額で利用できる。また、「設定アシスト」などでネットワーク設定も非常に簡単に行うことができる。

SDカードスロットとCFカードスロットは各1つずつ

 また、PCとの連携も簡単だ。CF/SDメモリーカードによるデータの受け渡しはもちろんだが、USBマスストレージ接続もできるため、本体とPCを直接USBケーブルで接続すれば、そのまま本体側へデータを送ることが可能だ。また、Outlookとの連携も、付属の連携ソフトを用いて問題なく行えるので、メールやスケジュール、アドレス帳などをOutlookで管理していれば簡単にできるだろう。

 SL-C3000が、HDDを搭載し音楽データや映像データなども大量に持ち歩くというような路線だったとすれば、SL-C1000はよりビジネスユースに特化した構成になっていると言えるだろう。ワープロソフトや表計算ソフトが入っているのはもちろんだが、20種類のビジネス文書のテンプレートが搭載されていることなどからもわかる。外出する前にPCとデータを同期しておき、移動中などに資料の修正やメールチェックを行う、という利用シーンでは、非常に高いパフォーマンスが期待できる製品だ。

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