1つ目は「モバイル」をキーワードにしたペイメントイノベーションです。例えば個人間送金だと、日本ではLINE Payが近い存在です。店で幹事がまとめて支払う時、現金で割り勘は大変ですよね。LINE Payならこれがスマホ上の操作で完結します。また先ほどのペイレスのような取り組みも募集します。
これまでのようにカードを財布から取り出して決済するのではなくて、モバイルを組み合わせたイノベーションを起こしたいのです。これは一例で、これ以外のアイデアも大歓迎です。
融資を判定するとかはい、それが2つ目の「データを活用したイノベーション」になります。今後モバイルのイノベーションが進むと、消費活動のほとんどがカード決済になります。溜まった決済履歴がどんどん価値を持ってくるんです。「この溜まったデータで新しいイノベーションを起こせませんか?」という視点です。
例えば、溜まった決済履歴をAIに処理させて融資を判定するとか、消費者がどこどこで消費活動をしているので、ここに出店すればいいという具合にマーケティングにも活用できます。溜まったデータは宝の山なので、われわれの考えていなかったイノベーションが起きればいいし、米国ではすでにそういう事例があります。
ハッカソンですと1日から2日、1週間など短期的に終わります。その意味では広告宣伝的で、われわれのやりたいこととは異なります。JCB Payment Labは9月末のエントリー受付開始から2017年7月に開催するDEMO-DAYまでの1年弱のプログラムです。ビジネスを形として立ち上げる十分な時間を用意しています。
われわれは24時間365日動くカード決済インフラを持っています。世界中で決済が発生しているので、処理性能としては、同時処理で45万件をこなす能力を用意しています。
新しいイノベーションを起こす場合、ある程度のインフラを持たないと、面白いものは作れません。安心安全という堅牢性を提供したい。システムの堅牢性はわれわれで守ります。逆にスタートアップの皆さんにお願いしたいのは、ユーザーにどう価値創造するのかという点です。極論を言うと、うまくJCBを使ってほしいんです。
例えば「会員管理機能」や「オーソリゼーション機能」「不正抑止機能」など。このテーマについて、JCBにできることはこれ、といった具合に、ビジネスアイデアに応じて個別具体的に提供していきます。
キャピタルゲインは狙っていません。応募各社が出資を望まず、事業提携してほしいというところに、われわれが無理して出資することもありません。出資はあくまで要望があった場合のみ。事業提携して、世の役に立つイノベーションを起こすことが目的です。
JCBは本気です。コンテストのように「表彰しておめでとう!」でフェードアウトすることはありません。繰り返しになりますが、あくまでイノベーションを起こすパートナーを探しています。事業提携して、世の中の役に立つものを出していきたいと思います。
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