第2日本テレビに聞く「ネットで考える、映像戦略」
2008年10月に全面リニューアルをした、第2日本テレビ。開設してから3年が経ち、これまでのサイトとは大きく変化を遂げた。開設時のコンセプトは、日本テレビとは異なるコンテンツによる、「独自色を持った動画サイト」という位置づけで展開してきた。このリニューアルを機に、第2日本テレビのコンセプトは大きくシフトする。2009年4月に、ネットレイティングス株式会社が発表したプレスリリースによれば、テレビ各局の提供する動画配信サイトで、第2日本テレビは2009年3月、月間126万人が利用する1位のサイトだ。「ネットで考える、映像戦略」を日本テレビ放送網株式会社 編成局デジタルコンテンツセンター デジタル制作部 原浩生氏に伺った。(聞き手:宮本利明)
リニューアルで日本テレビの動画ポータルサイトに
2008年10月のリニューアルを機に第2日本テレビはコンセプトと運用方法を変更した。「今まで展開してきた、第2日本テレビのオリジナリティという思想はそのまま持ちつつも、日本テレビのWeb動画部門を担う動画ポータルサイトとして、今後は日本テレビのコンテンツと一体化運用していく方針」と、原氏は話す。リニューアルのポイントはコンテンツとシステムの2つある。先ず、コンテンツは日本テレビの番組サイトと一体化するようなサイト構成および導線を意識した点である。ドラマに興味を持って日本テレビの番組サイトを訪れた人が、次回の予告やスピンオフ(ドラマに連動または関連したコンテンツ)を閲覧するなど、そのドラマを起点に第2日本テレビへ誘引するという流れだ。次にシステムの面で言えば、完全無料と非会員制にした点である。今までは動画を有料で視聴したり、会員のポイント制で視聴できるというシステムだったものを全て捨てた。ビジネスコンセプトにも影響する決断である。開設当初から、システムの見直しは3年を機に予定していたが、システム見直しと同時にビジネスコンセプトの改編にも着手したリニューアルによって、第2日本テレビは、日本テレビの動画ポータルサイトになった。
コンテンツの強みは放送品質。システムはサクサク感にこだわる。
第2日本テレビの強みを聞いたところ2つを挙げられた。1つ目の強みはコンテンツ面である。「クオリティが放送品質」だと話す原氏。第2日本テレビは、コンセプトとして、日本テレビの動画ポータルサイトと謳っているので、放送で作っているのと同等の制作工程であったり、出演者であったりする。コンテンツの一例を挙げると、「伊藤家の食卓」は地上波と同じ取材活動、検証を行うなど、きちんと行っているのが強みだという。2つ目の強みはシステム面である。リニューアル時に「動画をサクサク見れる、サクサク感にこだわった」と原氏は言う。Webの場合、視聴者の「もっと見たい」に応えることが重要だと原氏は続ける。テレビの場合、番組表に従って時間通りに始まり、番組とCMをきちんと全て見る流れだが、Webでも視聴者に同じ行動を求めるのは難しいのが実情である。目的のコンテンツ、関連するコンテンツを「サクサク、もっと見たい」という視聴者心理は強いだろう。リニューアルでは、「サクサク、もっと見たい」に応えるべく、コンテンツを視聴する前のユーザー登録を廃止し、クリック数を少なくし、DRM認証からローディングまでの待ち時間を短縮するなど、いかに早くサクサク見れるかにこだわったという。レコメンド、動画検索機能の強化も同時に行った。結果、回遊率をリニューアル前後で見ると、少なく見ても「1.5倍」跳ね上がったという。
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