これらの新機能では、被写体やシーンの解析に冒頭にも紹介したThinQ AIが用いられている。AIを用いたシーン認識は今や、ハイエンドスマートフォンのトレンド機能のひとつになっているため、今回追加された新機能もそれらの後追いのように見えるかもしれないが、LGの担当者によればThinQ AIは、LGが30年以上に渡って取り組んでいる家電のスマート化、インテリジェント化の流れを汲む、独自のAI技術という。
スマートフォンだけでなく、すでにテレビから冷蔵庫などの白物家電、ロボットまで幅広いLG製品に搭載されている。「最大の特徴は、ThinQ AIがオープンプラットフォームであるということ。自社製品だけでなく様々な製品や他のAIプラットフォームともつながることで、お客様により便利な暮らしを提供したい」という。
実際に筆者も、1月に開催された世界最大の家電見本市「CES」で、ThinQ AIがGoogle アシスタントや、Amazon Alexaと連携する様子を取材している。なお今回追加された新機能のAIカメラも、実はGoogle アシスタントから操作することが可能だ。
Googleアシスタントに「AIカメラで写真を撮って」と話しかけると、カメラが起動して被写体を認識し、自動的にシャッターが切れるというもの。スマートフォンを固定して写真を撮るシーンなどに便利に使えそうだ。
「AIカメラ」だけでなく今回追加された新機能はいずれも、冒頭に紹介したように、海外では「LG V30S ThinQ」という新機種に搭載されているものだ。
2月に開催されたモバイル見本市MWCでその実機に触れたが、新機種の目玉として紹介されていた新機能が、まさかアップデートという形で、すでに発売済みのV30+ L-01Kに追加されるとは思わなかった。
LGの担当者にその点を尋ねると「ユーザビリティの追求は常にLGが目指していることであり、今回のアップデートもそのひとつ。新機能によって、カメラをより便利にカンタンに楽しんでもらえればうれしい」との答えが返ってきた。ここまでの大幅な機能アップデートが、発売後約半年というタイミングで提供されるケースは極めて稀。既存のV30+ L-01Kのユーザーにとっては、とてもラッキーな出来事だし、これからV30+ L-01Kを選ぶユーザーは、最新機種を購入するも同然と言えるだろう。