最終更新時刻:2011年1月4日(火) 19時08分

CNET Japan セミナーレポート 日立製作所「TCO削減に導く効率的なIT活用セミナー」

クラウド時代の基幹システムに求められる要件とは何か。それをテーマに開催された日立製作所主催のセミナーでは、独自開発の仮想化技術を搭載したハイエンドモデル「BS2000」および、高信頼なオープン環境にむけた日立のLinux高信頼化への取り組みについて解説が行われた。

 「基幹システムに必要な高信頼性とは、いかなる時も安定稼働する高信頼なシステムであり、その実現には不具合発生時でも影響を最小限にできること」

 セッションの冒頭でそう語るのは、日立のソフトウェア事業部でプラットフォームソフトウェア本部プラットフォームコンピテンスセンタの主任技師を務める高山ひろみ氏。モノづくりにこだわり、長年メインフレームを開発してきた日立こそが、オープン環境でもメインフレームクラスの高信頼性を実現できると話す。

オープン環境でもメインフレームクラスの高信頼性を実現

日立製作所 ソフトウェア事業部 プラットフォームソフトウェア本部 プラットフォームコンピテンスセンタ 主任技師 高山ひろみ氏 日立製作所
ソフトウェア事業部 プラットフォームソフトウェア本部
プラットフォームコンピテンスセンタ 主任技師
高山ひろみ氏

 では、メインフレームクラスの高信頼性とは何か。メインフレームや商用UNIXでは、ホットスタンバイによる数十秒オーダーの高可用性や、OSトレース・OSダンプなどによるトラブルシュート、整合性が確保された障害回復設計、長期の保守性といった各要素が不可欠だという高山氏。

 しかし、一般的なオープン環境では、障害ノードの保障はなく数分オーダーでの切替え、OSトレースやOSダンプが貧弱、障害箇所の特定が困難、保守期間もベンダー次第といった不安要素が問題となる。

 「日立の統合サービスプラットフォーム「BladeSymphony」なら、長年のメインフレームOS開発で培った高信頼化技術を投入したRed Hat Enterprise Linux と 日立のLinux付加機能に加え、統合システム運用管理「JP1」やSOAプラットフォーム「Cosminexus」といった高信頼なミドルウェアを活用できる」(高山氏)

 日立では、メインフレーム・UNIXサーバで長年培ったノウハウをLinuxの高信頼化に投入。2003年にはRed Hatと協業を開始し、2006年からBladeSymphonyにおけるLinuxの高信頼化機能を開発している。

 ここで注目すべきは、カーネル外付けで実現できないLinuxのコア部分をRed Hatと共同開発し、新プロセッサ向けRAS(信頼性、可用性、および保守性)機能をインテル社と連携してカーネルに組み入れる一方で、カーネル外付けで実現可能な機能は日立が独自にLinux高信頼化付加機能として開発している点だ。

Linux高信頼化をサポートする7つのオプション

 それについて、高山氏は主要な7つの機能を紹介した。

図3:日立のLinux高信頼化機能
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 その1つが高速ホットスタンバイ。HAクラスタ環境における問題発生時のシステム系切替え時間を、従来の数分から数十秒に高速化するという。

 2つ目はダンプ取得強化。高信頼ダンプ取得ツールを利用することで、メモリーダンプ以外にカーネルログを取得し、OS障害時の原因究明・対策を迅速かつ確実に実施する。

 3つ目が高信頼ログ基盤。「拡張SYSLOG機能」を活用することでsyslogへのメッセージ出力を制御し、専用のログファイル(RASLOG機能)で迅速な障害切り分けを支援。

 4つ目は高信頼ストレージ連携。日立の高信頼ドライバを適用し、障害発生時のデータ破壊の防止や動作トレースによる迅速な障害解析、適切なリトライ処理などを実施する。

 5つ目が高信頼ネットワーク連携。接続監視を行う自セグメント以外でネットワーク障害が発生した場合でも、経路全体を監視する日立独自開発の「hbonding」により障害検出・切替えが可能になる。

 6つ目が長期サポート。Red Hat標準の製品サポート期間7年を3年延長。また、特定アップデートに対する不具合対策の期間も18カ月に拡張する。

 そして、7つ目の機能がレガシー文字コードサポート。Red Hat Enterprise Linux 5のShift JIS文字コードでの使用をサポートすることで、メインフレームや商用UNIXなどからのユーザープログラムデータの文字コード移行コストを削減する。

UNIXからLinuxへの移行支援

 これらLinux高信頼化付加機能は、Red Hat Enterprise Linuxと日立のサポートサービス「日立サポート360」のセットで導入するユーザーが利用できる、「Linux環境強化サポートオプション」の機能となる。

 日立ではUNIXからLinuxへの移行支援も行っているという高山氏は、「アプリケーションプログラムの移行性の診断など、安心して移行するためのソリューション類を提供しているのでぜひ利用していただきたい」と語り講演を終了した。

図4:高信頼サポートサービス「日立サポート360」
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日立製作所ブレードサーバの特長・導入事例・Linux活用を解説 「TCO削減に導く効率的なIT活用」セミナー資料
日立製作所ブレードサーバの特長・導入事例・Linux活用を解説
「TCO削減に導く効率的なIT活用」セミナー資料

本資料は、2010年2月24日に実施された、日立製作所「TCO削減に導く効率的なIT活用セミナー」の説明資料になります。

セミナー講演資料
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本資料は、2010年2月24日に実施された、日立製作所「TCO削減に導く効率的なIT活用セミナー」の説明資料になります。

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