最終更新時刻:2010年12月18日(土) 8時00分

ディー・エヌ・エーはなぜ勝ち続けるのか――知られざる“テクノロジー”企業の姿(前編)

ディー・エヌ・エーはなぜ勝ち続けるのか――知られざる“テクノロジー”企業の姿(前編)

CNET Japan Ad Special、文・青山祐輔 写真・津島隆雄

 ディー・エヌ・エーが好調だ。四半期ごとの業績発表を見ると、2010年3月期第3四半期(2009年10月から12月)は過去最高の売上と利益となった。しかし、同社は順調に業績を伸ばしてきたわけではない。リーマンショック直後も2008年10月から2009年3月までは、その成長力の強さを見せたものの、2009年4月以降は主力事業のモバイル向けソーシャルネットワークサービス「モバゲータウン」の不調が目立ち、売上高、利益ともに大きく数字を下げてしまった。グリーのような競合が著しく会員数や業績の面で追い上げて行く中で、一時は同社の成長の伸びを懐疑的に見る業界人もいたかもしれない。

 しかし、2009年10月以降は話題のソーシャルゲームの投入により、モバゲータウンの会員数、ページビューは大幅に伸長する。あわせて課金売上が業績を前述のように大きく押し上げることとなった。

 この短期間の話だけではない。かつては、PCでのオークションサイトあるいはショッピングサイトとしての主力事業だったビッダーズから、モバイル中心の業態へ変化させていき、大きな成長ドライブを作ってきた。今回も業績が停滞しても新たな方法で成長させてくる。このディー・エヌ・エーの力強さはどこから来るのだろうか――同社で活躍する人物のインタビューを通して、その底力に迫ってみた。

どこにでもあるアイデアとそれを事業に変える環境

南場智子氏 代表取締役社長の南場智子氏。

 ディー・エヌ・エーの最初の事業であるビッダーズ以降、モバゲータウンは言わずもがな、モバイル向けオークションサイトのモバオク、モバイル向けショッピングサイトのモバコレ、アフィリエイト広告のポケットアフィリエイト、決済事業のペイジェントなど数え上げればきりがないほど新しい事業を生み出してさらなる成長をドライブする。同社の歴史を詳細に追っていくと、そんな印象を受ける。そのドライビングパワーはどこから生まれてくるのか代表取締役社長である南場智子氏に聞いてみた。

 「最初のビッダーズは私のアイデアでしたが、それにショッピングモールを加えようというアイデアは当時のエンジニアの考えでした。モバオクはアイデア自体は経営陣が出したものですが、中身は守安(現取締役の守安功氏)をはじめとする(当時の)エンジニアが考えたものですし、ビッダーズとは切り離したものにするというプランも当時アルバイトだったエンジニアからのものでした。ポケットアフィリエイトも現場から出てきたものです。モバオクのマーケティングの手段ということで、営業とエンジニアが私の知らないところで作っていたんです。モバゲータウンもそういうアイデアがあるとは聞いていたけれど、まったく私が関与しないままカタチになっていた。」(南場氏)

 南場氏によれば「新しいアイデアが出てきたら、それがどこから生まれたものであっても良いものなら採用しようという意識が徹底されている」のだと言う。アイデアはどこからでも出てくる。ただし、良いアイデアをきちんと汲み上げて、事業化に向けたラインに乗せていくような環境作りが南場氏を始めとする経営陣の仕事だ。

提供:株式会社ディー・エヌ・エー
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