コレが「僕の人喰い映画館」--お気に入りガジェットバトン第27回

とみさわ昭仁2007年10月26日 23時29分

ひたすら人喰い映画を見るために

 元々映画好きではありましたが、今年の頭に突然「人喰い映画」──要するに、ヘビとかワニとかサメとかのハラペコ生物に人間が喰われる映画の魅力に目覚めまして、片っ端からそういう映画のDVDを買い集めるようになりました。

 それらをひたすら見ては感想をブログにアップしてるんですけど、休日に家で1本か2本見るぐらいじゃ追いつかないんですよ。なにしろものすごい勢いで買うから。どんどんDVDが積み上がっていくのです。

今年に入って人喰い映画ばかりこんなに買いました 今年に入って人喰い映画ばかりこんなに買いました

 結局、未見のDVDを少しでも消化するには毎日の通勤時間を利用するしかない、という結論に至って、SONYのポータブルDVDプレイヤーDVP-FX850を買いました。人喰い映画専用機です。

 幸か不幸か、わたしは通勤時間が片道1時間半近くあるんですけど、通勤経路の関係でほとんど座っていけるんですね。そうすると、行きと帰りでほぼ映画1本を見られます。これはすばらしい。人生に無駄がない。シートに座って、プレイヤーを開き、ヘッドホンを装着すれば、もう電車の中がマイ映画館ですよ。シネスイッチ俺、ですよ。おかげで映画を見るペースも上がりました。

バッテリーにキヲツケロ!

液晶サイズは8インチ、重量はバッテリー込みで約1.5kg 液晶サイズは8インチ、重量はバッテリー込みで約1.5kg

 この機種を選んだポイントは、画面サイズと本体重量のバランスです。映画を見る以上、画面はデカい方がいいに決まってます。でも、毎日持ち歩くものだから、軽く、コンパクトでなきゃ困る。そのバランスが一番よかったのがDVP-FX850だったのです。

 わたしは買い物をするとき、事前にカタログでスペックを比較研究したりするタイプじゃないので、欲しい! と思った日にいきなり地元の量販店へ行って、現物を見て決めました。メーカーで選んだりもしません。

 画面8インチは小さいと思われるかもしれませんが、意外とそうでもないですよ。ひざの上に乗せて間近で見てるわけだし、映画に没入してると案外、画面の小ささなんて気にならないもんです。iPodで動画を見るのに比べれば全然大画面ですよ。

 ただし、ポータブルDVDプレイヤーを買うときには、外付けバッテリーのサイズに気をつけなければいけません。店頭に展示してある現物見本は外部電源で駆動してるので、なんとなく軽量っぽく感じるんですよ。「薄型20ミリ!」とか書いてあったりするし。

 でも、実際のところ野外で使うには、本体よりも分厚いバッテリーを装着しなきゃなんなかったりするんですね。そういうマヌケな事態だけは避けたかったので、ちゃんと店員さんに「バッテリーも見して!」って言って確認しました。その点でも、DVP-FX850はバッテリーが薄くてうれしいです。

電車内映画鑑賞を阻む者

 電車の中で映画を見ていて困るのは、隣のお客さんに画面を覗かれることです。覗く人というのはだいたい2種類あって、ひとつは「酔っぱらい」。普通の人は遠慮がちにチラチラ覗く程度なのであんまり気にならないんですけど、酔っぱらいは自制心が好奇心に負けちゃってますからね。画面をがっつり覗き込んできます。でもまあ、どうせすぐ寝ちゃうので気にせず放っときますけどね。

 問題なのは、もうひとつの敵である「子供」なんですよ。奴らは目を爛々と輝かせて覗き込んできますからね。「母ちゃん! 映画だ映画!」とか言って志村けんの子供コントみたいな状態になるんですよ。

 これが文部省推薦の名画だったら、見せて差し上げるのもやぶさかではないんですけど、なにしろ見てるのはネズミの群れが半裸の女性をかじったりしてる映画ですからね。さすがにそれは教育上よろしくないのです。

モニター部を折りたたむとぺったんこ モニター部を折りたたむとぺったんこ

 そういうときに便利なのが、モニタの回転機能です。この機種は、DVDを再生したまま液晶モニタを180度回転させて折りたたむことができるんです。この操作で画面位置を調整するフリをしながら、となりのチビッコ視線を排除するわけです。ま、子供は国の宝ですから、有害な映画から守ってあげるのが大人の義務というものでしょう。

残りの時間をすぐに知りたい

 以上のように、このプレイヤーにはかなり満足してますが、あえて不満を挙げるとすれば、残り時間表示が見づらいことでしょうか。バッテリー残量のことじゃなくて、いま見ている映画の残り時間ですね。電車内で見ている関係で、その映画が下車駅までに終わるのかどうかが、けっこう気になるんです。

 でも、残時間を見るためには、画面右下の「DISPLAY」ボタンを押して別ウィンドウを表示させ、カーソルボタンを5~6回押していかないと確認できないんですよ。それがかなり面倒くさいのです。できればボタン一発で、画面のスミに残時間が出たり消えたりしてくれればいいんですけど、まあ、そんなことを望んでいるのは少数派かもしれません。

とみさわ昭仁氏プロフィール

ライター/ゲームデザイナー。現在は『ポケモン』で知られる株式会社ゲームフリークに所属。仕事ではゲームのプランニングをしたり、シナリオを書いたりしながら、個人的には朝から晩まで人喰い映画を見たり、あちこちのダムに出かけていってダムカードを集めたりしている。


【使用製品】

ソニー DVP-FX850


【購入時期】

購入時期 2007年夏頃

【お気に入り度合い】

通勤時間を楽しみに変えてくれる僕の人喰い映画館。

【次回執筆者】

米光一成さん


【次回の執筆者にひとこと】

米光さんはおもしろいアイデアを考えるだけじゃなくて、それを考え出す方法を理論化したり、それをワークショップで人に伝える、という仕事もしています。アイデアを人に伝達するための道具として、デジタルがジェットをどのように使っているのか非常に興味あります。

【バトンRoundUp】

START: 第1回:澤村 信氏(カナ入力派の必須アイテムとは?) → 第2回:朽木 海氏(ウォークマンとケータイをまとめてくれる救世主とは?) → 第3回:大和 哲氏(ケータイマニアのためのフルキーボードとは) 第4回:西川善司(トライゼット)氏(飛行機の友、安眠の友、ノイズキャンセリングヘッドフォン) → 第5回:平澤 寿康氏(出張に欠かせない超小型無線LANルータ) → 第6回:石井英男氏(いつでもどこでもインターネット接続が可能なPHS通信アダプタ) → 第7回:大島 篤氏(電卓とデジタル時計の秘密) → 第8回:荻窪 圭氏(自転車とGPSがあればどこにでもいけます) → 第9回:田中裕子(Yuko Tanaka)氏(これでクラシックもOK!究極のカナル型イヤフォン) → 第10回:佐橋慶信氏(ビジュアル・ブックマークの実践方法とは?) → 第11回:清水隆夫氏(プロ御用達の業務用GPSデジタルカメラ) → 第12回:高橋隆雄氏(傭兵たるものガジェットなど持たぬ!) → 第13回:野本響子氏(「壊れても買い続けたい」理想のロボット) → 第14回:本田雅一氏(本田雅一氏の求める条件にピッタリはまる「あのデジカメ」) → 第15回:塩田紳二氏(紙に書いて「デジタルデータ」になるアイテム) → 第16回:山田祥平氏(山田祥平氏が愛用する移動時間の必須アイテム) → 第17回:元麻布春男氏(元麻布春男氏が「感心した」ガジェット) → 第18回:鈴木淳也氏(ノートPCモバイラーに必須のアイテム) → 第19回:小山安博氏(ライフスタイルを快適にするアイテム) → 第20回:海上忍氏(最強の“心理的防音ルーム”を実現するアイテム) → 第21回:大谷和利氏(古くなっても旧くならないデジタルカメラ) → 第22回:山路達也氏(ラジオを新たなメディアに進化させる「radio SHARK 2」) → 第23回:川野 剛 氏(あと10年は使いたい頑丈なデジカメ) → 第24回:野田幾子氏(面倒を楽しませてくれるウチの亭主) → 第25回:井上真花氏(デジタルだけどアナログのよさを持つ10年選手) → 第26回:安田理央氏(録音するならコレがいい!)

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