MP3-CDプレーヤーはこれで４台目です。最初に買ったのはMANBO-Xですが、これはVBRに対応していませんし、ボタンが堅く小さい、レジューム機能がない、赤外線リモコンなど、所詮はMP3を聞けるだけのCDプレーヤーでした。音質はかなり劣りました。

　次はアイワのXP-MP3でした。確かにこれは音もまあまあで、アルバム切り替えボタンなどがあり、操作性がよかったです。しかし、MP3では音飛び防止機能がない、CD-Rの読みとり精度が低く、より不安定なCDの外周部（つまり書き込みファイルの末端）では、音飛びが頻発して使いものになりませんでした。（初期ロットだけかも）

　続いて、ケンウッドのMP727ですが、これは低機能、低操作性で、遅れて出した割には、機能的にアイワの製品に劣りました。しかし、CDの読みとり性能、MP3の再生状態など、動作の安定性は秀逸で、音質は抜群でした。さすが、カーオーディオの名機Z919（まだ使っています。）をいち早く世に出したケンウッドだなと感心しました。

　そこで、このCD-MP1210を購入したわけですが、この製品は一言で言えば現時点では「買い」でしょう。

　まず、音質はMP727の次点程度ですが、まず満足できるレベルです。使用時間も必要十分で、１０時間も聴けるのに、電池切れが激しいという人もいないでしょう。ＣＤを読みとったらメモリーに保存して、必要なくなったらＣＤを止めているので、電池が持つのでしょうね。わずかな窓からＣＤを見ると、時々しか回っていないことに気づきます。

　大きさはただのポータブルＣＤプレーヤーと比較すると、たしかに大きめです。小さな荷物で持ち運ぶには、大きく感じるかもしれませんが、MP3-CDプレーヤーは全般的に大きめですから、仕方がないのかもしれません。

　私がこれを使っていて、感動したのは操作性です。リモコンは使いやすい設計です。どうも、ポータブルＣＤプレーヤーではリモコンはじゃまなだけという印象があったのですが、これはよく考えて設計されているなと思いました。また、ボタン式の音量調節が不安を感じていましたが、使ってみると変化レベルも、変化のスピードもちょうどよく、まったく不自由がありません。

　何よりの秀逸なのが、過去のＣＤを３枚（？）までメモリーに蓄え、その時の設定までメモリーしていることです。たとえば、ランダム再生をしていたとすると、前述の製品の場合は、いったん電源を切った場合、次に使うときはレジュームはきくのですが、ランダムモードが解除されてしまうので、再度ランダムモードにしなければなりませんでした。そうなると、再生順を選び直すため、同じ曲がかかったり、久しく再生されない曲があったりしました。しかし、この製品はランダム機能などで再生順を変えた場合、レジューム機能だけでなく、その再生順までメモリーしているので、前述のようなことはありません。いったん電源を切っても、また以前に決められた順番でさっきの場所から聴くことができます。また、ランダム機能で選ばれた前の曲も聴けます。

　また、やはり日本語表示機能はすばらしいです。同様の機能を持っている製品にRioVoltがあるのですが、日本語フォント表示の見やすさときれいさはこちらの方が上です。液晶バックライトもあるので、さらに見やすいです。

　ファームウェアアップデートでは2002年３月末日現在、最新バージョンは1.03になっています。CD-Rの読みとり性能アップが図られているようですが、私の環境で書き込んだ特定のCD-Rの特定のMP3ファイルがまったく読みとれなくなりました。その場合、バージョンを1.00か1.01に下げると何とか読めるようになるのですが、ホームページからはこれらのバージョンがダウンロードできなくなっています。しかし、どうやらTDKのFTPサーバーにまだ残っているようなので、同様のトラブルを抱えていらっしゃる方は、下のURLからダウンロードして導入することをおすすめします。（ホームページからのリンクはありませんでした。）

　http://www.tdk.co.jp/tjdri01/Mojo101.exe

　ただ、これは最近の製品ですので、どうも古いCD-RやRWでは、うまく読み込めない場合もあるようです。FIF形式のファイル変換による機能アップについては、ファイル名に「/」「-」が入った場合の設定がおっくうで、まだ実践していませんので、レビューは差し控えさせていただきます。