お菓子を開発するとき、これまではテイクアウトを前提で作り始めるため、賞味期限や持ち帰りのしやすさで味に妥協をしてしまうことがあったという。
美味しいお菓子作りで大切にしているポイントは、(1)フレッシュである(2)手間をかける(3)良い原材料を使うこと。
よい原材料を確保するため、お菓子作りに合う最良の牛乳を目指し、自社で「放牧酪農」による牧場運営を始めた。
通常の牛乳は、販売のプロセスにおいてさまざまな育て方をされた牛乳が合わせられる。全ての乳価が均一で買い取られ、品質も混ぜられてしまうため、育て方にこだわるインセンティブが働きにくくなっているという。
「基本的にお菓子は、生であればあるほどおいしいと信じている。大ヒットした焼きたてのチーズタルトも、焼く前の状態のほうがおいしい。そうしたきっかけから開発がスタートした」と背景を語った。
牛が地球温暖化の要因とされることについて、「牛が悪いのではなく、育て方が悪い」とも提言する。「北海道大学と連携し、春から数値を取り始めて実証実験を開始しているところ」と説明した。
北海道大学 農学部 准教授 内田義崇氏は、「かなり気候が冷涼で、芋や小麦など普通の作物が育たない、牧草しか育たない場所でも、牛は人間が食べておいしいものに変えられる。それを人類がもっと欲しいと思ってしまったがために、草ではなく穀物をあげてみたり、草が生える以上の数の牛を飼ってしまったりしている。家畜の素晴らしさは、人類の歴史の中で重要なもの。昔からの農業に立ち返ることで、科学的にも必ずしも環境負荷を増やす方向でなく食料を生産できると思っている」とコメントした。
「ハレの日に食べるお菓子だからこそ、環境にも引け目を取らない作り方を選択した。自社放牧牧場で作った牛乳でお菓子を作り、その販売した利益を土地に再投資し、地球にも動物にも人にも優しい循環を作ることを目指す」(長沼氏)としている。
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