ソニー平井氏が実践した対話する経営者--麻倉怜士が聞くテレビ復活から今後のチャレンジまで - (page 4)

麻倉怜士 栗栖誠紀(人物撮影)2019年06月18日 08時00分

ソニー卒業後にチャレンジしたいこと

――今は退任直前(インタビュー時は5月下旬)ですが、気分は相当フリーな感じですか。

 会長になってからは、必要がなければ会社に来ないようにしています。吉田の新しいリーダーシップの下で会社は運営するわけですから、私が会社でうろうろしていると皆気を遣いますし。仕事は、週2日ぐらいにまとめてもらって、会社に来る。あとはあえて来ないようにしていました。そういった意味では自分の頭の中でかなり整理がつきました。スイッチできたかなと思っています。

――さて、ソニーを卒業して何をされるのか教えてください。

 別の会社に再就職することは考えていません。ビジネスの世界からは少し距離を置きたいと思っています。ソニーグループには35年間お世話になり、本当にたくさんのことを勉強し、経験させてもらいました。そのなかの一つに、ソニーが関わってきたチャリティイベントがあり、子供の福祉や教育について、もっとやれることがあるのではと思っています。

 そういった分野で、少し恩返しができたらいいなと思っています。ただ、実際にはどうするかは決めていません。

――音楽、ゲームからオーディオ・ビジュアル製品とコンシューマビジネスはやりきった感じでしょうか。

 そうですね。映画ビジネスにハンズオンで関わったのは半年だけだったのでそれが少し心残りですが、ゲームと音楽、エレキはじっくりできたので、本当にいい経験をさせてもらいました。

――社長に就任された当初は、ソフト出身なのにハードが分かるのかと言われることもあったかと思います。しかし、ハードを心から愛する気持ちが大変強いことは熱く伝わってきましたし、ソフトやゲーム事業の経験を活かし、経営されてきました。ユーザー目線を忘れず、ハードに新しい活力を入れました。ソニーをここまで建て直されたことに、大変感動しています。

 すべては、スカイセンサーのおかげです。

――新しい世界での存分なご活躍を熱く期待しています。長時間、ありがとうございました。

 

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