「PlayStation VR」レビュー第2弾--PSプラットフォームの安心感、気になる点も - (page 3)

Jeff Bakalar (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2016年10月14日 07時00分

 PlayStation VRはPCベースの「Oculus Rift」や「HTC Vive」と同じくらい「強力」なVR製品なのだろうか。答えはノーだ。カメラが1基という設計のPSVRは、Viveほど正確に動きをトラッキングすることができない。ヘッドセットのディスプレイ解像度はRiftとViveより少し低く、視野角も若干狭い(RiftとViveの110度に対し、PSVRは100度)。初期のPSVRゲーム群はフレームレートが高く、衝撃的なまでに見事な画質だが、ユーザーは巨大な小惑星帯の遠く離れた細部に気づくこともあれば、海溝の底で画面がぼやけることに気づくかもしれない。

 だが、それが何だというのだ。PSVRはRiftやViveよりはるかに安価で、インストールやドライバの問題もなく、全体的に装着感も心地よい。

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提供:Sarah Tew/CNET

 PSVRは必要なものなのだろうか。もちろん違うが、標準のPS4体験を全く新しい次元に高めるものであることは確かだ。初めて試すときには、必ず何か並外れたものを感じるだろう。最も安く手に入る本格VRではあるものの、高価な贅沢品であることに変わりはない。PSVRを将来有望なプラットフォームにしたソニーの仕事ぶりは見事だったが、これが永遠にサポートされ続けるという絶対的な保証はない。

 検討すべきことは他にもある。まず、「PlayStation 4 Pro」がまもなく登場するという事実を無視するのは難しい。強化されたPS4 Proは、グラフィックスと処理速度の向上をうたっており、これがPSVRのパフォーマンスを高めるのは、ほぼ間違いないだろう。ただし、解像度はヘッドセットのスクリーンスペックに固定されているため、PS4 Pro側ではどうにもならない。筆者はフレームレートやテクスチャが向上し、全体的に表示が高速化すると予想している。もちろん、PS4 Proが11月10日に399ドルで発売されるまで、確かなことは分からないが。

 PSVRを一式揃えるには約800ドルかかると考えていた人もいるだろうが、PS4 ProとPSVRを組み合わせる場合は、合計金額が900ドルに上がる。PS4 ProがPSVRに及ぼす影響の大きさによっては、PS4を持っていない人はPS4 Proの発売まで待ってもいいかもしれない。

 競合機種の存在もある。筆者はVRヘッドセット市場の現状を前回の記事の冒頭で紹介したが、Microsoftはまだ手の内を明かしていない。同社はVRや拡張現実(AR)の計画について、ほぼ沈黙を守っている。しかし、絶えずうわさされているように、Oculus Riftは2017年に発売されるというMicrosoft独自の強化版ゲーム機「Project Scorpio」に最終的に対応すると言われている。もちろん、Microsoftが独自のプロプライエタリなVRヘッドセットの開発に取り組んでいる可能性もあるが、2017年になるまで確実なことは分からないだろう。

 だが、それは2017年という遠い未来の話だ。今すぐゲーム機でVRを楽しみたいのなら、PlayStation VRが唯一の選択肢ということになる。しかも、非常に素晴らしい選択肢だ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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