NECは9月29日、同社が昨年7月に発表した「IoTアーキテクチャ5層モデル」に基づく製品群の整備を進め、新たにIoT基盤「NEC the WISE IoT Platform」として確立したと発表した。また同時に、本IoT基盤を用いて企業や社会インフラなど幅広い業種・業態に活用できるIoTソリューション群も拡充した。
同プラットフォームは、「効率的なデータ収集基盤とAIなどの先進の分析エンジンの活用」「ビルディングブロック構造による素早いシステム構築」「セキュアで堅牢性の高いシステム構築」を可能とし、顧客企業のIoT実証環境立ち上げから本番環境への迅速な移行を実現するためのIoT基盤。技術的に検証され機能開発が迅速に行われるオープンソースソフトウェア(OSS)を採用することにより、オープン性が高く最新技術を適用したソフトウェアを広い範囲で活用できるという。
主な特徴は以下の通り。
センサやデバイスから収集したデータは、IoTデータ収集基盤でデータベースごとに整形して蓄積し、各AIエンジンに合わせて分析しやすいフォーマットに変換することで、効率的かつ高速にデータを処理することが可能。AIエンジンは、NECの最先端AI技術群「NEC the WISE」をはじめ、他社のAIエンジンとともに構成要素として組み込まれており、さまざまな目的に応じて自由に組み合わせて使うことができる。
IoTシステムに必要な機能群(ソフトウェア、AIエンジン、サービス、APIなど)を、それぞれビルディングブロックとして提供。これらのブロックは目的に応じて自由に選択し、IoTアーキテクチャの各層に配置することができるため、新規ビジネスの立ち上げに伴う実証環境としての活用や事業のスモールスタートのみならず、将来の事業成長や環境変化に合わせて迅速かつ柔軟に機能を追加・変更しやすい構造になっている。さらに、ユーザー企業の構築環境下(オンプレミス)に加え、必要に応じてNECのクラウドやパートナークラウドなど複数のクラウドサービスにもビルディングブロックを配置できる構造であるため、システム要件に対して柔軟に対応することが可能。
なお、ビルディングブロックの開発においては、技術検証や迅速な機能拡充に優れるOSSを積極的に活用し、最新技術を適用したソフトウェアを広い範囲で活用できる。
NECが長年培ったミッションクリティカルなシステム構築の経験をIoTシステムに適用することで、5層モデルにおけるL1からL5までのシステム全体を安全に連携させ、脆弱性管理やマルウェア対策などのサイバーセキュリティ対策による堅牢なシステムを提供。また、IoTシステムにつながる機器を開発するパートナー企業もセキュアな環境として利用することが可能。
なお、今回同時に発表したIoTソリューションとしては、NEC the WISE IoT Platformをベースとして提供するもので、製造業・流通業・物流業といった企業向けIoTソリューション、セーフティ・モビリティといった社会インフラ向けIoTソリューションを拡充する。具体的には、流通業向けソリューションの店舗管理、セーフティ向けソリューションの行動解析、都市インフラ向けソリューションのインフラ監視等、新たに6種のIoT関連ソリューションの販売を、今年度下期以降に順次、開始する予定としている。
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