小型だけどタフ&高性能なBluetoothスピーカ--イメーション「TREK Micro A12」 - (page 3)

モノラルではクリアトーンで聴かせ、ステレオではサイズ超の豊かな音場再現

  • ワイヤレスのため好みの位置に2台のスピーカを設置できる

 いよいよ試聴に入っていきたい。ここでは本製品で一番使用されるであろう、単体でのワイヤレスモノラル再生をメインとし、2台使いでのステレオ再生との音の違いにも触れていく。筆者手持ちのスマートフォンを使用して、音質調整やイコライザなどはデフォルトのまま、楽曲データはAACの256kbpsをBluetoothで飛ばす。あくまで普段使いの環境での試聴をベースとする。Bluetoothの標準であるSBCコーデックにて、モノラル→ステレオの順でそれぞれ聴いてみた。

 ロックから、Eric Clapton「Change The World」。モノラルでは、ボーカルとギターが前面に出る印象で、メリハリのある音が聴ける。全体的にはクリアトーンで、ギターの余韻も感じられる。ステレオで聴くと、コンパクトなボディからは想像しがたい豊かな音が流れてくる。音の定位がはっきりするだけでなく、歯切れの良さがさらに増すことで、セッションしている音像が見えてくる。

 ヒップホップから、Eminem Feat.Rihanna「The Monster」。高域がクリアで細やかなSEもしっかりフォロー。Rihannaのボーカルは伸びやかに、Eminemのリリックは一段階高いトーンで入ってきてステージへの距離が近くに感じられる。ステレオで聴くと、ボーカルはきめ細やかさをもって開け放たれ、音の解像度がぐっと向上されるイメージだ。重なるSEのレイヤーなども聴き取ることができる。

 テクノ/エレクトロから、MEG「ハナレタイノハ…」。中高域系がしっかり出せる特性から、この手のジャンルは好相性。モノラルでも迫力充分だ。ただし、強めのボーカルが鳴るため音割れしないようボリュームには注意が必要。ステレオで聴くと、さらに余裕が出て空間が広がる。モノラルでは聴こえなかった音が自然と耳に入り、セパレーションが感じられる。ボーカルと音階がほどよいバランスで聴こえる。

 女性ボーカルから、宇多田ヒカル「桜流し」。少し奥に音がある印象で、ボリュームを上げて聴くとちょうどよく感じられる。中高域の伸びやかさはあるが、モノラルのせいかボーカルとピアノが混じり合って少しぼやける印象だ。ステレオで聴くと、ピアノの音が立ち上がり、細やかな音が耳に入ってくる。ボーカルにゆとりが出て、本来音が鳴っている場所できちんと聴けるようになる。

 「ドラゴンポーカー」「チェインクロニクル」など、スマホのオンラインゲームもいくつか試してみた。モノラルではスマホ本体で鳴らすより、“ゲームをやっている感”が充分に出るサウンドで楽しい。ステレオではメロディに抑揚が付くだけでなく、左右からの音の定位が感じられるため、臨場感ともにゲームへの没入感が増す。キャッチーなゲームサウンドがより壮大に感じられる。

 防塵・防水設計と聞くと、音にあまり期待できないのではないかという先入観を持ってしまう人も多いだろう。TREK Micro A12では、そんな不安を一掃してくれるだけの、クリアで広い音場を体感することができた。

 確かにバーベキューや海辺など、本格的なアウトドア環境では周りの音も入ってくることもあり、現地で手持ちのスピーカを使ってみると思った以上にぼんやりとした音鳴りだと思ってしまうことがある。しかし、本製品のような抜けの良いサウンドであれば、そうした環境にも負けない高音質で音楽を楽しめるだろう。モノラルでももちろん悪くはないが、ステレオで聴いてしまうと「これが完成品」と思ってしまう出来栄えだった。

 できれば、普段使いでは2台でのステレオ再生を、アウトドアではカラビナを付けて1台で持ち運ぶなど、シーンに応じて使い分けるとよりベストだ。いずれにしても、ほぼどこでも使える防塵・防水設計と力強いサウンドは、まさに万能と言えるだろう。これからのアウトドアリスニングにおすすめのアイテムであることは間違いない。

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