グーグルの「SPDY」が得た支持--ウェブ高速化の取り組みの前進 - (page 2)

Stephen Shankland (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2012年01月27日 07時30分

 しかし、ウェブの仕組みを変えるとなると、こうした資産が成功につながるとは限らない。特に、Googleが自社の利益を追求すれば、同社の考えは競合企業の反発を招くことになると考えればなおさらだ。例えばMicrosoftとMozillaは、ウェブをプログラミングのより良い基盤にしたいという点ではGoogleと考えが共通しているものの、現行のJavaScriptと競合するGoogleのプログラム言語「Dart」には不信感を抱いている。

SPDYのマイルストーン

 これまでにSKDYに起こった重要な出来事の1つは、Amazonのタブレット「Kindle Fire」に搭載のブラウザ「Silk」で採用されたことだ。最近では、「Firefox 11」でもSPDYのサポートが開始される。

 GoogleでRoberto Peon氏とともにSPDYを開発したMike Belshe氏(その後、新興企業のTwistに移っている)は、「FirefoxでSPDYが採用されれば弾みがつく。SPDY(またはその派生物)が2012年に標準化されるのは確実だ」と述べた。

 技術詳細SPDYのホワイトペーパーには、SPDYの仕組みや機能が書かれている。SPDYは、ウェブページの転送を高速化するために、圧縮や、重要なウェブページ要素の優先順位付け、さらに、複数のネットワーク接続をオープンにすることへの現在の制限を回避する方法など、数多くの工夫がされている。

 技術詳細の中で、歴史家が関心を持ちそうなところは、SPDYが何の略語なのかという点だ。その答えは、略語ではないという。「何かの略語ではない。しかし、『スピーディー』と発音が似ている」(Belshe氏)

 HTTPを改善する方法が、SPDYの追加以外に考えられないわけではない。またNottingham氏は、HTTPの大規模な手直しにはまりこむことなく、HTTPの一部の改善を承認するのは、「危ない橋を渡る」ことになると認めている。

 しかし、FreeBSDのプログラマーPoul-Henning Kamp氏は、Nottingham氏の提案にあまり乗り気ではない。その対象範囲が狭すぎると考えるからだ。Kamp氏は、Nottingham氏の提案のどこかに、ほかの提案を評価する余地があるのかについても疑問を投げかけている。

 Kamp氏は、「わざと反対意見を言う」とした回答の中で、「わたしの考えでは、(Nottingham氏が)概略を描いた取り組みに正しい題名を付けるならば、『HTTP 1.1トラフィックのキャリアとしてSPDYプロトコルを祝福する』だ」と書いている。「HTTP/2.0が、実際にこのプロトコルを改善する試みになると考えている」(Kamp氏)

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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