Citrixでは、仮想デスクトップのフロントエンド製品「Citrix Receiver」を、PCにはじまり、iOSやAndroid OS端末へと展開。前述のBYO-3の実現を進めてきた。今回発表された最新版では、高速なアプリケーション切り替えや高精細画面対応、使用帯域の削減などを図った。さらに、ウェブ版のReceiverを発表。Web OSやChrome OSでもReceiverを利用できるようになった。
また、ID発行や接続承認、モニタリングなどの機能を備える管理者向けサービス「GoToManage」について、iPadアプリ版をまもなく提供するとした。
Private Cloud分野では、Templeton氏は「Follow Me App」「Follow Me Data」という2つのキーワードを挙げる。前者は、さまざまなデバイスでReceiverを使用する際に、アプリケーションの追加や削除を自動化して、デバイスをまたいで、同じアプリケーションの利用環境を実現するということ。後者は、アプリケーションで利用するデータについても、デバイスをまたいで同期できるようにするということだ。
これらを実現する製品が、今回発表された「NetScaler Cloud Gateway」だ。シングルサインオンでのアプリケーション管理、暗号化したデータの同期、ライセンス管理やリモートロックといった管理者向けの機能を提供する。同製品はアプライアンスおよび仮想アプライアンスとして、2011年第3四半期にも提供される見込み。「(Cloud Gatewayは)データセンターのフロントドア。いろんなサービスを1つのフロントドアでアグリケーションする」(Templeton氏)
仮想デスクトップ製品のXenDesktopについては、高品質なユーザー体験を実現する「HDXテクノロジ」を強化。ストリーミングの高速化などを実現した。また、サーバ仮想化製品XenServerに搭載されていたストレージ最適化技術「IntelliCacheテクノロジ」を導入している。
そのほか、ネットワーク製品として「NetScaler Cloud Bridge」を発表。パブリッククラウドとプライベートクラウド間でアプリケーションやデータなどの資産をシームレスに移行することで、「プライベートクラウドは、無限の容量と柔軟性を持つことができる」(Templeton氏)という。NetScaler Cloud Gateway同様、アプライアンスと仮想アプライアンスでの提供が予定される。
またPublic Cloud分野では、オープンソースのクラウド基盤ソフト「OpenStack」のディストリビューションを開発する「Project Olympus」を発表。アーリーアクセスプログラムを提供したことを明らかにした。
基調講演の最後には、将来的な展開として、Android OSやMac OS Xを仮想デスクトップで動作させるデモが行われた。「(同社の仮想化製品が)これまで、どんな場所でも、どんなデバイスでも利用できると“Any”で話してきたが、これからはすべて、“every”に切り替えるべき時がきた」(Templeton氏)
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