iPhone 4詳細レビュー--購入を迷っている人へ（中編） - (page 2)

　幸いにも、フォルダの整理はかなり自由にできる。いくつでも好きなだけフォルダを作成できるし、デフォルトのフォルダ名を変更することもでき、関係するアプリケーションも、無関係なアプリケーションも一緒に出来る。驚くべきことに、「天気」や「株価」といった元からある機能を1つのフォルダにグループ化することさえできる。その手順は簡単だが、Androidの同等の操作と比べて、大きな違いがあるとは言えない。それにしても、Appleがなぜ1つのフォルダに収められるアプリケーションの数を12個までに制限したのかは理解に苦しむ。

　電子メールと企業向け機能：iPhoneはこれまでも、電子メールを送受信するデバイスとして十分機能するものだったが、複数のアカウントを切り替えながら新しいメールを読むのは面倒だった。幸運なことに、iOS 4は統合メールボックス機能を持っており、ホーム画面の「メール」から利用できる。メールボックスのリストの上に、複数のアカウントのメッセージがすべて収められた「全"受信"」というメールボックスが用意された。この統合メールボックスから個々のフォルダにアクセスすることはできないが、メッセージの削除や移動はできる。ただ、この仕組みはうまくいっているものの、競合OSが同様の処理を扱う方法に比べ、特に優れているとは言えない。

　メールに追加された他の機能には、複数のMicrosoft Exchangeアカウントを設定する、電子メールをスレッドごとに整理する、個別のメールボックスに直接ジャンプする、送信の前に写真のサイズを変更する、好みのアプリケーションで添付ファイルを開くなどの機能がある。これらはみな素晴らしいが、ここではわれわれのお気に入りについて、すこし掘り下げたい。スレッドに属するメールには、メッセージヘッダの横に小さく番号が振られるようになった。この番号をクリックすると、別の画面に切り替わり、関係するすべてのメッセージが表示される。これはいいやり方だし、スレッドのメッセージを移動させたり削除したりできるのもいい。また、検索結果から直接電子メールを削除できるようになったのも好ましい。

iPhone 4の仮想キーボードには変更はない。

　仕事向けには、データ保護の強化、モバイルデバイスの管理、無線によるアプリケーション配布、Exchange 2010のサポート、JuniperとCiscoのSSL VPNなどのオプションが提供されている。

　ホーム画面のカスタマイズ：これまでの3つとは違い、この新機能はわれわれの欲しいものリストの中では優先順位が低かったが、Appleはよい仕事をしている。もちろん、これまでもサードパーティーアプリケーションを使って、標準の黒い背景画面を変更することはできたが、iOS 4ではこの機能を標準で搭載した。まず設定メニューから「壁紙」を選び、用意されている壁紙や、カメラロールの中の写真から選択する。選んだ画像は、ホームスクリーンの壁紙にも、ロックスクリーンにも、その両方にも設定できる。

　これは非常に簡単な機能だが、2つの煩わしいトレードオフがある。まず、標準の黒い背景を捨てたら、元に戻す方法はないということを念頭に置く必要がある。黒い壁や夜空、暗い部屋の写真を撮ることはできるだろうが、同じものとは言い難い。また、以前標準で用意されていた壁紙の一部が、新しい壁紙で置き換えられているのに注意して欲しい。Appleは与え、またAppleは奪う、ということだ。

　検索：iOS 4では、さまざまな機能に新しい検索オプションを提供している。まず、SafariブラウザのURLを入力する際には、最近閲覧したサイトのURLタイトルだけでなく、完全なアドレスも表示されるようになった。これで、正確なウェブページを見つけることができるようになった。また今では、Universal Searchのように、iPhoneに保存されているコンテンツと同時に、ウェブやWikipediaでも検索できる。実際に検索するには数回ほど余分にクリックが必要だが、この機能は確かに便利だ。また、テキストメッセージの検索バーも追加された。これは電子メールの検索と同じように動作する。

　Game Center：「2010年中」に提供されるGame Centerには、ソーシャルゲームネットワークや、友人をゲームに招待する機能、ランキングや実績、「マッチメイキング」（2人のユーザーの対戦を設定する機能）の機能なども含まれる予定となっている。

編集部注：後編はこちら。