収益源は「寄付」、個人情報は「一切取らない」--ケータイゲーム「コロプラ」の不思議な魅力 - (page 4)

永井美智子(編集部)2009年06月17日 17時05分

――法人化の経緯も聞かせてください(編集部注:コロプラは2008年10月に設立)。馬場さんは一時期、グリーに勤務していたと聞きました。

 グリーでアイテム課金を軸とした無料ゲームを提供している中で、ハタと「俺ってこういうコンテンツを持ってなかったっけ」と思って、コロプラに「サイトに登録するとアイテムがもらえます」というアフィリエイトの仕組みを導入してみたんです。そうしたら割とすごい収入があって、「あれれ、俺のコンテンツはこんな力を持っていたんだ」と。

 それであれば、ちょっと頑張ってみようかなということで、グリーに勤務しながら一生懸命コロプラも運用していたんですが、さすがに、ユーザーから直接ではないにしろお金をいただいたので、ちゃんとしないといけないな、と。

 グリーで働いていたときには、例えば夜12時に帰ってきて、そこからメールサポートなどをして4時ぐらいに終わって、寝て、また朝起きて会社に行くという生活をずっと繰り返していたんですが、自分が頑張れば頑張るほどやっぱりサイトは盛り上がってくるんです。非常にいい循環になって、サイトの規模が大きくなってきたので、さすがにもう限界だ、ということになりました。

 グリーは大好きだったんですが、このままコロプラを会社に行きながら運用するのは無理だし、ユーザーにもすごく失礼だなと思ったので、2008年の半ばに退職して、しばらくは個人事業主として運営していました。1人でマンションを借りて、そこにサーバを置いて、朝から夜までつきっきりでやっていました。

 ただ、ユーザー数もどんどん伸びてきて、24時間かけても対応が終わらなくなってきたので、「もう会社をつくって、ちゃんと運用するサイトをつくらないとやっぱりユーザーに失礼だ」と思いました。収益もそれなりに上がっていたので、暮らしていくには問題がなかったんですが、法人化してちゃんと運用できる体制を作らないといけないと考え、2008年10月1日に会社を設立しました。

――会社としては、コロプラをどういうものにしていきたいと思っていますか。

 端的に言って、せっかく作ったのでいい会社にしたいなと思っています。じゃあ、いい会社って何ですかというと、いろいろ考えたんですが、3つあると思うんです。順番は決まっていて、1番目は使ってくれるユーザーが幸せになること。2番目が、それを生み出す従業員、我々が幸せになること。最後の3番目が、株主が幸せになること。これがいい会社の定義だなと思っていて、逆の順番ではありません。

 ユーザーが楽しくないと我々もハッピーにならない、我々がハッピーにならないと、株主さんも当然ハッピーになれない。当然、株主は収益を求めると思うのですが、この順番を間違えると企業って間違っていくんだろうなと思っていて、逆にこの順番が保たれて、この3つの条件を維持していれば、きっとそれはいい会社になると思います。

――上場についての考えは。

 今のところ、自己資金で回っているので、特別考えているわけではありません。状況次第だと思っています。

――将来の規模のイメージを教えてください。

 コロプラを大きくしたいですね。会社は別に大きくしたいわけではないですが、サービスが大きくなるに従って、従業員も必要になってくるだろうなと思っています。コロプラを知っている人がほとんどいないという現状から、最終的には日本全国の10分の1か5分の1の人がユーザーで、地域のコミュニティーがすごい発達していって、とりあえずコロプラをやっていれば1つの仮想世界に入れる。そしてゲームを楽しみつつ、実生活もより楽しくなるというのが最高の状態ですね。

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