[レビュー]話題の199ドルモバイルPCを使いこなせ--ASUSTeK 「Eee PC 4G-X」 - (page 5)

ASUSTeK
EeePC4G-X
内容:2007年のCOMPUTEX TAIPEI 2007にて199ドルPCとして発表された、ASUSの低価格ノートPC「Eee PC」。日本の標準仕様は4GバイトのSSDに512Mバイトメモリ、Windows XP Home Editionを搭載し、4万9800円で登場した。モバイルPCとしては驚く価格だが、HDDにかわりSSDの搭載や1kgを切る重量など、ただ安いだけではないものに仕上がっている。

上下480ドットは少しきびしい液晶画面

  • 480×800ドットの画面。Eee PC Tray Utilityで仮想的な600×800ドットに変更可能

 液晶画面は7型で480×800ドット。上下方向が480ドットというのが問題で、Windowsの操作にもいろいろ問題が出てくる。

 特に、設定ウィンドウなどが上下480ドットではおさまらず「OK」や「キャンセル」が画面下に隠れてしまうことが多い。その場合はデフォルトのボタン状態を覚えておき、隠れたままEnterキーやTABキーで操作することが必要。または、画面を600×800ドットに設定すれば、マウスの位置に応じて画面全体が上下する。

 縦を仮想の600ドットに設定するためには、タスクバーにASUSユーティリティのアイコンがあるので、クリックして解像度を選べばよい。元の480ドットに戻すことも、ここからできる。

  • ツールバーなどを調整するだけでも、ここまで上下方向の表示範囲を増やせる。画面表示もLunaを解除した

 また、ソフトウェアの設定にもチューニングが必要で、デフォルト状態でウェブサイトを表示させると上下はほとんど映らない。そこで、タスクバーを普段は非表示とし、ツールバーの表示も工夫して上下方向を稼ぐことが必要となる。

 使いやすくするためには、ツールバーの設定はじめ、Windows XPやアプリケーションの設定を熟知していることが必要だ。

 なお、使い始め直後は、Windowsから画面解像度が最適でないと怒られる。そこでWindowsに従ってしまうと600×800ドットにされてしまう。元の480×800ドットにするためには画面のプロパティから変更はできず、Eee PC Tray Utilityでしか戻せないので注意が必要だ。

  • デフォルト状態でCNETのページを表示。検索ツールバーまであり、これでは実用に耐えない

  • Windows XPの初期設定時は仮想の600×800ドットになっている。上方向のみ表示し、下にある「次へ」は表示されない

  • マウスカーソルを下にもってくると「次へ」が表示される。Windows XPでは初期設定からして上下が480ドットではきつい

使いこなしの必要な玄人向けモデルか

 以上のように「Eee PC」は意外に制約が多いモデルということがわかる。SSDの容量があと1Gバイト多かったらとか、液晶にもうひとまわり解像度があればと思うことがたびたびである。

 それでも、要求は言い出したらキリがないので、使い方でカバーするほうが前向きだろう。同じWindows XPのままでも、更新されるものを最初から更新した状態でインストールしたり、さらに不要なモジュールを削るなどすれば、空き容量はなんとかなる。

 ユーザーが使いこなす技が必要なPCだが、この価格で素性の良いモバイルノートPCが入手できることは歓迎すべき。多少の手間がかかっても手軽なモバイルノートが欲しいというユーザーは、使いこなしも含めて楽しめるマシンだろう。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]