デザインから見るデジタルプロダクツ--第9回:東芝「gigabeat Uシリーズ」

インタビュー・文:木村早苗2007年08月09日 19時48分

小さくて、軽くて、カラフル。今もっともデザインバリエーションが豊富なデジタルプロダクトの1つがデジタルプレーヤーだろう。その分デザイン競争は激しく、各社の独自性を打ち出すことは難しくなっている。「gigabeat」ブランドとして長年この市場に取り組み、豊富なラインアップを誇る東芝では、最新「gigabeat U103」に24色のカラーバリエーションを用意した。カスタマイズ度を高めた新「gigabeat」が生み出された、その背景とは?

フラッシュメモリの登場がデザインの自由度を広げた


広木慎一氏 株式会社東芝
デザインセンター
デジタルプロダクツデザイン担当 参事
広木慎一 氏

--デジタルプレーヤーのデザインは、最近どんな傾向になっていますか。

広木 ラウンドかシャープ、ファッショナブルかメカニカル、この辺の要素を組み合わせている感じですね。ただ、何でもありだった以前と比べて最近はシンプルで少し特徴がある、という洗練されたデザインが主流になってきていると思います。

--「Uシリーズ」はその傾向を反映しているんでしょうか。

秋山 はい。gigabeatは発売当初から男性ユーザーが多く、シャープ、メカニカルといったデザインの製品を打ち出してきました。ワンセグ内蔵モデルの「Vシリーズ」などは特に男性の割合が高く、こちら側にシフトしたデザインが多いですね。

 しかし市場を見ると、現在では8割くらいが小型・軽量のフラッシュメモリタイプが占めており、そのため女性ユーザーも増加しつつある。そこで、ターゲットを女性に広めた「Uシリーズ」を発売することにしました。

秋山 源氏 株式会社東芝
モバイルギガ事業部
商品企画部 主務
秋山 源氏

 実際、低価格化やカラフルなモデルが登場したことで若い女性ユーザーも増えていましたし……。実は前モデルの「Pシリーズ」では、ファッション誌とコラボレートすることで、ターゲットを絞った展開をしていたんですが、それとは別にもう少し幅広い層に向けた製品を作ろうという企画が持ち上がったんです。

広木 こういう製品のターゲットは一つに定めにくいんです。だからこそどんな層にもフィットするようにカスタマイズして売り出すというコンセプトを掲げました。ソリッドなデザインを選ぶ女性もいればソフトなデザインを選ぶ男性もいますよね。

 だからこそ、Uシリーズでは多少ギアっぽくてメタル調のクールな「U102/202」と、柔らかい雰囲気を持ったカラフルでスマートかつユニセックスなデザインの「U101/201」の2種類をまずラインアップしたんです。


PICK UP ITEM
東芝/gigabeat U103(デジタルプレーヤー)


gigabeat U103

ラウンドボディで親しみやすいデザインの「U201」、シャープでソリッドなイメージの「U102/U202」と多彩なデザイン展開を行う東芝「gigabeat U」。最新機種となる「gigabeat U103」は、全24色というカラーバリエーションを揃え、選べる楽しみを提供した。24色のネーミングも「臙脂色」「桜色」「薄浅葱」と日本古来の伝統色名をそのまま使用し、ほかではない微妙な色合いが美しいジャパニーズビューティーなモデルへと仕上がっている。

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