バージョン2.5にあたる日本語版のParallelsで特徴的なのは、コヒーレンスモード。これはWindowsで起動したアプリケーションを、単独のウィンドウとしてMac OS Xのアプリケーションとあたかも同じように扱うもの。参考画面を見るとよくわかるが、ここで利用しているWindows Live MessengerはWindows版である。Mac OS XにもMessengerは提供されているが、Shake機能やオフライン時のメッセージ受信機能などいくつかの機能はWindows版だけのものだ。特に後者は相手がメッセージを託したつもりでも、Mac版のMessengerでは気がつかないということもあり、行き違いが起きることもある。チャット相手がWindowsユーザーであるなら、コヒーレンスモードのWindows Live Messengerを常用するというのは解決策の1つになるはず。もちろんMessengerだけでなく、すべてのアプリケーションがコヒーレンスモードで利用できるので、複数のWindows対応アプリケーションを立ち上げたMac OS Xのデスクトップは、あたかも2つのOSが混在しているかのように彩られることになる。
ここまでの紹介は、どちらかと言えばMacで不足している部分をWindowsで補うという要素が中心だったが、ポジティブな使い方も重要だ。たとえばウェブ制作などでは制作したページがMacとWindows、そして各種ブラウザそれぞれでどのように見えているかを確認することが必要になるが、これが1台のMacで簡単に行える。間近に並べて見ることができるから、複数のディスプレイでみる以上に一目瞭然だ。コヒーレンスモードで混在して起動させているMacとWindowsのブラウザ各種に次々とhtmlファイルをドラッグ&ドロップしてもいいし、ローカルの検証用サイトを自動更新で確認するという方法をとることもできる。サイトを構成するテキストや画像のファイルはWindows側で作成していて写真や動画はMacという作業環境でも、ファイルの収集にかかる手間も格段に省くことができるようになるはずである。Javaスクリプトや各種プラグインの動作確認も容易だろう。
同一のアプリケーションと周辺機器を使う例としては、かなり凝ったものになるが、一台のMacで2種類の音楽を同時に流すということもできる。ここでは、アップルの「AirMac Express」とラトックシステムのUSB対応ワイヤレスデジタルヘッドホン「REX-WHP2」を用意。Mac OS XとWindowsでそれぞれにiTunesを起動する。Mac側ではAirMac ExpressのAirTune機能を利用して別室に音楽を配信しておく。自身ヘッドホンをつかってWindows側のiTunesから、まったく別の音楽を聴くという仕組みだ。
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