フォトレタッチの基本であり、しかも一番難しいのが「明るさの調整」。いくらデジタルカメラが高性能化し、キレイな写真を撮影できるようになったといっても、いつでもバッチリな露出になるわけではない。もちろん、適正露出にならなかった失敗写真の修正はもちろんのこと、より良い写真に仕上げるためには細かな露出の補正が必要なのだ。
露出の補正は、プロでも一番頭を悩ます部分。ハイライト(一番明るい部分)とシャドウ(一番くらい部分)を、どのくらいまで追い詰めればいいのか、中間の明るさのコントラストをどうすればいいのか。その設定によって仕上がりのイメージが大きく変わってしまうのだ。そんな難しい調整も簡単にできるのが、今回搭載された新機能「カラーカーブ」。
逆光補正といった露出の失敗を救うのはもちろんのこと、[シャドウを明るく][中間調を強く][ハイライトを暗く]といった分かりやすいサンプルを選択するだけで理想の露出に近づけることができる。また、スライダーを操作することで、露出カーブの微妙な調節も可能。まさにプロ並みの機能を手軽に操れるのだ。
色鮮やかな写真も素晴らしいが、白と黒の濃淡で表現されるモノクロ写真も魅力的だ。ここぞ! という1枚があったら、ぜひともモノクロ写真にしてみたい。風景でも人物でも、モノクロ写真の持つ味わい深い雰囲気はまた格別だ。
普通の写真加工ソフトでは、カラーからモノクロにするためグレースケールに変換する。このグレースケールというのは、写真の持っているさまざまな情報から色の情報を抜くことで、明暗だけの情報に加工すること。名前のとおり、灰色にするものだ。
しかし、実際のモノクロ写真というのはもっと複雑で、単にグレーにしても“味のあるモノクロ写真”にはならない。カラー写真は、光の三原色(赤・緑・青)のそれぞれの成分の組み合わせで発色をしている。どの色の成分をどれだけの割合で配合するかで、色は決まる。
実は同様に、モノクロ写真も光の明暗(輝度)だけで構成されているのではなく、光の三原色それぞれの成分に対して感応する割合が違うのだ。つまり、同じ輝度の被写体でも、赤い花と青い空では濃淡が違う。だからこそ、モノクロ写真は味が出るわけだ。
理屈で分かっていても、実際モノクロ写真に加工するのは難しい。しかし「モノクロバリエーション」機能を使えば、いとも簡単に完成度の高いモノクロ写真ができあがる。[ポートレイト][風景]といったスタイルの選択からはじめ、適用量の設定、赤・緑・青それぞれの強弱やコントラストの上下といった分かりやすいステップを踏んでいくだけなのだ。たったこれだけのステップで、なんでもない写真が芸術作品のように仕上がっていく。
デジタル一眼レフの世界では、高倍率ズームレンズが人気となっている。1本のレンズで広角から望遠まで幅広く対応でき、レンズを何本も持ち歩く必要がないからだ。また、コンパクトデジタルカメラでも、10倍といった高倍率モデルが増えてきた。確かに便利な高倍率ズームだが、弱点も多い。
カメラの世界では昔から、ズームレンズより単焦点レンズの方が性能が良いとされてきた。周辺光量落ち(写真の四隅が暗くなってしまうこと)や歪みは、ズームレンズ最大の弱点だといえるだろう。特にデジタルカメラは撮像素子の面積が小さいので、広角側ではかなり歪んでしまうのだ。今まで、フォトレタッチソフトではこれらの弱点を簡単に補正できるものが少なかった。それが「レンズ補正」機能を使えば、簡単に調整できてしまうのだから頼もしい。
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