ざっと見てきたが、ワンセグチューナーとしての基本性能は悪くない上、データ放送に対応しているUSB接続のワンセグチューナーとして競合製品は少なく、本製品の大きなメリットであると言える。また、他社製品の一部では将来の対応を表明しているだけのEPGやiEPGに対応しているなど、録画関連の機能もきちんと押さえている。そうした意味では、現行のUSBワンセグチューナーの中でも、実力はトップクラスであると言える。
ただ、実際に試用していてどうしても気になるのは、本体サイズの大きさと、拡張性の乏しさである。モバイルPCと組み合わせて使うにはアンバランスだし、室内で使う場合は外部アンテナが付属している「ちょいテレ」に軍配が上がる。ロジテックの「LDT-1S200U」やグリーンハウスの「w-one」のように、据置用のスタンドが付属するわけでもない。
そもそも現在のUSBワンセグチューナー製品の場合、よほど立地がすぐれた場所、もしくは窓際でない限り、室内での快適な受信は困難である。となると、モバイルユースに見合った筐体サイズか、あるいは屋内利用を可能にするオプションの付属が重要なポイントになってくるわけだが、本製品の場合そのどちらも満たしておらず、メーカーがどのような利用スタイルを前提にしているのかが、イマイチ見えてこないのが現状だ。
とはいえ、いち早くWindows Vistaに対応するなど、将来のプラットフォームに対する姿勢は評価できる。ややシチュエーションを選ぶのは事実だが、長く使えるUSBワンセグチューナーを探しているユーザーにとっては、選択肢の上位に来る製品だと言えるだろう。
1971年秋モデル。大手PC周辺機器メーカーで販促・マーケティングを担当する一方、テクニカルライターとして活動。現在はNTTデータキュビットにてコンサルティング業務に従事しつつ、PC周辺機器のレビュー、ライフハック記事執筆から、エイプリルフール記事の企画構成まで脈絡もなく活動中。
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