デザインから見るデジタルプロダクツ--第4回:NEC「LaVie GタイプJ」ノートPC - (page 2)

インタビュー・文:木村早苗2007年02月06日 22時31分

強度とデザイン性を兼ね備えた美しいアークライン

--カラーバリエーションの充実によって、製品の選択基準もスペック重視ではなく、デザインやカラーといった視点も加わったようですね。そんな中登場した「LaVie GタイプJ」は、今までにない機能が搭載されているようですが、この製品のデザインコンセプトは?

島貫 LaVie GタイプJはモバイルPCの最新機種で、長時間駆動と軽量&タフボディがポイントです。なので、デザイン面では、「軽さ」と「高性能」という特長をスタイリッシュに体現してほしい、とお願いしました。

 具体的なポイントは全部で3つあります。1つ目のポイントは天面の「ボンネット構造」。車のボンネットのように切り込みを入れたこのデザインは、単なる格好良さだけではなく、フラットな天面デザインに比べ、強度を兼ね備えています。ともすれば無骨になりがちな形ですが、強度とデザイン性の着地点を探していきました。

アークライン LaVie GタイプJの天面デザイン。溝の浅さ、長さ、カーブなどのボンネット構造と再度のアークラインが堅牢性を兼ね備えながら美しい曲線を描いている。

 

2つ目は側面のアークラインです。天面の両端を平坦にせず、曲線の溝を設けることで、曲線の美しさをプラスしています。

 

 最後にキーボード周りのカラーリングです。一見するとよくあるシルバーカラーですが、以前のようにシルバー一色ではなく、縁にグレーカラーを施し、濃淡をつけて高級感を出しました。単純に道具として見るなら一色でいいですが、長時間使う物ならデザインが良い方がうれしいですよね。そんな事もあってカラーリングにもこだわりました。

カラーリング 使用していてもっとも見る頻度の高いキーボード周りには、シルバーの濃淡を付けたデザインで、高級感を演出している。

田中 LaVie全体のコンセプトとして「使いやすさ」があります。FeliCaやワンセグといった便利な機能を、楽しみながら使いこなしていってほしい。そんな使うことの楽しみを提案するためにも、デザイナーはアークラインで甘さを出したり、どんな方にも使っていただけるようなデザインにこだわったようです。

--堅牢性の面からも、ボンネット構造を採用されているPCはほかにもありますが、御社ならではのこだわりは?

田中 強度とデザイン面の完成度の高さですね。この溝を3本にしようと決めるまでに、デザイナーは何度もデザインのラフを描いてくれまして。このデザインが仕上がるまでにはかなりのバトルが繰り広げられたんです。

島貫 ボンネット構造でこれだけきれいなアークを描いているノートPCはないと思います。溝の浅さ、傾斜の角度、長さなど、アーク部分に関するこだわりは特にすごかったですよ。天板の部分だけでデザインには数カ月を要しています。

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