Shuttleworth氏は、過去にもLinuxが戦略的ツールとして利用された例があるとし、その一例としてRed Hatとサーバ販売会社との関係を挙げた。同氏は詳しくは語らなかったが、その1つの例としては、Red Hatの製品は高すぎるとして、Novell製の比較的安価なSUSE Linux Enterprise Serverを再販売する戦略を取っているDellが挙げられる。
Shuttleworth氏は、「大手ハードウェアベンダー各社とRed Hatとの関係を見ると、(ハードウェアメーカー各社は自社版Linuxを販売していないにも関わらず)両者の間で戦術的ゲームが展開されていることは明白だ」とした上で、「その点Oracleの場合、市場に同様の戦術的影響を与えるためのコストは(ハードウェアベンダー各社に比べ)はるかに安く済む。Oracleはただ、目標を達成するために別の戦略を選択すればいいだけだ」と指摘した。
この件についてOracleにコメントを求めたが、回答は得られなかった。しかし、Oracleは、Canonicalのサーバ市場参入に向けた取り組みを知らないわけではない。
Oracle Technology NetworkのJustin Kestelyn氏は自身のブログ上で、Highway 101のOracle本社(カリフォルニア州レッドウッドショアーズ)に向かうための出口付近にUbuntuの広告看板が設置されたと述べた。
しかしShuttleworth氏は、看板の設置場所について、単にその付近でよく渋滞が発生するため、と説明した。
Shuttleworth氏は、「私はOracleが、同社自身が必要とするLinuxの各部分をうまくサポートする技術や能力を備えていると確信している」とし、さらに「(Oracleは)Linuxをめぐる競争は、WindowsやAIX、Solarisをめぐる競争とは異なるという明確なメッセージを市場に送ることになるだろう」と語った。
Linux業界の関係者らも(Oracleの動きに)注目するだろう。Shuttleworth氏はその可能性について「Linux市場のちょっとした現状確認と考えたらいい」と語った。
Oracleといえば、有力なプロプライエタリソフトウェア企業だが、Shuttleworth氏は、同社をオープンソースであるLinuxの味方と見なしたがっているようだ。
Shuttleworth氏は、「(Linuxは)無料のソフトウェアなので、結局、ユーザーは特に必要なサービスに対して料金を支払うことになる」とし、「それは大変素晴らしいメッセージであり、そのメッセージを明確に送るOracleは大変賢明だ」と語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したも のです。海外CNET Networksの記事へ
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