VB6など旧バージョンの支持者らは、Microsoftが旧VBの顧客を置き去りにしている、と主張する。
ライターでソフトウェア開発者でもあるRich Levinは、先ごろあるブログに「コンサルタント、ISV(独立系ソフトウェアベンダー)、企業内のIT部門、企業、学校、政府など、Visual Basicのコードに投資している組織では、VBを使ったアプリケーションの開発を凍結したり、自らのアプリケーションをゼロから書き直すため、時間、労力、知的財産、費用の再投資を余儀なくされている」と書き込んでいる。
これに対し、VB6利用者はVB.NET移行すべきだ、とする開発者もいる。
コンサルティング会社iDesign創業者のJuval Lowyは、VB6以前のツールで開発したアプリケーションをVB.NETに対応させる「移植作業」は不要だとし、開発者は古いVBのコードはそのままにして、古いアプリケーションと新たに開発するアプリケーション間でのデータ共有について考えればよいと述べている。
「問題は可搬性ではなく互換性だ。アプリケーションを移植するのは、単に労力の無駄使いだ」(Lowy)
Somasegarは、VB開発者が提出した嘆願書のなかにある具体的な要望について、MicrosoftにはVB6のコードをVB.NETに移植するための「移行ウィザード」の新バージョンをリリースするつもりがないと述べた。
また、MicrosoftがVB6に変更を加え、Visual Studioのプログラム言語の1つにするようなこともないだろう。Somasegarによると、このようなアプローチは「技術的に実現が難しい」という。
さらに、Somasegarは、VB6を利用する既存顧客をMicrosoft陣営に引き留めておくための同社の取り組みについて詳しく説明した。同氏によると、Visual Studio 2005(コード名:「Whidbey」)では、開発者があらかじめ用意されたコンポーネントを利用できるようになるという。「コントロール」と呼ばれるこれらのコンポーネントは、VB6で対応していたものだ。
「VB6からVB.NETへの移行で、使い勝手が多少損なわれたことも事実だ」とSomasegarは言う。「Whidbeyでは、これまでにない使い勝手を提供し、アプリケーションをすばやく開発できるようにする」(Somasegar)
Visual Basic担当プロダクトマネジャーのJay Roxeによると、VB6 Upgrade Centerでは、VB6開発者がVBとVB.NETを併用して既存アプリケーションを使い続けるための情報を提供するという。
Roxeによると、顧客はVB6のサポート契約を3年延長するか、VB6関連障害の既存サポート契約の残り分を使うことができるという。Microsoftはすでに、基本サポートサービスの当初の打ち切り期限を2年延長し、7年間としている。
DeMichillieは、数年前に下した.NETへの移行判断を尊重する以外、Microsoftには選択肢の余地がないと言う。
Microsoftは、VB6開発者の移行を促す「アメ」として、AvalonプレゼンテーションシステムやIndigoコミュニケーションといった新機能を次期Windowsに実装する一方、基本サポートの打ち切りを「ムチ」に使おうとしている、とDeMichillieは言う。
「基本サポートと延長サポートの間に大きな差はない。ところが、企業各社にはそこを納得してもらえない。これは製品が古くなりつつあることを物語る心理的な一大事だ」(DeMichillie)
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