ケータイやPCも“どこでもテレビ”に--ソニーがエアボードの名前を捨てた理由 - (page 2)

永井美智子(CNET Japan編集部)2005年03月08日 20時50分

 もう1つの狙いは、製品ラインアップの拡充だ。すでにソニーは、1月に米国で開催されたConsumer Electronics Show(CES)で、PCでもテレビ放送が受信できるソフトウェア「LocationFree Player for PC(仮称)」を発表している。これはベースバンドを持つユーザーなら、ソフトをインストールしたPCとモニターのどちらからでも番組が楽しめるというものだ。

「LocationFree Player for PC(仮称)」を利用して、PCでDVDを再生した様子

 ソニーのVAIOだけでなく、Windows 2000/XPを搭載したPCであれば利用できるという。早ければ4月にも米国でリリースする計画で、ソフトの価格は100〜150ドル程度となる見込み。ただし、日本での発売時期は未定だ。

 今後は、携帯電話やラジオ、カーナビゲーション、オーディオコンポなどにも製品ラインアップを広げていく考えだ。「ロケーションフリーという新たなカテゴリ、新たな文化を作りたい」(前田氏)

LF-X5はコンパクトフラッシュ対応に

 ロケーションフリーという新しいジャンルを切り開くため、新機種のLF-X5では独自規格にこだわらない姿勢も見せている。ソニーでは記録メディアに同社が開発したメモリースティックを採用することが多いが、LF-X5はコンパクトフラッシュカードスロットを搭載した。「コンパクトフラッシュ型のカードリーダを使えばメモリースティックDuoやSDカードにも対応できる」(前田氏)というのがその理由だ。

 将来的にはコンパクトフラッシュ型のPHS/携帯電話カードにも対応し、無線LANのつながらない場所でもインターネットに接続してテレビを楽しめるようにしたいという。「通信速度が上下300kbpsあればテレビの受信は可能だ。通信速度の高速化と定額制がすすめばPHS/携帯電話を利用した受信も可能になるだろう」(前田氏)

 LF-X5は米国で先行販売されている。2004年10月にLF-X1と同時発売されており、「これまでにソニーの直営店12店舗でLF-X1が約680台、LF-X5が200台以上売れている。1日1台以上が売れている計算だ。製品説明をきちんとできる店舗ではよく売れている」と前田氏は自信を見せる。

 国内では2月2日より、直営店であるソニービル(東京・銀座)、メディアージュ(東京・お台場)、ソニースタイルストア(大阪・梅田)の3カ所でLF-X5を先行展示している。今後は無線LANを活用して番組が見られるという独自機能をアピールするため、NTT東日本の公衆無線LANスポットでユーザーが実機に触れるようにするなど、プロモーション活動も積極化する。さらに、海外でも日本のテレビ番組が見られるという点をアピールするため、航空会社とも協力していく。

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