セーフティネット
より成熟した市場では、Linuxに移行したいが、どうしても使い続けなければならないアプリが1つか2つあるという人が利用できる、様々な暫定的解決法が存在する。例えば、WineエミュレータやWin4Linといったプログラムを利用することにより、Linux PC上でWindowsアプリを実行できる。エミュレーションはLinuxへの移行を検討している企業のためのセーフティネットだ、とPerensは語る。
「確かにWindowsエミュレーションを使う方法は単なる一時しのぎに過ぎないが、当面の問題は解決できる」とPerensは述べ、「人々の懸念の1つは、Linuxデスクトップに移行したが、その後必要なアプリが出てきた場合にどうするかという問題だ。そんな時にWineが役に立つ」と付け加えている。
最近の傾向として、ソフトウェアがウェブベースのサービスとして配布されるケースがあるが、デスクトップLinuxならどんなウェブブラウザにも同じようにアクセスできるため、そのようなサービスの恩恵を享受できる。この手法を採用している代表的企業が、TurboTaxやQuickBaseといったウェブベースのアプリを扱っているIntuitだ。同社は、箱入りソフト販売のみの頃は売上も安定しなかったが、この手法を採用したことで、安定したサブスクリプション収入を得られるようになり、さらに幅広い潜在顧客層に向けて製品を公開できるようになった。
「Intuitについて言えば、同社はウェブ上での同社製アプリの利用を促進するために出来ることは何でもやるつもりのようだ。そしてそれは、Linuxにとっては歓迎すべきことだ」(Robertson)
楽しさを持ちこもう
しかし一部のアプリについては、Linux版を作ることは容易ではない。Robertson によると、Linuxデスクトップの最大の弱点の1つはゲームだという。この状況についてRobertsonは、家庭用ゲーム機がさらに市場シェアを拡大している現状では、事態が改善することはなく、今後も重大問題であり続けるだろうと指摘する。
これに異を唱えるのは、テネシー州チャタヌーガを拠点に活動しているウェブコンテンツマネジャーChad Smithだ。同氏は、依然として人々はパソコンを使って楽しみたいと考えていると主張する。
「Linuxにはゲームが必要だ」とSmithは語る。「ゲームなど大した問題ではないと思われがちだが、私はそうは思わない。大半の家庭ユーザーが宿題をしたり、メモを取ったり、税の計算をするためだけにコンピュータを購入しているわけではない。Linuxにはすでに、DVDやMP3ファイルを楽しめるアプリが沢山揃っている。今Linuxに本当に必要なのは、トップクラスのゲームだ」(Smith)
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