ビジネスに適した Windows 10 Pro。
政府が働き方改革を推進してから早2年が経つ。最近になり大企業だけでなく中小企業にも働き方を変えていく意識が高まっているものの、実際にどうすればいいのか模索している企業も少なくない。加えて、Windows 7のサポート期間が2020年1月に終了することで、Windows 10 搭載PCへのリプレイスが必要となり、どんなマシンを選ぶべきなのか頭を悩ませていることだろう。
日本のビジネス向けパソコンを長年支え続けてきたNECも、働き方改革が叫ばれたことを機に、これまでの既成概念にとらわれない、「柔軟な働き方とは」何かを、フラットな視点で見られる若手社員を商品企画に登用。「働き方改革に悩んでいる人にとって今まではひとつのツールでしかなかったパソコンを、理想の働き方へと誘導する第一歩となる存在にすることを目指す」と語る、若手社員の北村真一郎氏と川波勇斗氏に、今回商品企画を担当したモバイルノートPC「VersaPro UltraLite タイプVG/VH」についてお話を伺った。
――働き方改革が叫ばれるようになって2年が経ちますが、企業の意識に変化は見られますか?
北村真一郎氏(以下北村)最近では特にPCを導入する際にパソコンでも働き方改革をできないのか、と言ったお問い合わせを多くいただいています。一口に働き方改革といっても企業によってさまざまな推進の仕方がある中で、何をもって働き方改革なのかをお客様自身も理解していないケースや、どうすれば社員の働き方やワークライフバランスが変わるかイメージが出来ていない方もいらっしゃいます。
例えばフリーアドレス化などによってオフィス環境をよくしても、ITインフラや環境を活かせるようなPCを用意しなければ、実態が伴わず、結局効率性を実感できないまま、元の働き方に戻ってしまうお客様もいます。NECでは、働き方をどれだけ柔軟に変えていけるかという観点を重要視しており、PCの企画段階ではそういったユーザのニーズを満たすような商品を目指しています。
――NECとして、働き方改革を推し進めるためのPCとは、どうあるべきだと考えているのでしょうか。
北村お客様の業種によってオフィス環境、働き方、従業員数はさまざまです。各ラインアップに特長をもたせることで、ニーズにあった商品を選びやすくしています。たとえばテレワークするためにモバイルノートPCを導入したい場合、在宅利用だけでなくオフィスでもメインマシンとして使えるような性能の高いCPUを搭載したモデルをご提案できるよう、ラインアップに幅を持たせています。
――マシンの買い替えは、さまざまな要素が絡んできますが、テレワークをしたいからモバイルノートPCを導入したいという企業は増えてきているのでしょうか?
北村Windows 10の移行も相まって増加しています。ただ、テレワーク/リモートワークの課題の一つにセキュリティがあげられますが、PCの持ち出しを社員に許可することと、情報の持ち出しや漏えいを防ぐ線引きで悩まされているお客様も少なくありません。そのようなお客様がいる事も理解したうえで、今回われわれが働き方改革を促すモバイルノートPCとして企画した「VersaPro UltraLite タイプVG(以下タイプVG)」は、指紋認証センサを標準搭載。オプションメニューから、NECの顔認証ソフトウェア「NeoFace Monitor」も選択可能としています。「NeoFace Monitor」は離席時に画面をロックする常時監視機能*1があるため、テレワーク/リモートワーク中のセキュリティを高める工夫も盛り込んでいます。
――タイプVGは、お二人が商品に対する考え方を変革させたモバイルノートPCだと伺っております。
北村従来のPCは、技術力を生かしたプロダクトアウトの製品が多く、たとえば以前のモデルでは、軽量でありながらもバッテリ駆動時間が短く。ACアダプタを常に携帯しないと不安だというお客様もいらっしゃいました。
そこで今回は、働き方改革をきっかけにモバイルノートPCの導入を検討されているお客様に対して、テレワークやモバイルワークを端末から推進できる機能を盛り込んでいこうと考えました。そのなかで重要な柱の3つが、「セキュリティ」「モビリティ」「利便性」です。
川波勇斗氏(以下川波)セキュリティに関しては、指紋認証を採用しています。モビリティに関しては、バッテリ駆動時間を長くしています。タイプVGは以前のモデルと違いクラムシェルタイプ(180°開閉)になりますが、大容量タイプのLLバッテリで約20時間、Lバッテリでも約13.3時間駆動可能*2で、質量はLLバッテリ搭載で約837g、Lバッテリなら約785gと軽量*3になっています。
――それだけの駆動時間なら出張時にホテルから出て戻るまで、ACアダプタは不要ですね。
川波営業の方は特にそうですが、ACアダプタを持ち運ばずに利用できるのは大きなメリットになります。本体がいくら軽くてもACアダプタをカバンに入れたままでは嵩張ります。また、LTEモジュールも搭載可能*4になりモビリティ性能はかなり向上しています。
北村軽量モデルでは強度と軽さを併せ持つ金属素材やカーボンを採用するケースが多いのですが、どちらも素材上電波を通さないため、アンテナ部分にプラスチック素材を利用する必要があります。一般的には別の素材と組み合わせて天板を作ることが多く、タイプVGクラスの軽量モバイルノートPCにはLTEは搭載しづらいという固定概念からの脱却のためにさまざまな試行錯誤しました。
川波タイプVGの天板はアンテナがある部分はLTEの電波を通す素材を採用、それ以外は「新構成カーボン(強度の高い炭素素材と軽量な炭素素材をの組み合わせ)」を採用し、アンテナ部分と一体成型をする方式によって加工しています。そのため、カーボン特有の強度と通信品質の安定性を両立しつつ、PCとしてデザイン面にもこだわることができました。
北村LTEを搭載可能にしたうえで軽量性と耐久性を高くするのには、かなり高い技術力を要します。技術力を誇るNECだからこそ、実際に働いている人が求めている機能や特長を存分に盛り込むことができたと自負しています。
――LTEモデルを要望するお客様が増えてきているということでしょうか。
北村弊社では従前からLTEモデルをご用意しているのですが、ここ最近から特に需要が増えてきています。特に営業の方が多い企業からの要望が高いですね。テレワークやモバイルワークを加速させるためには、それを支えるツールは可能な限りシンプルにまとまっていた方が望ましく、ルーターの充電が減って出先で困るといった事態も避けられます。
――テレワークを行なう上で重用な要素の一つに、Web会議があると思いますが、それに特化した機能が装備されているとか。
川波はい、今回の目玉の一つがミーティング機能です。「マルチユーザモード」と「パーソナルモード」の2つのモードが用意されており、マルチユーザモードは、筐体を中心に360度方向に人の声が聞こえやすく補正された音が広がって聞こえ、複数の人がWeb会議で利用しても、外付けスピーカを用意することなくWeb会議をすることが可能です。
一方パーソナルモードは、正面方向へ音声が聞き取れるように音の指向性を強調する補正を加え、周囲への広がりを抑えたモードです。自宅からWeb会議に参加する際、周囲にいる人には迷惑をかけないようにしたいが、ボリュームを絞るわけにもいかない。一方で、ヘッドホンをしてしまうと、逆に外部の音を遮断してしまい、育児や介護などをしている人にとってはとっさの対応ができないということも考えられます。使用する場所やシーンに応じて適したモードを選択できるようにしています。
――スピーカ自体は、どこに付いているのでしょう。
川波パームレストの下部についています。通常のモバイルノートPCに比べ高出力のスピーカを採用しています。構造的にもボックス型を採用したことで、空気の移動を抑制し、そのうえでスポンジ状の緩衝材で包み込むことで、音による筐体へのビビリを防止しています。これにより、ボリュームを最大にした場合も、筐体が振動することによる音割れを防止することができます。
北村今回、ヤマハさんと共同開発した機能ですが、単に音質を上げるのではなく、会議用に特化した機能を盛り込めばより働き方改革を支援するツールになるのが高まるのではないかと考えたことがきっかけでした。人の声の周波数帯に目を向けた会議用スピーカとしてもPCを使っていただくことで、Web会議を始めようとしたより柔軟な働き方を実現していただけると考えております。
――Web会議をしようとしたとき、意外とハードルを感じるユーザはいないですか。
北村最近では、立ち会議やフリースペースでのハドル会議に加えて、Web会議も頻繁に行われる傾向にあります。その際、外付けのスピーカを新たに用意するのは、アドオンのコストになるうえに、持ち運びや管理の手間が増えるため、それもWeb会議の浸透を妨げる障壁の一つになると思います。SkypeやZoomといったWeb会議環境を提供するソリューションはありますが、それを活かすためのハードウェア面でのインフラが用意できていない。そこで、PC1台が備える機能を充実させることで、Web会議を行なうハードルを下げるために有効だと考えています。
日本企業の働き方改革を進めるうえで、会議は切っても切り離せない論点だと考えます。実際に弊社ではようやく文化として定着し、会議をはじめとするコミュニケーションを離れた場所から円滑にできるよう促すことがこれから先、重要だと考えます。
――会議で重要なのは映像より音声だと伺ったことがあります。
北村そうですね。もう少し掘り下げると、音声の中でも会議向きの音声というものがあります。人の声がハッキリ聞こえ、誰が何を喋っているか認識できるようにすることが重要です。いかにWeb会議を快適にするかという点は企画段階からかなりこだわっています。
――生産性をアップする要素の一つにキーボードの使い勝手はどうなのかという点が挙げられます。
川波今後モバイル利用が多くなることで、モバイルノートPCをメインとして使う人が増えるようになると思っています。そのため、今回はキーボード部分にもこだわっています。モバイルノートPCのキーボードにも操作性が求められるようになってきており、操作性を考慮したサイズであることはもちろん、静音性や打鍵感にもこだわりました。
また、心地よい感触と摩耗防止のため、キートップ全体をコーティングする工夫を盛り込んでいます。ソフトウェア面を強化して働き方改革をサポートするとともに、パソコン本来のユーザビリティも強化しています。
――CPUはインテル®Core i7-8565U(1.80GHz)やインテル®Core i5-8265U(1.60GHz)といった第8世代を採用しています。
川波薄型のモバイルノートPCでは排熱効率を良くすることもCPUの性能を引き出すために重要な要素の一つです。性能の高いCPUを搭載できるように排熱構造を工夫しています。リフトアップヒンジを採用し、底面にできた空間を利用し、そこから吸気。ヒンジのある面から上部へ向かって排熱しています。
――モバイルノートPCとして「タイプVH」というモデルも用意されています。タイプVGとの違いは何でしょう。
北村「VersaPro UltraLite タイプVH(以下タイプVH)」は、12.5インチフルHD液晶を搭載したB5サイズのモデルで、法人向けPC特有の有線LANボートを装備しているのがポイントです。働き方改革で、Windows 10へ移行するお客様が増えてきていますが、モバイルノートPCへの移行に伴い無線LAN環境だけになると不安だという声も多く、Wi-Fiが使えなくなったときは有線LANで作業を止めないということが安心にもつながっていると思います。 タイプVHもミーティング機能を備えていますが、特長は違っていて、タイプVGはモバイル機能を重視しつつメインとして利用できるマシンとして。タイプVHは2台目のマシンとして、タイプVGよりもひと回り小さく、持ち運ぶのにちょうどよいサイズで、特に女性用のバッグにもすっぽり入るため、女性の利用者も多かったりします。このように、ニーズに合わせたモデルを用意しています。
――NEC自身も今回の若手起用など働き方改革を率先して行なわれていると思いますが、そのなかで感じていることはありますか?
川波働き方改革としては、その人がいちばん働きやすい場所を作ることが重要。たとえば台風で電車が止まってしまったときは自宅で作業し、運転再開したら出社するというような柔軟な対応ができることこそ、働き方改革だと思うので、私たちの経験も生かしてどんどんお客様に勧めていきたいですね。
――働き方改革によってお客様からのさまざまな要望があると思いますが、それに対して、どのように応えていきたいとお考えですか?
北村働き方改革にもさまざまな進め方があると冒頭にお話しましたが、パソコンは操作している時間が長く、いちばん身近なツールだと思っています。そうしたツールを使って働き方改革を推進するきっかけになるような商品企画をしていきたいです。
今回のタイプVGはモバイルワークやテレワーク、メインPCとして使いたいお客様に積極的にオススメしたい商品です。テレワークで問題にされがちなセキュリティ機能も搭載しているので働き方改革と一緒に推進していきたいです。
今回紹介した製品は、ビジネス向けなのに会議中の音質向上を目指すことに着目した若い社員のフラットな目線が、働き方改革を推進していく上でWeb会議の利便性を高める役割を果たした。こうしたモバイルノートPCを積極的に導入することで、働き方改革の意欲を削ぐことなく前進させてくれるはず。Windows 7搭載PCからのリプレイスを含め、「VersaPro UltraLite タイプVG/VH」の導入を検討してみてはいかがだろうか。
*1 構成オプションで選択時またはNeoFace Monitor が別途必要となります。構成オプションでWebカメラを選択した場合。内蔵指紋センサとの同時使用はできません。
*2 JEITAバッテリ動作時間測定法(Ver2.0)に基づいて測定しためやす時間です。
*3 最軽量時の質量。
*4 LTE選択時。LTEを利用するには別途高速データ通信サービスの申込・契約が必要です。すべての通信業者と接続を保証するものではありません、接続確認を行った通信業者についての最新情報はWebにて確認をしてください。