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人と協調し、ビジネスに寄り添う国産AI「Zinrai」
実用段階に入ったAIの実力衝撃

第三次AI(人工知能)ブームと言われる昨今、さまざまな企業がAIを活用したソリューション・サービスを提供しはじめており、既に実用化段階に入ったともいえる。長年にわたり企業のITを支えてきた富士通も「人と協調する、人を中心としたAI」、「継続的に成長するAI」というメッセージのもと体系化されたAI「Zinrai(ジンライ)」を展開している。本記事では、富士通 AIサービス事業本部 AIインテグレーション事業部事業部長 中西猛氏に、富士通のかける思いや期待、国産である意味、そしてユーザーに何を提供しようとしているのか聞いた。

AIを実用段階に押し上げた「Zinrai活用シーン」

 2015年11月に体系化した富士通のAI(人工知能)である「Zinrai(ジンライ)」は、ビジネスの現場で利用可能なAPIを取りそろえつつ、進化を続けてきた。AIによるナレッジ活用、感情認識や自然文解析を用いたコールセンター・問い合わせ窓口の効率化、予兆検知や正常時の稼働データを機械学習して通常と異なる状態を自動検知するアノマリー分析を用いた保守・保全など、顧客の事業・業務の領域ごとの課題解決を実現し、新たに「Zinrai活用シーン」を提案した。

中西 猛氏
富士通 AIサービス事業本部
AIインテグレーション事業部
事業部長 中西 猛氏

 富士通は昨今のAIブームについて、「顧客はAIを使いたいのではない。ビジネスを拡大・最適化したいのだ」(中西氏)と苦言を呈する。AIがブームになり始めた2016年当時を中西氏は「顧客自身も模索していた」と振り返った。AIの波が訪れている現状を理解できても、具体的な活用方法を見いだせない顧客が少なくなかったという。

 それが2017年に入ると、AIをビジネスソリューションとして多くの案件に組み込むようになった。「AIは道具であり、ビジネスの現場でAIか否かは問題ではない。今後もこの流れは加速する」(中西氏)と推し量る。だからこそ同社は「Zinrai活用シーン」で、ソリューションを提供するベンダーと、ビジネスを拡大したい顧客の間にある溝を埋めるため、17のソリューションの提示を開始した。

 その一例として中西氏は、さいたま市の保育所入所選考におけるZinraiのマッチング技術実証例を紹介する。さいたま市と富士通が約8,000人の匿名化データを用いた検証では、20~30名の職員が多くの日数をかけて行っていた選考結果をわずか数秒で算出することに成功した。「(保育所入所)申込者への結果通知を現在よりも早められると評価して頂いた」(中西氏)という。

 別の自治体では戸籍業務支援にZinraiを採用する案件が持ち上がった。富士通はZinraiの専門分野別意味検索を提案。これは国際結婚や養子縁組みに伴う複雑な申請に対して職員が質問内容を入力すると、AIが蓄積した情報から回答案を提示するものだ。こちらは2018年3月より試験的稼働を予定している。

 このように利用シーンが増えるZinraiのAI機能だが、「API数はそれほど増やしていない。顧客需要に合わせてAPI・パッケージ・SaaSといった提供方法は異なるため、顧客が必要とするものを優先して開発してきた。今後もAPIは、汎用的に使えるものを見据えて提供していく」(中西氏)。

国産ITベンダーの強みは日本語AI

 このようにZinraiは、ビジネスソリューションに即したAPIを用意しているが、顧客の反応で顕著なのが日本語処理だ。例えば製造系やR&D(研究開発業務)部門では、知見や実験データを検索する際に従来のキーワード検索ではヒットしないケースが少なくない。目的別APIの1つである専門分野別意味検索は、単語と単語、文書と文書における関連性の近さをAIが判断し、適切なドキュメントを検索可能とする。「特許検索や法令など平素な単語を用いない文章検索を必要とする顧客の間でニーズが高い。 (顧客は国内企業だからこそ)日本語のドキュメントが大半のため、弊社に対する期待は大きく感じる」(中西氏)そうだ。

 基本API「自然文解析」は文書中から、人名や場所、飲食店など特定単語を抜き出しが可能で「福岡さん」「福岡に行く」という2つの「福岡」という単語を区別できる。前者は人名、後者は述語が付属することで場所と判断するようにタグ付けし、コールセンターの問い合わせ内容分析などに用いることが可能だ。「最近では個人情報保護法の関係で、名字は必要だが名前だけマスキングしたい。住所だけ取り出したいといった要望も増えているが、APIレベルで対応できる」(中西氏)。

 直近では2018年1月に信濃毎日新聞と共に、自然言語処理技術と機械学習を組み合わせた「自動要約技術」を用いて、自動記事要約システムを開発した。人の手を介さず、作業プロセスを短縮できるため、「働き方改革にもつながる。人が本来やるべき知的な生産的活動に時間を割く」(中西氏)ことが可能になるだろう。英語に比べると日本語は1つの単語で多様な意味合いを持つため不明確になりがちだが、日本語の特徴を十分理解した国内ITベンダーである富士通だからこそ実現した一例だろう。

顧客に寄り添う富士通らしさを強みへ

 AIを主軸にビジネスを推進するプレイヤーは枚挙に暇がない。だが、その大半は海外のITベンダーであり、残念ながら日本企業は劣勢である。国産AIの強みとは、日本独自の文化・商習慣に沿ったソリューションではないだろうか。例えば働き方改革を国ごとに異なる文化という文脈で見ると、欧米型と日本型の差異を感じる方は少なくないだろう。


 富士通の強みは日本各地に多くの顧客を持ち、個別対応が可能なSIer部隊を用意している点だ。彼らは顧客の業務内容を深く理解し、どの部分にAIを組み込めば顧客のビジネス価値が高まるのか、業務改善を実現できるのか把握している。また、学習モデルとして利用するデータの保持状況を調査した上で、蓄積すべきデータ内容を提案する。このようにAIの利用を「技術的観点ではなく、顧客のビジネス主体で考える『顧客に寄り添う』のが最大の特徴」(中西氏)だ。

 前述した某自治体も、先方が当初想定していたのはチャットボットだったという。だが、富士通の担当者は「顧客の業務(やりたいこと)と所有するデータを鑑みるとチャットボットではなく、最適な方法として専門分野別意味検索を提案した」(中西氏)。目的の内容を実現するには大量の対話データ(FAQ)が必要となり、実現するまでには顧客負担が大きいと判断したと説明する。担当者が顧客業務を深く理解し、最適な形を提案できるのは国産ITベンダーの強みと言えるだろう。「富士通らしさを武器に、Zinraiの各種APIを具体的なソリューションに落とし込んで顧客のビジネス価値を高めていく」(中西氏)と、今後も富士通は顧客中心主義で国内ITビジネスを盛り上げていく。

提供:富士通株式会社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2018年6月8日

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