モバイルの普及やクラウドの進化が、企業活動を大きく変えようとしている。顧客行動や販売実績といった膨大なデータを分析して、新たなビジネス チャンスを見出すことが技術的に可能になってきたからだ。しかし、このようなビッグ データ分析に取り組む多くの企業が、「ゴール設定」「手間とセンス」「分析結果の読み取り」といった共通の課題を抱えている。
そこで注目を集めているのが、データ サイエンス支援ツール「Data Diver」である。株式会社データビークルの代表取締役で、ビジネス書「統計学は最強の学問である」がベスト セラーとなった、統計家の西内 啓氏が中心となって開発された。
「Data Diver」は、データベース管理サービス Azure Database for PostgreSQL を含む Microsoft Azure を活用して、少数精鋭で開発・運営されているという。
キーマンの西内氏に、ビッグデータ分析と活用の秘訣について話を聞いた。
現在、ビッグデータを取り巻く状況は「過度な期待が失われた幻滅期の底」あたりに位置付けられるという。これは大手調査の分析からの引用(*1)だが、実際、データウェアハウスやBIツールなど、これまでも企業情報に関して様々なソリューションが登場してきたが、実際のビジネスで効果を発揮するには、大きな壁が確かに意識されている。
*1 ZDNet Japan記事「ビッグデータは幻滅期の底へ」など複数媒体の記事で、調査会社ガートナーの分析として、こうした見方が伝えられている。
データサイエンス支援ツール「Data Diver」を開発・提供する株式会社データビークルの西内 啓氏も、そうした立場の一人だ。多くのデータ分析に関わる中で、企業での活用に共通の課題が存在する--、と指摘する。
「1つ目の課題は、分析する人と意思決定者のギャップです。外部の専門家に依頼した場合、分析担当者は、そのビジネスや業界について詳しいとは限りません。あるハイブランド系のアパレル企業の例ですが…