保育業界のDXを推進するユニファ 後編
“現場起点”のアーキテクチャーが見据える未来


 「ルクミー午睡チェック」をはじめ、保育業界向けトータルソリューションを提供するユニファが、AWS主催のアーキテクチャーで競うスタートアップのためのコンペティション「AWS Startup Architecture of the Year Japan 2020」で国内優勝を果たした。

 「保育現場の課題に対してトータルソリューションを提供していくことで、保育者の方々に時間のゆとり、心のゆとりをもたらし、保育の質を上げていく。それがさらにお子さん自身やご家庭にもよい影響を与えていけるのではないかと考えています」ーーこう語るのは、ユニファ取締役CTO 赤沼寛明氏だ。

 インタビュー後編では、AWS Startup Architecture of the Year Japan 2020へのチャレンジを機に再認識したというユニファの強みや、保育業界のDXを推進する今後の展望について赤沼氏が語った。

アーキテクチャーでビジネスを牽引する

AWS Startup Architecture of the Year Japan 2020を振り返って、お話を伺っていきたいと思います。

 AWS Startup Architecture of the Year Japanは、優れたアーキテクチャーでビジネスを牽引しているスタートアップが選出される、AWS主催の世界規模のコンペティションです。募集開始時からご案内いただいていたものの、実はコンペ出場を決めたのは、締め切りギリギリでした。

 というのも、今回プレゼンした「ルクミー午睡チェック」のアーキテクチャーについて、社内でインフラエンジニアと話したときには、「特別なことをやっているわけでもないし、何か尖っているものがあるわけでもないし、どうなんでしょうね…?」という感じだったのです。

 しかし後日、「アーキテクチャーとしてやるべきことをしっかりやっていて、それがビジネスを牽引している、という点が評価ポイントだ」と改めて伺い、それであればと急いで書類を作って応募させていただきました。

 コンペの準備を進めていく過程で、AWSの方々によるメンタリングなどを通じて、われわれのアーキテクチャーの強みを再認識できたことは、とてもよかったです。その結果として賞をいただけて大変嬉しかったですし、メンバーがすごく頑張ってくれていたので、実際に目に見える形で評価いただけたことは、開発チームとしても自信につながりました。

“現場起点”のアーキテクチャー

 「AWS Well-Architected Framework」を軸に、自分たちのアーキテクチャーを一度立ち止まって見つめ直せたのは、このコンペならではのよさでした。

 ルクミー午睡チェックは、保育園児のお昼寝中の突然死を防ぐために、保育現場で日々行われている業務をサポートしていますが、「命に関わる」というプロダクトの性質上、「信頼性」と「運用上の優秀性」が大切ですし、そこがしっかりと作れているということを再認識できました。たとえば、サーバーへの負荷が上がったときの対策や、Wi-Fiではなくセルラー回線を使った安定的な接続などは、審査でも評価いただけた点だったと思います。

 また、どこに改善の余地があるか、優先順位はどうかなどの整理ができたほか、AWSの方々とのメンタリングでは、プレゼンという短い時間の中でアピールすべき「本当の強みは何か」まで言語化することができ、とても有意義でした。

写真撮影:漆原未代
写真撮影:漆原未代

コンペでは、ビジネス的な実績も評価されましたね。

フレーベル館さんという保育業界でも老舗の保育商社さんと協業を開始してから、サービス導入が一気に加速しました。保育業界は歴史が長く、これまでの現場の業務を変えていくことに対して一定の抵抗感があることが多いです。他の業界と比べるとITリテラシーもあまり高い業界ではない中で、フレーベル館さんが当社のプロダクトに興味や信頼を寄せてくださり、一緒に保育施設の方々の信頼や利用を獲得できたことは大きかったと思います。

ルクミー午睡チェックの強みや差別化については、いかがでしょうか。

 ルクミー午睡チェックは、うつ伏せだけではなく体の向きまで判定してアラートを出す、チェック表を自動作成するという「機能性」が差別化ポイントですが、それはプロダクト開発時のヒアリング、プロトタイプを使ったユーザーテストなどの積み重ねがあってこそです。

 「保育現場における活用を最も重視し、プロダクトを追求する」という“現場起点”こそ、当社の強みだと考えています。また、「スマート保育園®」というコンセプトを掲げて保育現場の課題を解決するためにトータルソリューションを提供しているのは、いまのところ当社だけかなと思っています。

AIとデータを活用した「スマート保育園®」を加速

今後の展望をお聞かせください。

 単体のプロダクトへの機能追加リクエストは多いので、現場の声を伺いながらお応えしていきたいです。アーキテクチャーの面でも、新たな技術も取り入れつつ、より信頼性、安全性を向上させていきたいですね。さらに、各プロダクトからの取得データをサービス全体で連携させて、保育業界向けのトータルソリューションを強化したいと考えています。

 われわれが目指しているのは、AIなど最新のテクノロジーを活用し、保育業務の負担を軽減することで、保育者の方々が“保育のプロ”として注力するべき本質的な業務にフォーカスしていける、「スマート保育園®」です。プロダクト導入数は累計で10,000を超えているなか、2020年1月から一緒に活動していただけるモデル園を募集し、最終的に全国11カ所の保育施設を選定させていただきました。昨年4月より順次、モデル園の皆様とともに、保育業務のデジタル化による効果測定を行うなど、「スマート保育園®」の取り組みをまさに加速しています。

 また、新たなプロダクトも開発予定で、開発メンバーの採用も強化中です。「保育」という社会貢献性が高くてまだアナログな業界に対してチャレンジできるのは、他社にはない大きな魅力ですし、熱量が高いメンバーが集まっています。新しい技術を採用検討する自由度、主体的にプロダクトを作っていける裁量の大きさや、家族の幸せに興味を持つメンバー同士のチームワークなど、開発サイドの方々にも働きやすいカルチャーがありますので、当社の事業に共感いただける方や、技術面で一緒に挑戦していただける方がいたら、ぜひご連絡いただければと思います。

各種受賞歴の実績(一例)
初代スタートアップワールドカップ世界チャンピオン
国内外でその他多くの賞を受賞
各種受賞歴の実績(一例) 初代スタートアップワールドカップ世界チャンピオン 国内外でその他多くの賞を受賞

※「スマート保育園®」、「スマート幼稚園®」、「スマートこども園®」はユニファの登録商標です。

提供:アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2021年08月31日

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