第3のLEDバックライト方式採用「S-LED」搭載 日立Wooo ZP05シリーズの高画質を検証する
残像の少なさも「S-LED」ならではの特徴だ。動きの早い映像の残像が液晶の大きな課題であったが、「S-LED」を搭載した「ZP05シリーズ」は、液晶として業界トップクラスの動画解像度1080本を達成している。1080本はハイビジョンの垂直方向の解像度とイコールで、つまり動きの激しいシーンでもハイビジョンの解像感を実現しているのである。
残像を低減する技術として、映像のコマ間に黒画面を挟む「黒挿入」が多く用いられているが、従来の液晶では、画面が暗くなってしまったり、明るさを確保すると効果が出にくいのが課題であった。
「S-LED」は、液晶の倍速表示とともに、黒い帯を上から下に挿入する「バックライトスキャニング」を採用。画面の一部のみに黒帯を挿入することで画面の明るさを確保しつつ、効果的な残像の低減を実現している。
(鈴木氏)
「黒挿入やスキャニングという発想自体は今までと同じですが、残像低減の効果は大きく向上しています。ブロック単位でハッキリとした黒帯を挿入できるのが「S-LED」ならではのメリットで、この利点を活かして、画面の明るさを確保しつつ、業界トップクラスの動画解像度1080本を実現しました。」
「黒挿入」は、映像のコマとコマの間に黒い画面を挿入することで、視覚の連続性(残像感)をリセットする技術である。一定の効果はあるが、画面全部が黒い画面を挟むことで映像が暗くなってしまうのが課題だった。
「S-LED」は、全面が黒ではなく、黒い帯を上から下に挿入する「バックライトスキャニング」を採用。画面の一部のみに黒帯を挿入することで明るさを確保し、同時に効果的な残像低減を実現するしくみだ。「S-LED」は発光をブロック単位でエリアコントロールできるため、明確な黒帯が作れて残像低減の効果が高く、なおかつ明るさも確保できる点が優れている。(イメージ図)
「ZP05シリーズ」は、DVDや地デジ(1440×1080ドット)などの解像度をフルハイビジョン(1920×1080ドット)に向上(解像度復元・精細度回復)する超解像技術「ピクセルマネージャー」も継承。また、リビングにふさわしい色再現と、解像感の高さも「ZP05シリーズ」の優れた特徴である。
エリアコントロールによって、高い省エネ性能を実現している点も「S-LED」の大きな特徴である。少ないLEDでエリアコントロールを実現している点でも省エネといえる。
(鈴木氏)
「「S-LED」の開発にあたって、省エネで業界トップ(42V型の録画機能付き液晶テレビ)に立つことを目指し、実際にそれを達成しました。「S-LED」はブロック単位でバックライトをコントロールできますので、漆黒のエリアはLEDを完全に消灯させて消費電力をゼロにできます。バックライトを常時点灯している従来の液晶と比べると、これは大きな省エネになります。LEDのブロック数は消費電力との兼ね合いで決めました。さらにインテリジェント・オート高画質2と組み合わせることで、電力のムダを抑え省エネを実現しています」
「ZP05シリーズ」の省エネ性能を数値で見ると、L42-ZP05(42V型)では、年間消費電力量107kWh、達成率(注)177%、L42-XP03比で約27%の削減とトップレベルの省エネを達成している。また、L37-ZP05(37V型)では、年間消費電力量99kWh/年、達成率158%を実現。これはCCFL液晶を採用しているL37-XP03と比べると約21%の削減になる。
インフォメーション
L42-ZP05 / L37-ZP05 スペック
基 本 仕 様 |
外形寸法 幅×高さ×奥行(cm) *突起部含まず |
モニター+スタンド (モニター) |
L42-ZP05 102.7×69.9×30.7(102.7×66.3×9.3) L37-ZP05 91.6×63.7×30.7(91.6×60.1×9.3) |
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表示サイズ (幅×高さ/対角)(cm) |
L42-ZP05 93.0×52.3/106.7
L37-ZP05 81.9×46.1/94.0
|
||
液晶パネル | フルHD IPS αパネル(LEDバックライト) | ||
表示画素数 (水平×垂直)(画素) |
1,920×1,080 | ||
質量(スタンド含む)(kg) |
L42-ZP05 22.9(25.7)
L37-ZP05 18.0(20.8)
|
||
消費電力(待機時)(W) |
L42-ZP05 179(約0.1)
L37-ZP05 151(約0.1)
|
||
年間消費電力量 (kWh/年)※1 |
L42-ZP05 107
L37-ZP05 99
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チ ュ | ナ | 数 |
地上デジタル放送 (CATVパススルー対応) |
3 | |
BS・110度CSデジタル放送 | 2 | ||
地上アナログ放送 | 1 | ||
CATVアナログ受信 (C13-C63) |
● | ||
録 画 機 能 |
HDDレコーダー内蔵 (容量) |
500GB | |
iVポケット(カセットHDD「iVDR-S」対応)※2 | ● | ||
ダブル録画※3 | ● | ||
ハイビジョン長時間録画 (XCodeHD) |
●(8倍録画)※5 | ||
ダビング・ムーブ | ● | ||
いいとこジャンプ・シーンサーチ※4 | ● | ||
追いかけ再生・同時録画再生 | ● |
- *アナログ放送の録画はできません。
- ※1 年間消費電力量はスタンダードモードを標準状態として測定。年間消費電力量とは、省エネ法に基づいて、型サイズや受信機の種類別の算定式により、一般家庭での平均視聴時間(4.5時間)を基準に算出した、一年間に使用する電力量です。
- ※2 iVポケットで録画機能を使用するには、別売のカセットHDD「iVDR-S」が必要です。
- ※3 2番組同時録画の際は、1番組がTSモードでの録画となります。
- ※4 番組によっては正しく設定されない場合があります。
- ※5 TSX8モード時。BSデジタルハイビジョン放送(24Mbps)をTSモードで録画した場合との比較において。地上デジタルハイビジョン放送(17Mbps)をTSモードで録画した場合は約6倍です。
増田和夫 プロフィール
最先端のデジタル家電などを得意とするメディア評論家。
WEBでの取材&評論で活躍中。
大の録画ファンでレコーダー「ダビング10」の解説も好評だ。
物欲系レビューというよりは「モノとにらめっこするのではなく、モノの背景にあるコンセプトや開発者のメッセージを探りたい、今年は日本のもの作りの正念場で、その現場を取材したい」と開発者インタビューなどのジャーナリスティックな記事に意欲的だ。
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