6月は環境月間!梅雨入りに際しNTTが研究開発を進める気象予測の関連技術を紹介


 私たちが普段利用している天気予報は生活に不可欠ですが、災害につながる可能性がある気象現象の予測には依然課題が残っています。また、地球の変化をより正確に捉える予測技術は、短期的な自然被害に対処できる予測を出すことはもちろん、気候変動などの中長期的な地球の変化を捉えることも可能になります。
 今回は、6月の環境月間や各地での梅雨入りに際し、誰もがより安心して過ごせる安全な社会に貢献する研究開発や共同研究の進捗を紹介します。
 なお、各案件に関する個別取材も受け付けておりますので、お問い合わせくださいませ。
 
------------------------ 気象予測に関するNTTの技術 -------------------------
(地球情報分析基盤技術 / 気象予測・制御技術)


NTTでは、今までほとんど観測されていない海上、海中および山中の情報を幅広く活用し、気象予測や被災予測をリアルタイムかつ高精度に行うための検討を進めています。
地球情報分析基盤技術を活用して気象情報を収集し、そのデータによって地球全体の気象現象のデジタルツインを構築し、デジタルツイン上での気象予測と気象制御のシミュレーションの実現をめざしています。
気象制御の例として、台風と雷について紹介します。


■地球情報分析基盤技術
 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)によって、2020年5月に革新的衛星技術実証テーマとして採択された「衛星MIMO技術を活用した920 MHz帯衛星IoTプラットフォームの軌道上実証」をベースとして、地上通信インフラでは情報を収集できないエリアをカバーすることを検討しています。
 上空500kmにある衛星で地上のさまざまなIoTセンサの情報を一斉に取得・分析するセンサネットワークシステムを用いて、きめ細かな気象観測を行うことで、変化の激しい局所豪雨や台風などの極端気象の予測のためのデータ取得・活用を実現します。

詳細はこちらをご覧ください。

・安心・安全に暮らすためのプロアクティブ環境適応技術
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(2021年5月21日更新 NTT R&D Website)
 

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図1: 衛星IoTプラットフォームを活用した地球情報分析の実現イメージ

■気象予測・制御技術
 台風の制御については、深海と浅海の水を入れ替えることで近海の温度を下げて台風の勢力を弱くする技術や、台風のエネルギーを電力に変える技術などについて研究開発を進めています。
 また、雷制御についてはドローンを利用して落雷を安全な場所に導く技術の開発をめざし、ドローンが雷撃を受けても飛行を維持するための装備や機能を検討しています。
 さらに雷のエネルギーを取得・利用する手法についても検討し、雷のエネルギーのみで自律運行する落雷制御システムを構築しています。

詳細はこちらをご覧ください。

・極端気象予測の精度向上で、環境に適応する、しなやかな社会をつくる
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(2023年3月16日公開 オウンドメディア「Beyond Our Planet」)

・極端気象に関わる観測・予測・適応技術
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(2022年11月24日更新 NTT R&D Website)

・落雷制御・充電技術
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(2021年12月3日更新 NTT R&D Website)
 

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図2: 気象予測・制御技術の概要
 


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図3: ドローンを用いた雷制御・雷充電システムのイメージ
 

--------------------------- 気象予測に関する共同研究 --------------------------
(台風予測、大気海洋観測 / 水循環に関する地球規模シミュレーション)

 NTTは、特に極端気象である台風に関する気象データを海洋や空中から観測するシステムの設計と実測を行いつつ、台風の気象モデルについても大学等と連携して検討を進めています。
 大規模な計算処理技術の開発も進めています。また、地球上の環境や人々の暮らしにかかわる諸問題を解決するために、個々の問題を部分的にとらえるのではなく、地球全体を循環システムとして包摂的にとらえる必要があるとのビジョンを掲げて研究開発に取り組んでいます。

■台風予測、大気海洋観測
 NTTと沖縄科学技術大学院大学(OIST)は、北西太平洋で上陸前のカテゴリ5の猛烈な台風直下において、複数地点での大気と海洋の同時観測に世界で初めて成功しました。今後も共同研究を通じて、台風予測精度向上に貢献する観測手法の確立と、台風直下での観測データによる大気と海洋の相互作用のメカニズムの解明をめざします。
 また、横浜国立大学との共同研究契約では、双方の強みを生かすことで超広域大気海洋観測技術による台風リアルタイム観測の実現、そして台風予測精度の向上をめざしています。
 さらに、国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)とも共同研究契約を結んでいます。実証実験などを通じて、地球環境の理解、再生と保全に貢献する、地球規模での地球環境シミュレーションのための「超広域大気海洋観測技術」の研究開発を推進しています。

詳細はこちらをご覧ください。

・世界初、NTTとOISTが北西太平洋で、カテゴリ5の猛烈な台風直下の大気・海洋の同時観測に成功
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(2023年5月23日発表 プレスリリース)

・NTTと横浜国立大学、台風予測精度向上に向けた共同研究をスタート
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(2023年1月25日発表 プレスリリース)

・NTTとJAMSTECが「大気海洋観測」の高度化に向けた共同研究を開始
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(2022年9月26日発表 プレスリリース)

・地球環境と人間社会の未来予測技術
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(2022年12月16日更新 NTT R&D Website)

■水循環に関する地球規模シミュレーション
 東京大学との共同研究契約に基づき、地球規模の水循環に関する環境と経済活動の相互影響を再現することで、包摂的サステナビリティを実現するさまざまな政策検討が可能な地球規模シミュレーション環境の実現をめざしています。

詳細はこちらをご覧ください。

・環境と経済活動の相互影響を考慮した地球規模シミュレーションによる、長期間に渡る環境負荷の観察を実現
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(2023年5月25日発表 プレスリリース)

 今後も、NTTは気象予測に関わる研究開発を進め、誰もがより安心して過ごせる安全な社会およびIOWN構想実現への貢献をめざしてまいります。

 なお、各案件に関する個別取材も受け付けておりますので、お問い合わせくださいませ。

※「IOWN(アイオン)構想」:革新的な技術によりこれまでのインフラの限界を超え、あらゆる情報を基に個と全体との最適化を図り、多様性を受容できる豊かな社会を創るため、光を中心とした革新的技術を活用した高速大容量通信、膨大な計算リソース等を提供可能な、端末を含むネットワーク・情報処理基盤の構想です。

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