【ニュースレター】「水が変われば、暮らしが変わる」。新興国への社員の想い



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緩速ろ過による浄水装置「ヤマハクリーンウォーターシステム」の水を汲みにきた、村の子どもたち(カメルーン)




「きれいな水」を世界の人びとに
 「ヤマハクリーンウォーターシステム(以下・YCW)」は、「緩速ろ過」という自然界の水浄化の仕組みを応用したコンパクトな浄水装置です。専門家によるオペレーション、多くの電力や特別な薬品等を必要とせず、住民による自主メンテナンスが可能なことから、水道設備のない新興国や途上国の小さな集落などで有効とされています。
 「安全な水」へのアクセスは、SDGsにも掲げられた重要な課題の一つ(目標6)。現在も世界人口の26%にあたる約20億人が「安全に管理された飲み水を使用できていない(ユニセフ/2020年)」とされており、当社では国際機関やNGO、現地の日本大使館等と協力しながら積極的に「YCW」の普及・導入を進めています。現時点ではアフリカや東南アジア地域で合計45基を導入しており、衛生的な生活水の供給による疾病の減少、女性や子どもたちの水汲み労働からの解放、また配達等の水関連ビジネスによる住民の現金収入増などに貢献しています。
 「YCW」の導入を担っているのは、当社の海外市場開拓事業部(通称・オムド OMDO※)。同事業部クリーンウォータープロジェクトグループの岡部紀彦さんは、「水が変われば、暮らしが変わる。これまでも各地でその姿を見てきましたし、これからも増やしていきたい」と話します。





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これまで生活水として使われてきた川の水と、その水を原水として「YCW」で浄水したきれいな水(左)




「感動」がわき上がってくる仕事
 「YCW」設置のための工期は概ね2週間。その間、岡部さんらOMDOのメンバーは現地の人びとと施工現場で共に汗を流します。ただしその作業は、環境の整った先進国の現場のように一筋縄とはいきません。当初は、計画通りに竣工まで漕ぎつけられるケースは、ほぼ皆無でした。
 「取水ポンプの不具合で水が汲み上げられなくなった時は、40キロのポンプをホテルまで持ち帰って、原因追究に何日も風呂場で悪戦苦闘しました。配管が詰まった際には、現地の人と一緒になって川に入り点検したり、標高の高いエチオピアでは高山病で苦しんだり。思いがけない波乱の連続です」
 頭に浮かぶのはトラブルに見舞われた思い出ばかり。それでも表情に充実感があふれているのは、「苦労の末、きれいな水が蛇口から出た瞬間の住民の皆さんの笑顔を見てきたから」。喜び合い、歌い、踊り出す。そんな光景を見るたびに「感動がわき上がってくる」と話します。
 現在、「YCW」のタンク等はインドネシアで製造し、導入国へと輸出されています。「ただ、きれいな水をもっと多くの人や地域にお届けしていくためには、現地生産化が絶対に必要だと感じている」と岡部さん。その眼差しは、「YCW」の現地製造という次なるテーマに向かっています。
※OMDO = Overseas Marketing Development Operationsの略。当社がビジネスを展開する約180の国と地域のうち、アフリカ、中東、中央アジア、南アジア、南太平洋、中米、カリブなど、140を超える市場をこの部門が担う。「世界の人々に豊かさと喜びを ~Challenge & Dedication Prosperity~」を事業ミッションに現場第一主義のビジネスを展開する





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取水管設置ため、現地の人と川に入り確認作業をしている岡部さん(カメルーン)


■クリーンウォーターシステム
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■広報担当者より
当社が「水」に関心を持ったのは1970年代のこと。インドネシアに駐在する社員の家族から「水道水が茶色く濁っていて困る」という相談がきっかけでした。これを受けて家庭用浄水器の開発を開始し、1991年にはグループ会社が一般への販売も開始しました。およそ半世紀前のこのエピソードを起点とする「きれいな水」を目指した取り組み。2013年には、新興国事情を理解した国際貢献活動の模範となる取り組みとして、グッドデザイン賞金賞(経済産業大臣賞)も受賞しました。



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