2022年8月 マイナポイント利用状況に関する調査

株式会社ICT総研(東京都中央区)は8月16日、マイナポイント利用状況に関する調査の結果をまとめた。

 マイナポイント制度は総務省が推進する事業・制度であり、マイナンバーカードとキャッシュレス決済の普及促進が大きな目的となっている。2020年度に第1弾が実施された際は、マイナンバーカードとキャッシュレス決済の紐付けでのポイント還元のみであったが、2022年6月30日から、第2弾の新しい特典として、マイナンバーカードの健康保険証としての利用申し込みで7,500円分のポイント還元、公金受取口座の登録で7,500円分のポイント還元の申込受付が新たに開始された。総務省では、この第2弾の施策により、国民の約8割に相当する9,500万人分の登録を目指している。
 今回の調査では、現時点におけるマイナポイントについての消費者の認知度の変化や、申込・登録状況の実態を把握することを目的とした。調査手法はインターネットユーザー6,006人へのWebアンケートであり、調査期間は2022年7月29日~8月1日。

■マイナポイントの「内容を把握している」は58.9%。2年前よりも22ポイントアップ。

 調査の結果、マイナポイントの認知度・理解度については、「内容を把握している」 58.9%、「聞いたことはあるが、内容は把握していない」 33.8%、「聞いたことがない」 7.3%という結果になった。2020年8月のマイナポイント第1弾実施中に聞いた同様のアンケートでは、「内容を把握している」は36.8%、「聞いたことがない」が12.5%となっており、2年前と比べてマイナポイントに対する回答者の認知度・理解度ともに増加していることが分かる。
 消費者がマイナポイントのプロモーションを目にする機会が増えていることや、第1弾でこの制度を利用したユーザーが存在していることが要因だと見られる。

■マイナポイント申込済の回答者は52.2%。健康保険証利用での申込は34.9%。

 次に、現在までにマイナポイントに申し込んだか否かを聞いた。この結果、2020年7月開始の第1弾のマイナポイント実施時のものも含め、回答者の52.2%が、「マイナンバーカードの新規取得等」(マイナンバーカードとキャッシュレス決済の紐付け等)にすでに申し込んだと回答した。
 同様に、今回の第2弾で開始された「健康保険証としての利用申し込み」については、回答者の34.9%が、「公金受取口座の登録」は回答者の31.6%がすでに申し込んだと回答。ともに、「マイナンバーカードの新規取得等」と比べてまだ申込者は少ない状況にある。ただ、第2弾の新しい特典の受付が開始されたのは2022年6月30日であり、実質1ヵ月での回答であるため、今後この比率が拡大していくことは間違いないだろう。

■登録したキャッシュレス決済は、PayPayがトップ。第2弾での登録シェアは32.8%。

 マイナポイントによる還元を受けるためには、マイナンバーカード取得後に、任意のキャッシュレス決済を1つ登録する必要がある。回答者にどのキャッシュレス決済を登録したのかを聞いたところ、「新規取得等」、「健康保険証&公金受取口座」ともに、PayPayがトップとなった。
 PayPayは「新規登録等」で27.2%、「健康保険証&公金受取口座」で32.8%と、他のキャッシュレス決済と比べて多くの回答者が登録した。特に第2弾の「健康保険証&公金受取口座」では、およそ3人に1人が登録している状況だ。「新規登録等」、「健康保険証&公金受取口座」ともに、楽天カードが次点、WAONが続く結果となった。
 「新規取得等」は2020年度の第1弾の時期から登録を受け付けていたが、第1弾では登録できたものの、今回の第2弾ではマイナポイントへの登録が終了しているキャッシュレス決済が約30サービスあり、第2弾の新特典利用の際には注意が必要だ。
 また、第2弾新特典の受け付け開始前に、第1弾で登録したキャッシュレス決済を変更することはできるが、健康保険証としての利用申し込みと公金受取口座の登録をそれぞれ別のキャッシュレス決済とすることはできない。

■登録者がキャッシュレス決済を選択した理由は、「ふだん利用しているから」が53.8%で最多。

 最後に、登録したキャッシュレス決済を選択した理由を聞いた。その結果、「ふだん利用しているキャッシュレス決済だから」が53.8%で最多となった。「多くのお店で使えると思ったから」 19.5%、「登録が簡単そうだと思ったから」 15.4%、「信頼できる事業者だと思たから」 11.5%と続く。
 2年前の調査では、「国からの還元以外の特典が魅力的だから」が22.3%と選択理由として多く挙げられていたが、今回の調査では9.7%に留まっている。

 現在、マイナポイントに申し込んでいない回答者に対して、今後の申し込み意向を聞いたところ、「新規取得等」を回答者の26.1%、「健康保険証としての利用申し込み」を回答者の19.7%、「公金受取口座の登録」 を回答者の15.2%が今後申し込む意向があるとした。今後の総務省や各キャッシュレス事業者のプロモーションや周知の状況次第では、申込者はさらに増加する可能性も十分に考えられる。
 マイナポイント制度は、政府が目指すマイナンバーカード普及の切り札となり得るのか、今後もこの制度の動向に注目していきたい。ICT総研では、今後もマイナポイントの動向、キャッシュレス決済の市場について、引き続き定点的に調査をしていく方針だ。

このプレスリリースの付帯情報

表3.「マイナポイントに登録した」キャッシュレス決済

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用語解説

【本資料の調査結果・推計データについて】

*この調査は、インターネットユーザー6,006人へのWebアンケート調査の結果をまとめたものである。国勢調査の年代別構成比に合わせて配信・回収した。調査実施時期は2022年7月29日から8月1日。
*サービス名の表記は主に提供事業者が用いているものを採用したが、カナ・アルファベット・大文字・小文字の表記が異なる場合がある。また正式名称と通称が異なる場合がある。
*本資料における全ての文章、数値、表、グラフデータは、ICT総研スタッフによるアンケート調査を元に当社アナリストが記述・推計したものであり、当該企業や公的機関等の公表値と異なる場合がある。
*本資料における全ての文章、数値、表、グラフデータは、資料公開時点のものであり、その後の市場環境等の変化や新たな分析に基づき予測データ等を予告なく変更する場合がある。
*本資料は報道・ニュースメディア向け資料であり、ICT総研の許可無く、データ、グラフ等を広告および販促活動に利用することを禁止する。
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