環境省主催 令和2年度「国立公園オフィシャルパートナーシッププログラム」第1回意見交換会における開催レポート

環境省 2021年01月29日 15時46分 [ 環境省のプレスリリース一覧 ]
From PR TIMES

官民それぞれの視点から、持続可能な環境保全活動、ワーケーションなど需要が高まるテーマをもとに、現状の課題や実施事例などグループトークによる活発な意見交換がおこなわれました。

環境省では、「明日の日本を支える観光ビジョン」に基づき「国立公園満喫プロジェクト」(以下、同プロジェクト)を推進し、日本の国立公園を世界水準とし、国内外の利用者が長く滞在し、上質なツーリズムを体験できる憧れの目的地とすべく様々な取組を行っています。その取組のひとつとして、国立公園オフィシャルパートナー企業との連携事業を推進しています。この度、2020年12月21日(月)、環境省主催の国立公園オフィシャルパートナー企業との第1回意見交換会を開催いたしました。なお、新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策として、昨年度(2020年3月23日開催の取組報告会)同様、オンラインミーティング形式にて実施いたしました。



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<「国立公園満喫プロジェクト」URL>
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■「国立公園満喫プロジェクト」趣旨
環境省では、「明日の日本を支える観光ビジョン」に基づき「国立公園満喫プロジェクト」を推進しています。全国34ある国立公園のうち、阿寒摩周国立公園、十和田八幡平国立公園、日光国立公園、伊勢志摩国立公園、大山隠岐国立公園、阿蘇くじゅう国立公園、霧島錦江湾国立公園、慶良間諸島国立公園の8つの国立公園において、訪日外国人旅行客を惹きつける取組を先行的・集中的に実施し、そこで得られたノウハウを他の国立公園にも展開し、国立公園の保護と利用の好循環により、優れた自然を守り地域活性化を図ることを目指しています。プロジェクトの取組のひとつとして、民間事業者等と連携することでより国内外からの国立公園利用者の増加と国立公園の所在する地域の活性化を図るべく、現在(2021年1月末時点)、84の企業や団体が環境省と国立公園オフィシャルパートナーシップを締結しています。
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<第1回意見交換会レポート>
■開会挨拶
環境省 自然環境局 国立公園課 国立公園利用推進室 室長 中島 尚子氏による挨拶
中島氏は、平成28年からスタートした国立公園の魅力の発信、受入環境の整備の取組について「この4年間、取組を続けるなかで、もっとも重要な成果は、環境省だけではできない部分を、地域と多様な関係者とのパートナーシップを構築することでした」とコメントし、現在(2020年12月時点)87の企業団体とパートナーシップを締結しているなか、年末には100社に達成する見込みとパートナーシップの強化における数字を報告しました。「今年は新型コロナウイルスの感染拡大で、観光業や国立公園、社会全体に大きな状況の変化がありました。一方で、こういった中でこそ、国立公園としての自然環境の魅力などがあらためて見直される時代になったと考えています。収束を見据えた体制の整備や観光資源の磨き上げなど、さらなる連携の推進に繋がる意見交換会になるよう期待しています」と挨拶しました。

■今年度連携状況の中間報告
国立公園オフィシャルパートナーシッププログラム事務局
パートナーシップを締結している企業や団体と国立公園のマッチング状況として、事務局からは、各企業様の事業と国立公園が持つ資源を掛け合わせ、利用促進やプロモーションなどさまざまな事例が出てきている旨報告を行い、取組が進行中であることを共有しました。

■事例発表
株式会社総合サービス 第一営業部 課長 高橋 眞一 様
『大雪山国立公園 携帯トイレ普及活動』
大雪山国立公園(北海道)の山中にトイレがなく、公園内のトイレも汲み取り式トイレが広大な敷地内で4か所のみである現状の説明にはじまり、登山道以外の場所に散乱する排泄物や、植生を破壊してのトイレ道など、環境保全への問題点に触れた高橋氏からは、同じ北海道に位置する美瑛富士におけるテント型携帯トイレブース設置による効果を報告しました。普及活動の結果、携帯トイレ持参率の増加(2015年32%から2020年76%)、汚物やティッシュなどの散乱が減少した事例を紹介しました。同社の取組事例として、紹介事例を基に大雪山オリジナル携帯トイレの作成、訪日外国人旅行客向けの携帯トイレマナー普及啓発パンフレットなどを国立公園や、携帯トイレ販売店に配布して普及活動を要請している事例を発表し、今後も、全国各地で開催される山岳フォーラムやフェスタ等で、大雪山の環境保全における協力要請をおこない、オフィシャルパートナーの各企業や団体との連携をはかり、国立公園におけるトイレマナーの向上に貢献する意欲を示しました。

東武鉄道株式会社 経営企画本部 課長補佐 杉本 洋輔 様
『日光地域の長期的発展に向けて~環境配慮型・観光MaaSの導入~』
杉本氏からは、日光地域における年間1,100万人の観光需要に対し、日光を世界唯一の歴史文化・伝統と自然が共生する国際エコリゾートへ発展させることを目標とした、ハード面の取組や、交通案内サインの統一化、多言語キャッシュレス化などインバウンド対応、昨今の新型コロナウイルス感染拡大防止対策におけるワーケーション施設の整備などをおこなうことによる地域の価値向上に恒常的に努めている現状を報告しました。課題として、日光へのアクセス手段における交通利用が、マイカーが約7割を占めている現状について共有しました。滞在時間の長期化が、域内消費行動のポイントという考えのもと、マイカーから公共交通機関への転移促進、周辺観光施設への滞在期間長期化、デジタル技術を活用した商品サービスに係る情報のワンストップ化の取組を一体的に推進すべく、プラットホームとなるMaaS(Mobility as a Service)の導入について事例を紹介しました。EVカーシェアリング、EVバス等の導入によるエコモビリティへの利用促進など、日光の長期的発展にとって、環境に配慮したサステナビリティな地域として国立公園を形成していくことが重要、との考えを示しました。

株式会社wondertrunk & co. ディレクター 笠井 大介 様
『国立公園が提供する新しい旅の目的と意義~大山隠岐国立公園での三瓶山グランピングの取組~』
日本の地方を世界の旅行地に変えることを社是とするインバウンド旅行の専門である同社の笠井氏からは、利用者が実際に地域へ訪問するうえで、何が体験でき、どこに宿泊し、何を食べたらよいか、という旅における基本要素を分析に、国立公園での滞在時間の長期化を主眼においたグランピングと、地域のコンテンツとの組み合わせをどのようにプロデュースするかの事例紹介がなされました。実例紹介として、大山隠岐国立公園の三瓶山にある西の原のグランピングを挙げ、2018年当時より、国立公園満喫プロジェクトの一環として、野営場以外の場所でのグランピング事業の可能性を検証していた内容を共有し、安全性の確保や地域の理解に取組、2020年8月1日から11月30日までの約4ヶ月、実際にホテルとして運営をおこなったと報告しました。特徴として、神社など、室内で公演されるのが一般的な伝統芸能“石見神楽”を、アウトドア空間で開催したことで、大自然を背景に伝統文化を一緒に楽しめる体験となったことや、新型コロナウイルスの感染拡大によって公演機会を失っていた伝統芸能を地域の方々が観覧できたこと、出演団体にとっての公演機会になったことが、好評を得たと報告しました。国立公園での宿泊における入浴施設の課題と、その解決方法として循環型シャワーキットを設置することや、運営体制整備などにより、4ヶ月で約650名の利用があったことなどを含めてトライアル内容を紹介しました。その他、環境省が整備した東の原展望テラスを活用した朝日を見ながらの朝食ツアー、EBIKEのレンタルサイクル、健康ウォーキングなどグランピング以外の取組について紹介をおこないました。
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■テーマ別グループトークにおける意見交換会
グループトークでは以下5つのテーマ(全10グループ)に分かれ、それぞれの取組事例や抱えている課題等を交えながら意見交換を行いました。
1.「環境保全活動(生態調査等)の商品化」
2.「上質な滞在スタイル(ガイド、宿泊、食、交通等)の創出」
3.「キャンプ場の改善、グランピングの導入」
4.「ワーケーションの利用促進」
5.「そのほか、自由テーマ」

1.環境保全活動(生態調査等)の商品化
事例紹介の場にて提起された、山岳景観が特徴の国立公園において、携帯トイレの普及に取り組んでいる現状と状況改善における環境保全に関して議論がおこなわれました。具体的なポイントとして、携帯トイレを活用する際に必要となる重要な回収や処分などの問題点が述べられ、設置コストやボランティアへの報酬など課題となる部分、持続していくための仕組みを構築することの必要性がディスカッションされました。また、同テーマの別グループでは、国立公園で見ることのできる野生動物の観光活用を図り、保全と利用の好循環を生むことについて話し合われました。特に、希少な動植物を観光活用するにあたり、発見場所などを知らせることで保全への悪影響がある懸念が提起され、推進する場合、ルール化、ガイドの受け入れ体制などの環境を整備する必要があるといった意見が交わされました。商品化の実例として、参加したメンバーからは、河川の美化活動におけるツアー化や、野生動物の観察モニターツアーなど、それぞれの現状における推進状況が報告されました。環境省との取組事例として、現地のガイドセンターとの協力で、野生動物観光促進事業として野鳥の観察ルールやハンドブックを作成した事例の紹介と、事業に伴うロゴマーク化を実施することで、保全と利用の好循環を期待できる、といった内容が共有されました。

2.上質な滞在スタイル(ガイド、宿泊、食、交通等)の創出
上質な滞在スタイルをテーマとしたグループでは、実現するために、ホテルなど宿泊施設や眺望の良い施設、体験型施設、文化施設など、コンテンツを活かした施設と、それらを繋げる交通網が整備されることで、滞在する利用者の満足度と滞在時間が向上するという認識が共有されたほか、地元の自治体と協力して、廃屋の撤去を実際に推進した事例が紹介されました。また、コンテンツ造成は進んでいても、交通網に課題を感じている国立公園が多く、夜間の移動手段がないこと、車をレンタルできる場所がないこと、インバウンド旅行者に関してはハイヤーを好む傾向もあり、言語や雇用の問題もあるといった具体的な課題が共有されました。解決案として、イベント期間のみのデマンド型交通の導入や、周遊バスを走らせるなど、スモールスタートで実証実験を重ねて常態化していく取組の必要性について、意見交換がおこなわれました。また、別グループでも、上質な滞在スタイルを考える際に、二次交通の不便さにおける問題点が提起されました。地方の国立公園へ鉄道で向かう際のアクセスとして、地方路線では便数も限られ、また鉄道の到着先からさらにバスなど公共交通機関を使うケースが多いものの、居住人口や観光人口が減ることで利用が減り、路線も減る負のスパイラルが起きている現状について、現実的な問題として共有されました。一方で、都市圏・観光地間をヘリコプターを活用して空で繋ぐ革新的なサービスを展開している事例が紹介され、観光地として認知されていない、行きづらかったエリアへの可能性が示されました。

3.キャンプ場の改善、グランピングの導入
キャンプ場の改善とグランピングの導入というテーマにおいて、施設の広さ、設備、レンタル可能な機材や物品の質、予約システムの有無といった課題が共有され、国立公園の特徴であり、魅力でもある景観を活かすために、ハードとソフト面において、静寂や絶景を楽しめる環境整備の必要性について意見が交わされました。周辺のキャンプ場施設との連携やすみ分けなど、差別化を図ることについての意見も活発に交わされ、“グランピング”という単語そのものが示すサービスの幅が広すぎるため、新しい呼称が必要ではないかという点も議論がおこなわれました。

4.ワーケーションの利用促進
ワーケーションの利用促進というテーマにおいて、首都圏からの距離に応じた、ターゲット層へのアプローチと相性について意見が交わされました。ワーケーションの促進状況としては、温泉地において旅館の休憩室をワーケーションエリアとして作り替えた事例のほか、他国の大使館別荘跡を活用し一室でワーケーションができるようにWi-Fi整備した事例、ホテル内にワーケーション用スペースを整備した事例など、ハード面の取組が紹介されました。また、別グループでは、利用者視点における、携帯の電波強度やWi-Fiの整備状況など、通信インフラの重要性について意見が交わされたほか、屋外でもワーケーションやオンラインミーティングが可能な環境の必要性について提起がなされました。一方で、天候に左右されない屋内のワークスペースも必要とされていることなど、環境整備について取組事例が紹介されました。新型コロナウイルス感染症の拡大による影響で、移動自粛が要請されている中、会社の経費でワーケーションを推進しづらいという法人としての課題についても報告がおこなわれました。在宅でのテレワークが長引く現状において、第三の就業場所を探すという行動も増加しうるという内容も共有されました。

5.そのほか、自由テーマ
オフィシャルパートナーシッププログラムの改善点や、メリットについての意見が交わされました。具体的な内容として、予算面以外での双方の努力による協力の強化、民間の知見を活かしたイベントの実施、チラシを作成した際に環境省からコメントを入れるなど、気軽に相談ができるような関係性が構築できることのメリットについて議論されました。

■第1回 意見交換会を終えて
前回(2020年3月23日開催:国立公園×オフィシャルパートナー連携報告会)の開催から約9ヶ月が経ち、緊急事態宣言下による外出自粛、全国のイベント開催中止など、今まで誰も経験したことのない未曾有の事態と、新たな日常がはじまるなか、感染リスクの低い自然の中で過ごすことへのニーズが高まり、改めて今だからこそ国立公園の魅力を伝え、呼びかけていくことの重要性を感じたオンライン意見交換会となりました。開催後のアンケートでは「オフィシャルパートナーの一員として国立公園に関する情報共有の場として有意義な機会を得られた」、「具体的な事業の活用事例や実体験を聞くことができ、勉強になった」など、オフィシャルパートナー企業からのコメントが見られ、事例発表では「自社でも環境への負担を減らす努力を進めたいと考えさせられた」など、企業の積極的な取組に対し、気づきや発見を得られる機会に繋がったと前向きな意見が多く寄せられました。

5つのテーマのグループトークでは「参加している他のオフィシャルパートナー企業と意見を交わす機会を得られて有意義だった」、「各地域が直面している課題、そのなかで企業ができることなど学ぶことができた」など、他社事例や発言のなかで連携方法の模索、パートナー企業同士の連携など、意欲的なコメントが寄せられました。
意見交換会を終え、自社が実践している取組の課題や解決策への気づき、他社事例を受けての取り組みの提案、地域に根差した協力関係の構築など、国立公園の利用促進や活性化について、官民一体となった活発な意見交換ができたことについて、次回開催への期待も高まるコメントが多く寄せられました。

■「国立公園満喫プロジェクト」について

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  ※日本の国立公園

環境省では「明日の日本を支える観光ビジョン」に基づき国立公園満喫プロジェクトを推進しています。
2016年~2020年に実施してきた「国立公園満喫プロジェクト」については、先行的・集中的に取組に進めてきた8国立公園を中心に、受入環境整備や海外への情報発信が進展してきました。国立公園訪日外国人利用者数については2020年までに1000万人を目標にしてきましたが、2019年に667万人まで増加するものの、2020年に発生した新型コロナウイルスの影響により国内外の利用者数が大幅に減少しました。これらの現状や有識者による助言を踏まえ、2020年8月に国立公園満喫プロジェクトの2021年以降の取組方針をとりまとめ、これにより、国立公園満喫プロジェクトを2021年以降も継続的に実施し、新たな展開を図っていくこととしています。

【「国立公園満喫プロジェクト」2021年以降の基本的な方針について】
<基本方針>
1.ウィズコロナ・ポストコロナの時代への対応~ワーケーション等~
  ・国内誘客の強化、地域内観光の受け皿として再構築
  ・ワーケーションなど国立公園の新しい利用価値を提供
  ・コロナ禍での安心、安全で快適に利用できる受入環境整備
  ・多様な利用者層をターゲットにしたコンテンツの充実、情報発信
  ・限定体験やキャパシティコントロールの推進による保護と利用の好循環
2.水平・垂直展開~8公園から全公園へ~
  ・現在8公園で進行しているプロジェクトを全34公園へ展開
  ・「世界水準のデスティネーション」のさらなる高みを目指す取組
  ・先行した8公園の継続的な取組と成果を活かした誘客
  ・国定公園、ロングトレイルの資源の活用、連携
3.これまでの基本的な視点の継続・重視
国立公園の魅力、地域の人々の暮らし、文化、歴史との共生、広域的な視点、サステナビリティなど。
これらの基本的な方針を軸として、自然を満喫できる上質なツーリズムの実現とブランド化を図り、新型コロナウイルスによる影響前の国内外利用者の復活など、複数の目標を掲げ、活動を継続していく予定です。

<「(概要)国立公園満喫プロジェクトの2021年以降の取組方針」 URL>
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【国立公園オフィシャルパートナーシッププログラムについて】
環境省と企業又は団体が相互に協力し、日本が世界に誇る国立公園の美しい景観と、そこで体験することができる四季折々の眺望、国立公園に滞在する魅力を世界と日本に向けて発信することで、国内外の国立公園利用者の拡大と認知度向上を図り、人々の持続可能な環境保全活動への理解を深めるとともに、国立公園の所在する地域の活性化につなげるためのパートナーシッププログラムです。

<国立公園オフィシャルパートナーシッププログラム URL>
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<「国立公園満喫プロジェクト」 URL>
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プレスリリース提供:PR TIMES リンク

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お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。

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