追手門学院大学・宮宇地俊岳准教授が参加する研究チームの成果が、M&Aが行われる際の「のれん」会計処理に関する日本代表意見に採用 -- M&A等に関する日本の国際競争力の是正に期待

追手門学院大学 2021年01月18日 08時05分
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M&A(合併・買収)の際に発生する「のれん」に関して、日本と欧米における会計処理上の違いがかねてより国際的な議論となっており、国際会計基準審議会(IASB)では各国から意見を募集していた。このたび、追手門学院大学(大阪府茨木市、学長:真銅正宏)経営学部の宮宇地俊岳准教授が参加している研究チーム(代表:京都大学経営管理大学院・徳賀芳弘教授)の研究成果が、2020年12月末に日本側がIASBに提出した意見書の根拠として引用された。今回の意見書が認められれば、日本の国際競争力の是正にもつながることが期待される。




 「のれん」とはM&Aで発生するもので、買収額が買収先企業の純資産を上回る額で資産に計上(図表1)される。
 「のれん」の会計処理について、日本では時間の経過とともに価値が減るとの考え方が背景にあり、売上が予測通り回収できない見込みになった場合に資産価値を減らす処理である減損処理とセットで「定期償却+減損処理」という基準を採用している。一方で欧州諸国の国際基準や米国基準では「減損処理のみ」の基準を採用しており、国際的なM&Aでは日本側が不利になることが多くあった。
 定期的に価値を減らさない欧米型の会計基準では、適切なタイミングで適切な金額の減損が入らない問題と相まって「のれん」が膨らむ上に、実態以上に企業価値を高めているという意見もあり、国際機関である国際会計基準審議会(IASB)が改善に向けた国際的な検討を進め、各国から意見を募集していた。


 こうした中、2020年12月28日付で日本証券アナリスト協会がまとめた「定期償却+減損処理」を強く主張する日本側の代表意見が提出された。その根拠として引用されたのが、京都大学経営管理大学院の徳賀芳弘教授らが2019年4月に発表した「のれんの会計処理に関する調査」で、研究チームには追手門学院大学経営学部の宮宇地俊岳准教授(専門・財務会計)も参加している。
 引用された内容は、研究チームが日本国内の企業の財務担当者と利用者である現役アナリスト向けに「のれんの会計処理基準」について行った大規模アンケート調査(対象:経団連加盟企業1379社、非加盟企業1339社、アナリスト673人)の結果の部分となる。
 それによると、回答した企業447社(回答率16.5%)のうち、「定期償却と同じ意味の規則的償却+減損処理」を望ましいと回答したのは73.4%で、回答したアナリスト130人(回答率19.3%)も62.3%が望ましいと回答した(図表2)。
 意見書ではこの結果をもとに、日本として「定期償却+減損処理」を求める意見が多数であるとの主張を展開している。


 宮宇地准教授はこの研究について「徳賀教授を代表として私たちが取り組んできた研究成果が、世界の会計ルールを変える可能性があると考える」と話している。

(参考)
・「のれんの会計処理に関する調査」
 リンク



 公益社団法人 日本証券アナリスト協会HP
・「企業結合-開示、のれん及び減損」について意見書を提出(2020年12月)
 リンク



▼本件に関する問い合わせ先
追手門学院 広報課
谷ノ内・仲西
住所:〒567-0008 大阪府茨木市西安威2-1-15
TEL:072-641-9590


【リリース発信元】 大学プレスセンター リンク

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