ムコ多糖症患者さんのご両親の日々の想いや気持ち、悩みを聞く定量・定性調査を実施

サノフィ株式会社 2020年04月14日 17時00分
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サノフィ株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:岩屋孝彦、以下「サノフィ」)は、希少疾患である「ムコ多糖症」の患者さんとご家族の、同疾患に関するこれまでの行動・心理について確認することを目的として、ムコ多糖症(I型もしくはII型)患者さんの母親または父親を対象に、アンケート(回答者39名)およびインタビュー(回答者6名)による調査を実施しました。

ムコ多糖症(MPS)は、グリコサミノグリカン(ムコ多糖)という成分を体の中で分解する酵素の働きが弱い、あるいは酵素がないために、グリコサミノグリカンが分解できずに体にたまることで、全身にさまざまな症状がみられる病気です。多くは0歳~3歳に発症し、症状は、広範な蒙古斑や頻繁な中耳炎、臍・鼠経ヘルニア、関節の拘縮など、患者さん個々によって様々です。発症頻度は2~5万人に1人※1 と非常に希で、一般の方だけでなく医師の認知率も低いのが現状です。症状には、骨異形成や心臓弁膜症など不可逆的なものもみられる※2 ため、早期に診断が下り、治療を開始できることが、患者さんの予後にとって非常に重要です。

アンケート調査の結果、約8割の患者さんが、確定診断を受けるまでに2施設以上を受診しており、「受診しても『もう少し様子を見ましょう』と、大きな病院を紹介してもらえなかった」「どこかおかしいと思いながらも、適切な診療科が分からなかった」など、確定診断に至るまでのご両親の悩みが浮き彫りとなっています。

また、インタビュー調査からは、治療中の患者さんのご両親の想いとして、「できればもっと早く診断・治療を受けたかった」「症状をまとめて提示できるチェックリストがあれば、もっと早く気づいてもらえたかもしれない」といった声も聞かれており、ムコ多糖症における課題として、疾患の認知向上や、早期診断につなげるための仕組みづくりの重要性が改めて示唆されました。


主な調査結果は以下の通りです。

【定量調査】

1.最初にムコ多糖症の症状が現れたときの年齢は、0歳が31%と最も多く、平均年齢は2.1歳。一方、確定診断時の平均年齢は3.2歳で、発症から確定診断までに平均1年以上の時間差*がみられた。また、約8割の患者さんが、確定診断を受けるまでに2施設以上を受診していた。

2.ムコ多糖症の確定診断を受けて、計82%のご両親が「不安になった」が、治療前後の気持ちの変化としては、計90%が「前向きになった」と回答し、治療への期待が示された。

3.ムコ多糖症によって、ご両親の80%が日常生活に制限を感じている。具体的には「遠出ができない」など症状による活動の制限や、通院のための時間の制限が挙げられた。また、59%のご両親が「周囲の人との間で困ったことがある」と回答。具体的な困りごととしては、治療のための欠席・欠勤等に対する理解が得られない事や、症状に起因するものが挙げられた。

* 本資料では、発症時の平均年齢(2.1歳)と確定診断時の平均年齢(3.2歳)の差(1.1年)で以って、「平均1年以上の時間差」としております。

【定性調査】

1.確定診断前のご両親の気持ちとして、お子さんの症状に違和感を抱えながらも、適切な診療科が分からなかったり、ムコ多糖症の疑いにたどり着けなかったりと、悶々とした時間を過ごされている。

2.確定診断後、治療を受けている患者さんのご両親の気持ちとして、「できればもっと早く診断をしてもらい、もっと早く治療を開始したかった」といった声が聞かれ、早期診断・早期治療を促進する仕組みづくりの重要性が改めて示唆された。

3.ご両親の主なニーズや困りごととしては、「治療をしながらどう暮らしていくか」「きょうだい児のケア」などが挙げられた。

※ 調査結果の詳細は、サノフィのプレスリリースページから、本リリース4ページ目以降の「別紙1」をご参照ください。
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本調査の実施にあたりご協力頂いた、国立成育医療研究センター 臨床検査部 統括部長/ライソゾーム病センター センター長 奥山 虎之 先生は、次のように述べられています。

「ご両親が違和感に気づいても、医師から『もう少し様子を見ましょう』と言われることはよくあります。このような希少疾患については、『もしや?』と思ったときは、全身に現れる症状を医師に伝え、親のほうからムコ多糖症の病名を挙げてみてもよいでしょう。ムコ多糖症にかかる確率はとても低く、大半の方にとっては縁のない病気です。ですが、希少な疾患だからこそ、ムコ多糖症のことを広く皆様に知っていただくことで、周りの方の理解や、早期発見・早期治療につながれば、と願っています」

今回の調査結果を受け、サノフィは、早期診断の促進を目的に、奥山先生の監修のもと、ムコ多糖症の疑いを確認・医師に提示できるチェックリストを新たに作成しました。リストは、サノフィの疾患啓発サイト「ライソライフ( リンク )にてご覧いただけます。

このほか、サノフィは、患者サポートプログラム「てとて」にて、ムコ多糖症などライソゾーム病の患者さんや周囲の方に向けた「情報ナビゲーションサポート」「心理的サポート」「患者-医療従事者コミュニケーションサポート」「患者-学校/会社等コミュニケーションサポート」の4つのサポートを提供しております。詳細は、「てとての窓口( リンク )」をご参照ください。

サノフィは今後も、疾患啓発や情報提供等を通じて、ムコ多糖症の早期診断・早期治療の重要性をお伝えするとともに、疾患に対する周囲の方々の理解を促進することで、ムコ多糖症と向き合う皆様のQOL(生活の質)の向上に貢献してまいります。

以上


■ムコ多糖症(MPS)について
ムコ多糖症は7つの病型を含む疾患群の総称で、体内のムコ多糖を分解する「ライソゾーム酵素」が欠損することにより、全身の細胞にムコ多糖が蓄積し、全身に様々な症状が現れる先天代謝異常症です。MPSにはI型、II型、III型、IV型、VI、VII型、IX型の7つの病型があり、発症頻度は、世界では2~5万人に1人程度、日本では約5.9万人に1人程度※1と非常に希な疾患です。

MPSに共通する症状として、関節拘縮、骨格変形、低身長、特徴的顔貌、巨舌、厚い皮膚、多毛、気道狭窄、反復性呼吸器感染、難聴、心臓弁膜症、肝脾腫、臍・鼠径ヘルニア、中枢神経障害などがあります※3。

MPSの症状の中には、骨異形成や心臓弁膜症など、不可逆的なものも報告されており※2、早期に診断が下り、早期に治療を開始できることが、患者さんの予後にとって非常に重要です。

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参考文献等
1. 折居忠夫. ムコ多糖症UPDATE. 株式会社イーエヌメディックス. 2011.12
2. Mol Genet Metab. 2013 Mar;108(3):172-7. doi: 10.1016/j.ymgme.2012.12.010. Epub 2013 Jan 9.
3 厚生労働省難治性疾患等政策研究事業(難治性疾患政策研究事業) ライソゾーム病(ファブリー病含む)に関する調査研究班 ライソゾーム病に関して ムコ多糖症 リンク


■サノフィについて
サノフィは、健康上の課題に立ち向かう人々を支えます。私たちは、人々の健康にフォーカスしたグローバルなバイオ医薬品企業として、ワクチンで人々を守り、革新的な医薬品で痛みや苦しみを和らげます。希少疾患をもつ少数の人々から、慢性疾患をもつ何百万もの人々まで、寄り添い支え続けます。

サノフィでは、100カ国において10万人以上の社員が、革新的な医科学研究に基づいたヘルスケア・ソリューションの創出に、世界中で取り組んでいます。
サノフィは、「Empowering Life」のスローガンの下、ヘルスジャーニー・パートナーとして人々を支えます。
日本法人であるサノフィ株式会社の詳細は、リンク をご参照ください。

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