ポイント還元制度後、キャッシュレス決済割合は8.3ポイント上昇 利用率伸びた電子マネー・QRコード、カード利用率は変化なし-日用消費財の購買ログデータ分析で判明-



株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:檜垣 歩、以下インテージ)は、ポイント還元制度開始に伴うキャッシュレス決済の利用実態の変化を、日々の買い物行動ログデータSCI(R)(全国消費者パネル調査)を使い明らかにした結果をご紹介します。

[ポイント]


日用消費財の買い物回数に占めるキャッシュレス決済比率、還元制度導入後8.3ポイント上昇(45.1%→53.4%)-キャッシュレス決済利用者数、利用頻度とも伸長
還元制度導入後、利用率が最も伸びた決済手段はQRコード(10.1%→17.4%)。電子マネーも4.8ポイント上昇、変化なかったカード(クレジット・デビット)の利用率(43%)に迫る勢い
還元制度導入後、キャッシュレス決済比率がさらに進んだコンビニ、駅売店(約7割)
コンビニでは、電子マネー決済、QRコード決済とも利用比率が他のチャネルと比べても高い


[画像1: リンク ]


2019年10月から開始された、キャッシュレス決済によるポイント還元の制度。消費税増税による消費の冷え込み緩和と、韓国や中国などに比べて低い日本のキャッシュレス比率を高める狙いで導入されたこの制度ですが、実際、制度の導入でキャッシュレス化はどれくらい進んでいるのしょうか。

日用消費財の買い物回数に占めるキャッシュレス決済比率、還元制度導入後8.3ポイント上昇(45.1%→53.4%)
・キャッシュレス決済利用者数、利用頻度とも伸長(週1以上利用者の割合:65.8%→72.2%、 1週間の買い物回数における利用割合:58.9%→64.4%)
はじめに、ポイント還元制度の前後で日常の消費財の買い物※1における店頭でのキャッシュレス決済※2の割合がどのくらい増えたのかを見てみましょう。ここでは、決済を行う機会のうち、どれだけキャッシュレス決済が行われたのかを見るため、買い物回数のデータを使用しました。
(※1 買い物データの対象品目:食品…生鮮・惣菜・弁当は除く、飲料、日用雑貨品、化粧品、医薬品  ※2 現金・商品券以外での決済)

1か月の全買い物回数におけるキャッシュレス決済の割合は、導入前の8月時点の45.1%から8.3ポイント増え、53.4%となっていました(図表1)。

図表1
[画像2: リンク ]

この結果を、「キャッシュレス決済を利用した人の数」「キャッシュレス決済を利用した頻度」という視点で掘り下げてみましょう。図表2は、ポイント還元制度導入前後における、キャッシュレス決済の利用実態を比較したものです。

図表2
[画像3: リンク ]

1週間に1度以上、日常の消費財の買い物においてキャッシュレス決済を行った人の割合は、制度導入前の8月時点の65.8%から6.4ポイント増え、72.2%となりました。また、キャッシュレス決済利用者の利用頻度(利用者あたりの、全買い物におけるキャッシュレス決済の回数の割合)は、制度導入前の58.9%から5.5ポイント増え、64.4%に。
ポイント還元制度導入後のキャッシュレス決済比率の伸びは、キャッシュレス決済の利用者数、利用者の利用頻度がともに伸びた結果であることがわかります。

還元制度導入後、利用率が最も伸びた決済手段はQRコード(10.1%→17.4%)。電子マネーも4.8ポイント上昇、変化なかったカード(クレジット・デビット)の利用率(43%)に迫る勢い
ポイント還元制度導入後、PayPay、LINE Pay、d払いをはじめとするスマホのQR決済サービス各社や、電子マネーのSuicaもさまざま還元キャンペーンを実施していますが、決済手段ごとの利用率に変化はあったのでしょうか。

図表3
[画像4: リンク ]

最も伸びが目立つのがQRコード決済でした。8月の段階では1週間での利用率は10.1%でしたが、7.3ポイント増え、17.4%となっています。電子マネーでの決済も約5ポイントの増加が見られ、変化がなかったカード(クレジット・デビット)の利用率(43%)に迫る勢いであることもわかりました(図表3)。

また結果的に、普段の買い物におけるQRコード決済の割合は制度導入前の4.2%から、導入後7.6%に、電子マネー決済の割合は16.7%から20.8%にまで上昇したことも明らかになりました(図表4)。

図表4
[画像5: リンク ]

・還元制度導入後、キャッシュレス決済比率がさらに進んだコンビニ、駅売店(約7割)
・コンビニでは、電子マネー決済、QRコード決済とも利用比率が他のチャネルのと比べても高い
次に、チャネル別にキャッシュレス決済比率を見てみると(図表5)、もともとキャッシュレス化が進んでいたコンビニエンスストアや駅売店で、さらに利用が進んだことがわかります。

図表5
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また、決済手段別に見てみると(図表6)、コンビニエンスストアは今回伸びが見られた電子マネー決済、QRコード決済ともに他のチャネルと比べても比率が高く、さまざまな手段で決済されていることがわかります。

図表6
[画像7: リンク ]

コンビニエンスストアはキャッシュレス決済の手段が整っていて、多くの店舗がポイント還元制度の対象となっていることで、いち早くキャッシュレス化が進んでいる様子です。他のチャネルにおいてキャッシュレス決済手段の浸透が今後どれだけ進んでいくのか、動向が注目されます。

2020年9月から予定されているマイナンバーカードによるポイント還元制度導入や、2020年10月までに完了するとされているLINEとYahooの経営統合と、キャッシュレス決済を取り巻く環境の変化が続いていくことが予想されます。インテージでは今後もその動向を追っていきます。


ここにご紹介しきれなかったデータ(生活者アンケートからの「キャッシュレス決済利用意向とその理由」「現金決済・.QRコード決済に対するイメージ」など)を含む記事を、インテージのオウンド・メディア「Intage 知る gallery」(リンク) で公開しています。
あわせてご参照ください⇒ リンク

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使用したデータ
【SCI(R)(全国消費者パネル調査)】 リンク
全国15歳~69歳の男女50,000人の消費者から継続的に収集している日々の買い物データです。食品、飲料、日用雑貨品、化粧品、医薬品、タバコなど、バーコードが付与された商品について、「誰が・いつ・どこで・何を・いくつ・いくらで、購入したのか」という消費者の購買状況を知ることができます。
※SCIでは、統計的な処理を行っており、調査モニター個人を特定できる情報は一切公開しておりません。

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【株式会社インテージ】 リンク
株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:檜垣 歩)は、「Create Consumer-centric Values ~お客様企業のマーケティングに寄り添い、共に生活者の幸せを実現する」を事業ビジョンとして掲げ、さまざまな業界のお客様企業のマーケティングに寄り添うパートナーとして、共に生活者の幸せに貢献することを目指します。生活者の暮らしや想いを理解するための情報基盤をもって、お客様企業が保有するデータをアクティベーション(活用価値を拡張)することで、生活者視点に立ったマーケティングの実現を支援してまいります。

【報道機関からのお問い合わせ先】
■株式会社インテージ 広報担当:西澤
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プレスリリース提供:PR TIMES リンク

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