15億元の産業FOFを立ち上げ、成長する大湾岸圏の新興産業向けに

15億元の産業FOFを立ち上げ、成長する大湾岸圏の新興産業向けに

AsiaNet 76799 （2354）

【東莞（中国）2018年12月17日新華社＝共同通信JBN】World Dongguan Entrepreneurs Convention 2018に合わせ、World Dongguan Entrepreneurs Capital Summitが12月14日に開催され、世界中から多くの専門家、研究者、機関投資家、実業家を呼び集めた。このイベントで、彼らは産業投資と資金調達に焦点を合わせ、広東・香港・マカオ大湾岸圏（Guangdong-Hong Kong-Macao Greater Bay Area）の構築によってもたらされるコーペティション（協力・競合）の機会について意見を交換した。このサミットでは、産業の合併吸収のための15億元規模のFOF（ファンド・オブ・ファンズ）が立ち上げられ、東莞の民間部門が過半数を出資する。この投資は大量消費、フィンテック、スマート製造などの分野に向けられる。

大湾岸圏の構築は順調に動き出しており、Guangzhou-Shenzhen Science and Technology Innovation Corridor（広州・深セン科学技術イノベーション回廊）の進展も同様である。こうしたことから、東莞市は珠江の東岸と西岸の半時間経済圏を集結する中核として次第に浮上してきている。世界の投資家は、特に同市の重要な地理的位置と強固な産業基盤の相乗効果により、同市の発展可能性に楽観的である。

東莞は、かつては量志向の開発の道を進み、広大な土地を占め、大量の安価な労働力を使い果たしていたと、Dongguan Investment Group Co., Ltd.のイン・ホンウェイ社長は語った。しかし、同市は現在、継続的なイノベーションと最先端の技術を通じ、より質志向の方法で開発をアップグレードし、強化している。

企業が自らをアップグレードする際には緩和的な金融状況、支援産業、外部の推進力が極めて重要であると、専門家は理解している。この事実を踏まえ、昨年8月、東莞を拠点とする150以上の企業が協力し、初期登録資本金100億元（14億5000万米ドル）でDongguan Investment Groupを創設した。この動きは、裕福な民間部門が新興産業においてプレゼンスの拡大を目指していることを示す

メディアのインタビューの中で、東莞の肖亜非市長は、Dongguan Investment Groupが同市の産業への投資の包括的計画を立て、東莞の起業家からの資本をプールする際には、民間資本の実用的プラットフォームとしての役割を果たすように奨励した。

同様に、東莞の企業は大湾岸圏によって創出された機会を見つけてきた。その証拠は、2016年に東莞市政府、World Dongguan Entrepreneurs Federationおよび清華大学（Tsinghua University）のDongguan Innovation Centerによって設定されたファンドである。戦略的に、このファンドはインテリジェント設備、情報エレクトロニクス、環境保全、新エネルギー、新素材を含む新興産業に充てられる。

この会議の調印式で、インターネット・オブ・シングス（IoT）、最先端の通信テクノロジー、インテリジェント端末、新エネルギー、ハイエンド機器、その他の戦略的新興産業に重点を置くChangping Guanrui United Network Smart Valleyプロジェクトが大きな注目を集めた。IoT、インターネット・オブ・インテリジェンス、自動車ネットワーキングに関するプロジェクトを導入することにより、Smart Valleyは最先端の技術イノベーションを備えた統合ネットワークになり、東莞の、さらには大湾岸圏の包括的なサービスセンターとなる見通しである。

イン氏は「全体的な産業パターンに応じて金融サービスを提供しながら、資金的な見地から産業を育成しなくてはならない」と述べた。産業と金融のバランスを取り、Dongguan Investment Groupは既に金融サービスの事業拡大と産業、主要プロジェクトおよび株式への投資を優先している。金融面での支援提供に加え、同グループは、企業が互恵協力に向けて経営、販売チャネル拡大、産業チェーン支援を新たな高みに引き上げることにより自らをアップグレードしようとする取り組みに刺激を与える助けとなる。

ソース：The World Dongguan Entrepreneurs Federation