国文学研究資料館と凸版印刷、日本文化の多様性や魅力をデジタルコンテンツで再創造し発信する共創プロジェクトを開始

国文学研究資料館が所蔵する資料を高精度デジタル撮影によりアーカイブ化、VRやARなどデジタルコンテンツを用いて広く情報発信するプロジェクトの推進に合意

 大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 国文学研究資料館(所在地:東京都立川市、館長:ロバート キャンベル、以下 国文学研究資料館)と凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子眞吾、以下 凸版印刷)は、国文学研究資料館が所蔵する日本文化に関する幅広い分野の資料をデジタル化し、そのデジタルデータを活用して日本文化の多様性と魅力を広く一般に発信するプロジェクトの推進に合意。2018年10月15日より本格的に活動を開始し、本プロジェクトの第一弾として、同日から国文学研究資料館にて開催中の特別展示「祈りと救いの中世」にて、共同開発したデジタルコンテンツを展示するほか、同コンテンツは2018年11月3日(土・祝)に国文学研究資料館が主催する「平成30年度『古典の日』講演会」でも活用します。



 
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■ 本プロジェクト実施の背景
 国文学研究資料館では、近世・近代を中心とした和書や屏風・絵巻物などの絵画資料を約17,600点及び歴史資料を約52万点収蔵。その分野は文学だけに留まらず、歴史や美術、観光など多岐にわたっています。近年、所蔵資料のデジタルアーカイブを進めていますが、おもに情報公開を目的としたものであり、デジタル化した資料の利活用という点で、新しい取り組みが求められていました。
 凸版印刷は、文化財のデジタル化やその可視化手法として、VRコンテンツの制作など文化財のデジタルアーカイブとそのデータの利活用について数多くの実績があります。
 このたび、国文学研究資料館が持つ学術的知見と、凸版印刷が開発した大型オルソスキャナー(※1)などを用いた高精細デジタルアーカイブ技術を融合。同館の所蔵資料について、VR、ARなどの新しいデジタル表現を用いた情報公開の実現を目指し、本プロジェクトの推進に合意しました。


■ 本プロジェクトの具体的な取り組み例
(1) 和歌や物語に込められた世界観を現代に生きる価値として再創造するデジタルコンテンツの開発
国文学研究資料館が所蔵する和歌や物語などの原本を、現代語に置き換えるだけではなく、現代人に直接訴えるコンテンツを創出。第一弾として、扇面と和歌を組み合わせた作品「扇の草紙」を、歌意だけではなくその背景にある日本文化まで含めたコンテンツ化を、2020年を目標に実現させます。

(2) デジタルコンテンツの活用・公開
国文学研究資料館が行う研究成果を凸版印刷の文化財デジタル化技術で可視化・コンテンツ化し、展覧会やWebサイトなどにて公開します。第一弾として、『紫式部聖像』(石山寺所蔵)をテーマとした高精細画像・X線画像を拡大表示するコンテンツを開発。2018年10月15日(月)から12月15日(土)まで国文学研究資料館にて開催する特別展示「祈りと救いの中世」に展示するほか、2018年11月3日(土・祝)に国文学研究資料館が主催する「平成30年度『古典の日』講演会」においても使用します。

(3) デジタルコンテンツを用いた展示・イベントの実施
コンテンツを用いた展示・イベント「デジタル発 和書の旅」を実施。シリーズ化し、順次開催していきます。

第1回:「ひるがえる和歌たち-扇と翻訳で古都にあそぶ-」
(京都・有斐斎弘道館にて2018年12月9日(日)開催予定)
室町期に流布した和歌と絵画を交えた資料「扇の草紙」をテーマに和歌の魅力を紹介します。
事前申込制(参加申し込みURL:event@nijl.ac.jp)

第2回:「西国三十三札所の今昔(仮)」
(NIPPON GALLERY TABIDO MARUNOUCHIにて2019年2月上旬開催予定)
清水寺などを含む西国三十三札所をテーマとしたトークイベントを開催。国文学研究資料館所蔵の『西国順礼道中細見大全』等を高精細アーカイブし、使用予定。


■ 今後の目標
 国文学研究資料館と凸版印刷は今後、同館が所蔵する資料の高精細デジタルアーカイブ化を推進するとともに、最新のデジタル表現技術を用いた公開手法について検討。まずはデジタルコンテンツ開発から着手していく予定です。また両者は本プロジェクトを通じ、日本文化の多様性と魅力を発信するとともに、地域創生・観光促進などの発展に貢献していきます。


■ 凸版印刷のデジタルアーカイブについて
 凸版印刷では人類のかけがえのない資産である文化財の姿を後世へ継承するため、印刷テクノロジーで培った色彩を管理する技術と高精細画像データ処理技術、形状をデジタル化する立体形状計測技術を核に、より精確なデジタルアーカイブを行うため、文化財専用の大型オルソスキャナーを開発するなど、技術開発を積極的に進めています。これまでに、国宝「鑑真和上坐像」(唐招提寺所蔵)、国宝「檜図屏風」(東京国立博物館所蔵)など、国内外の数々の貴重な文化財のデジタルアーカイブに取り組んでいます。さらに、国宝「洛中洛外図屛風」(東京国立博物館所蔵)や重要文化財「東征伝絵巻」(唐招提寺所蔵)など文化財の高品位複製やVR作品の製作など、デジタルアーカイブデータのさまざまな表現手法の開発を推進しています。
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※1 大型オルソスキャナー
一般的なデジタルカメラで撮影した画像を使った文化財のデジタル化では、被写体の位置により取得される像が異なるほか、距離や形状の凹凸により像の大きさが変化し遠近感が生じてしまう課題がありました。本スキャナーは、特殊なレンズ(テレセントリックレンズ)を用いることで正射投影を実現。被写体と光学系の距離が変化しても像の大きさは変化せず、得られた画像からは文化財の精確な形や大きさを知ることができます。


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以  上

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