2018年 中堅・中小企業における「BI・帳票」の導入社数シェアと課題/ニーズ

ノークリサーチは中堅・中小企業におけるBIと帳票の導入社数シェアと課題/ニーズに関する調査を行い、その分析結果を発表した。

<「分析したデータの視覚化」という切り口で国産ベンダが導入社数シェアを伸ばす好機>
■BIの導入社数シェアにおける経年変化では外資系ベンダが減少し、国産ベンダが増加
■「機能拡充」と「価格抑制」の両立が不可欠、ベンダによるパートナの支援や教育も重要
■「手軽なデータ分析」に加えて、今後は「分析した結果をどう表現するか」が差別化要因

PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2018年10月25日

2018年 中堅・中小企業における「BI・帳票」の導入社数シェアと課題/ニーズ

調査設計/分析/執筆: 岩上由高


ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705:代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5244-6691URL:http//www.norkresearch.co.jp)は中堅・中小企業におけるBIと帳票の導入社数シェアと課題/ニーズに関する調査を行い、その分析結果を発表した。本リリースは「2018年版 中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」の「BI・帳票」カテゴリにおけるサンプル/ダイジェストである。

<「分析したデータの視覚化」という切り口で国産ベンダが導入社数シェアを伸ばす好機>
■BIの導入社数シェアにおける経年変化では外資系ベンダが減少し、国産ベンダが増加
■「機能拡充」と「価格抑制」の両立が不可欠、ベンダによるパートナの支援や教育も重要
■「手軽なデータ分析」に加えて、今後は「分析した結果をどう表現するか」が差別化要因


対象企業: 年商500億円未満の中堅・中小企業1300社(日本全国、全業種)(有効回答件数)
対象職責: 情報システムの導入や運用/管理または製品/サービスの選定/決済の権限を有する職責
※調査対象の詳しい情報については右記URLを参照
リンク


■BIの導入社数シェアにおける経年変化では外資系ベンダが減少し、国産ベンダが増加
本リリースの元となる調査レポートでは1300社のユーザ企業に対して、10分野に渡る業務アプリケーションのシェアと評価を集計/分析している。本リリースではその中から「BI・帳票」に関する結果の一部をサンプル/ダイジェストとして紹介している。
以下のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業全体における「BI」の主要な製品/サービスの導入社数シェアを2017年と2018年で比較したものだ。
中堅・中小企業ではIT関連予算も限られるため、データ集計/分析のために専用のアプリケーションを導入することが難しいケースも少なくない。その結果、「Microsoft Office製品を利用」(実質的に「Microsoft Excel」)の回答割合が高くなっている。
2017年から2018年にかけて「Microsoft Office製品を利用」は減少したが「SAP Business Objects」、「IBM Cognos」、「OracleBusiness Intelligence」といった以前から存在する外資系BIパッケージの導入社数シェアも減少している。一方で、「Dr.SumEA」は導入社数シェアを伸ばしており、「Microsoft Office製品を利用」との差を1ポイントまで縮めている。また全体に占める導入社数シェアはまだ少ないが、「QlikView/QlikSense」や「Actionista!」のようにDWH(データウェアハウス)を構築することなく、直感的/視覚的にデータ集計/分析を行えるツールも導入社数シェアを伸ばしてきている。 このように、中堅・中小企業のBI製品/サービス導入ではMicrosoft Excelを利用するケースが依然として最も多いものの、以前から存在していた外資系ベンダが減少し、国産ベンダが増加しつつある状況となっている。次頁以降では「BI・帳票」市場に関するその他の分析結果の一部を紹介している。


■「機能拡充」と「価格抑制」の両立が不可欠、ベンダによるパートナの支援や教育も重要
前頁に述べた導入社数シェアの変動要因を知る手がかりとなるのが、「導入背景」である。本リリースの元となる調査レポートでは「BI・帳票」製品/サービスの導入背景を以下のような選択肢で尋ね、「機能」「価格」「保守/サポート」「提案力/開発力」などの観点から、ユーザ企業が肯定的または否定的に評価している点は何か?に関する分析を行っている。

<<肯定的/積極的な導入経緯>>
機能がニーズに合致している
価格がニーズに合致している
開発元(ベンダ)の保守/サポートが優れている
販売元(販社/SIer)の保守/サポートが優れている
開発元(ベンダ)の提案力/開発力が優れている
販売元(販社/SIer)の提案力/開発力が優れている

<<否定的/消極的な導入経緯>>
機能がニーズに合致していないが、継続利用している
価格がニーズに合致していないが、継続利用している
開発元(ベンダ)の保守/サポートに不満があるが、継続利用している
販売元(販社/SIer)の保守/サポートに不満があるが、継続利用している
開発元(ベンダ)の提案力/開発力に不満があるが、継続利用している
販売元(販社/SIer)の提案力/開発力に不満があるが、継続利用している

以下のグラフは上記に列挙した「導入背景」に関する項目から、「価格」と「機能」に関する肯定的な項目ならびに「販売元の保守/サポートと提案力/開発力」に対する否定的な項目を抜粋し、中堅・中小企業全体における2017年から2018年にかけての経年変化を集計したものである。
2017年から2018年にかけての変化を見ると、「機能がニーズに合致している」や「価格がニーズに合致している」の回答割合が高くなっている。逆に言えば、機能や価格に不満を抱える製品/サービスは導入社数シェアを失ったことになる。 とくに価格については変化幅が大きい点に注意が必要だ。冒頭のグラフからもわかるように BI分野で導入社数シェアが減少した製品/サービスはいずれも中堅・中小企業にとって価格が高いイメージの外資系ベンダが多い。そのため、今後も機能面の充実と価格面の抑制を両立させることが導入社数シェアの維持/拡大においては重要と考えられる。
一方で、全体に占める割合はそれほど大きくないが、「販売元(販社/SIer)の提案力/開発力に不満があるが、継続利用している」の割合が2017年から2018年にかけて高くなっている点にも留意しておく必要がある。データ活用への期待が高まるにつれて、BI・帳票の導入提案においては、データ集計/分析の最新手法を把握し、ユーザ企業のビジネスを理解する能力が求められるようになってきている。そのため、ユーザ企業から見た時は「販売元の提案力や開発力が不足している」と映ってしまう場面が生じやすくなっている。BI・帳票の製品/サービスを開発/販売するベンダとしては、製品/サービスの改善/強化と並行して、パートナである販社/SIerの支援や教育にも注力していくことが大切となってくる。
ここでは「導入背景」の中から一部の項目を抜粋した集計結果を元にポイントを述べたが、調査レポートには上記に列挙した全ての項目の経年変化データや年商や業種といった企業属性を軸とした集計データが含まれる。


■「手軽なデータ分析」に加えて、今後は「分析した結果をどう表現するか」が差別化要因
さらに、本リリースの元となる調査レポートでは導入済みの最も主要な「BI・帳票」製品/サービスに関して「今後持つべき機能や特徴」を様々な観点から尋ね、「BI・帳票」を開発/販売するベンダや販社/SIerが今後どのような機能を充実させていくべきか?に関する分析と提言を行っている。

「今後持つべき機能や特徴」を尋ねた設問における選択肢
<<集計/分析の手法に関する項目>>
どのような軸で分析すべきかを視覚的に提示してくれる※1
データウェアハウスを構築せずに集計/分析を行える※2
様々な業務システムデータを集計/分析の対象にできる
インターネット上のデータを集計/分析の対象にできる
<<社員が利用するツールに関する項目>>
クラウドサービスと連携してPC内のデータを集計/分析できる
Microsoft Excelを操作画面に用いて一般社員も手軽に利用できる
独自に開発されたツールによって一般社員も手軽に利用できる
分析の結果をストーリー仕立てのプレゼンテーションに整形できる※3
<<集計/分析の対象データに関する項目>>
業務システムにどのようなデータがあるかを検索することができる
業務システムからデータを抽出し、書式の変換を行うことができる
<<帳票に関する項目>>
帳票画面を操作して動的な表現を行うことができる※4
紙面での帳票書式を忠実に再現することができる
作成した帳票のアクセス権管理を行うことができる
作成した帳票の版管理を行うことができる
帳票の中に入力チェックなどのロジックを埋め込める
<<クラウドに関連する項目>>
パッケージとクラウドを選択/併用できる
様々なクラウドサービスと連携できる
<<クライアント環境に関連する項目>>
スマートデバイスに適した画面が用意されている
Webブラウザで大半の機能が利用できる
<<その他>>
導入や保守サポートの費用が安価である
バージョンアップの費用が安価である
以下のグラフは上記に列挙された今後の機能ニーズの中から、※1、※2、※3、※4に関する中堅・中小企業全体の経年変化を集計したものだ。
「どのような軸で分析すべきかを視覚的に提示してくれる」や「データウェアハウスを構築せずに集計/分析を行える」といったように、データを手軽に分析することに対するニーズが依然として高いことがわかる。 一方、経年変化における伸びという点では、「分析の結果をストーリー仕立てのプレゼンテーションに整形できる」や「帳票画面を操作して動的な表現を行うことができる」といったニーズにも注目しておく必要がある。今後は「手軽にデータ分析が行える」ことに加え、「分析した結果をどのように表現するか?」も重要となってくる。
ここでは一部のニーズ項目に関する結果を抜粋したが、調査レポートでは上記に列挙された全ての項目に関する経年変化や年商別の集計結果を詳しく分析している。


補記:「製品/サービスの選択肢一覧」と「課題に関する設問項目」

以下に列挙したものは、本リリースの元となる調査レポートの中で選択肢に記載した「BI・帳票」製品/サービスの一覧である。
選択肢に掲載される製品/サービスは過去の調査結果や最新の市場状況に基づいて選定され、前年の調査で自由回答の中から多く挙げられたものは選択肢として新たに取り上げ、逆に一定期間以上シェア数値がない場合には割愛するといった形で年毎に調整を行っている。
製品名 メーカ名
<<BI>>
Dr.Sum EA  ウイングアーク1st
MotionBoard ウイングアーク1st
SAP Business Objects SAPジャパン
SAP Sybase IQ SAPジャパン
Oracle Business Intelligence 日本オラクル
IBM Cognos 日本IBM
SAS Business Intelligence SAS Institute Japan
TIBCO Spotfire 日本ティブコソフトウェア
BusinessSPECTRE 電通国際情報サービス
QlikView/QlikSense クリックテック・ジャパン
Actionista! ジャストシステム
MicroStrategy  マイクロストラテジー
WebFOCUS アシスト
ADVIZOR エー・エス・ジェイ
Open Text Business Intelligence(旧:BI Query) OpenText、サムライズ
DataNature エヌジェーケー
Tableauシリーズ タブローソフトウェア
データスタジオ@WEB DTS
Yellowfin Yellowfin Japan
Excellent システムコンサルタント
GRIDY BI / ナレッジスイート ナレッジスイート
DataKnowledge クロスユーアイエス
PowerFolder エイコット
WebQuery システムコンサルタント
WebReport JBCC
軽技Web 富士電機
ACTUATE BIRTシリーズ オープンテキスト(アクチュエイトジャパン)
Eclipse BIRT(オープンソース) オープンテキスト(アクチュエイトジャパン)
Pentahoシリーズ(オープンソース) Pentaho
Jaspersoft BIシリーズ(オープンソース) Jaspersoft
Microsoft SQL Server (RDBのみの利用は除く) 日本マイクロソフト
Microsoft Office製品を利用 日本マイクロソフト
<<帳票>>
SVF ウイングアーク1st
SAP Crystal Reports SAPジャパン
biz-Stream ブレインセラーズ・ドットコム
OPRO Xシリーズ 日本オプロ
imageWAREシリーズ キヤノン(キヤノンマーケティングジャパン)
Report Viewer Ⅱ キヤノン(キヤノンマーケティングジャパン)
Interstage List Creator 富士通
RepoAgent 富士通北陸システムズ
BIP10 PFU
FiBridgeⅡ JFEシステムズ
快速サーチャー インテック
活文 Report Manager 日立ソリューションズ
NEOSS インフォコム
Create!Form インフォテック・アーキテクツ
シーオーリポーツ エイチ・オー・エス
PrintProシリーズ JBアドバンスト・テクノロジー
伝発名人.NET ユーザックシステム
PrintStream Core オープンストリーム
帳票DASH! / XRF ユニリタ(ビーエスピー)
伝助 ヘキサード
Pandora-AX NTTデータビジネスブレインズ
<<その他>>
ハードウェアとソフトウェアが一体となったアプライアンス
上記以外のパッケージ製品またはサービス
独自開発システム(オープンソースをベースとしたもの)
独自開発システム(完全なスクラッチ開発)
冒頭のグラフでは上記の中から一部の「BI」製品/サービスの中堅・中小企業全体における導入社数シェアを掲載している。
調査レポートには上記に列挙された「BI」と「帳票」の全ての製品/サービスのシェアを年商別や業種別に集計したデータが含まれる。
さらに、本リリースの元となる調査レポートでは、導入済みの最も主要な「BI・帳票」製品/サービスに関して「現時点で抱えている課題」を様々な観点から尋ね、「BI・帳票」を開発/販売するベンダや販社/SIerがどのような改善策を講じていくべきか?に関する分析と提言も行っている。

「現状で抱えている課題」を尋ねた設問における選択肢
<<集計/分析の手法に関する項目>>
どのような指標(KPI)を指定すべきか判断できない
どのような軸で分析すれば良いか判断できない
集計/分析に必要な社内の業務システムデータを取得できない
集計/分析に必要な統計データ(人口動態など)を取得できない
<<社員が利用するツールに関する項目>>
社員が利用する個々のPC内のデータを有効活用できていない
ツールの使い方が難しく、一般の社員が習得できない
<<集計/分析の対象データに関する項目>>
集計/分析の対象としたいデータの所在が不明である
集計/分析のためにデータを変換することができない
業務システムからデータを抽出することができない
集計/分析するデータの書式が統一されていない
<<帳票に関する項目>>
動きのある訴求効果の高い帳票を作成できない
紙面での書式をそのまま再現することができない
作成した帳票の閲覧を特定の社員に限定できない
作成した帳票の版管理を行うことができない
入力チェックなどのロジックを帳票に埋め込めない
<<クラウドに関連する項目>>
パッケージとクラウドを選択/併用できない
クラウドサービスと連携することができない
<<クライアント環境に関連する項目>>
スマートデバイスに適した画面が備わっていない
Webブラウザでは限られた機能しか利用できない
<<その他>>
導入や保守サポートの費用が高価である
バージョンアップの費用が高価である


本リリースの元となる調査レポート

『2018年版 中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート』
10分野の業務アプリケーション(ERP、会計管理、生産管理、販売・仕入・在庫管理、給与・人事・勤怠・就業管理、ワークフロー、グループウェア、CRM、BI・帳票、文書管理・オンラインストレージサービス)のシェアと評価を網羅
【対象企業属性】(有効回答件数:1300社)
年商: 5億円未満 / 5億円以上~10億円未満 / 10億円以上~20億円未満 / 20億円以上~50億円未満 /50億円以上~100億円未満 / 100億円以上~300億円未満 / 300億円以上~500億円未満
従業員数: 10人未満 / 10人以上~20人未満 / 20人以上~50人未満 / 50人以上~100人未満 /100人以上~300人未満 / 300人以上~500人未満/ 500人以上~1,000人未満 /1,000人以上~3,000人未満 / 3,000人以上~5,000人未満 / 5,000人以上
業種: 組立製造業 / 加工製造業 / 建設業 / 卸売業 / 小売業 / 流通業(運輸業) /IT関連サービス業 / 一般サービス業 / その他(公共/自治体など)
地域: 北海道地方 / 東北地方 / 関東地方 / 北陸地方 / 中部地方 / 近畿地方 / 中国地方 /四国地方 / 九州・沖縄地方
その他の属性: 「IT管理/運用の人員規模」(12区分)、「ビジネス拠点の状況」(5区分)
【分析サマリの概要】
各分野について、以下の章構成からなる分析サマリ(各30ページ前後)で重要ポイントと今後に向けた提言を詳説
第1章:製品/サービスのシェア動向
「導入率」「製品/サービスの導入社数シェア」「製品/サービスの導入年」「製品/サービスの導入背景」といった設問項目の集計結果から重要ポイントをピックアップし、製品/サービスのシェア動向に関する分析を行っている。
第2章:運用形態と端末環境
導入済みの最も主要な製品/サービスにおける「運用形態」「端末環境」「導入費用」といった設問項目の集計結果から重要ポイントをピックアップし、製品/サービスのシステム環境に関する分析を行っている。
第3章:現状の評価/課題と今後のニーズ
導入済みの最も主要な製品/サービスに関して「評価/満足している機能や特徴」「現時点で抱えている課題」「今後持つべき機能や特徴」を尋ねた設問項目の集計結果から重要ポイントをピックアップし、今後どのような機能を充実させていくべきか?などに関する分析と提言を行っている。
【レポート案内(設問項目、試読版など)】
リンク
【価格】 180,000円(税別)

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