大曲の花火~秋の章~にて“視聴覚障がい者のための花火”を打ち上げました

一般社団法人日本花火推進協力会 2018年10月23日 16時40分
From PR TIMES

「オリンピック・パラリンピック基本方針推進調査」に関わる試行プロジェクト

ALL JAPANの名人花火師が集って立ち上げた日本花火推進協力会は、内閣官房オリンピック・パラリンピック推進本部事務局の委託により、平成30年度オリンピック・パラリンピック基本方針推進調査として「視聴覚障がい者と健常者が一緒に楽しむことができる花火プログラム」を2018年10月13日(土)、 創造花火発祥の地、秋田県大仙市の花火大会“大曲の花火 秋の章”にて打ち上げをいたしました。



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大曲の夜空を彩る8000発の花火。当日は、大曲市、秋田市内の視聴覚障がいの方々、同伴者の方々36名に大曲の花火を体験していただきました。

 「障がいがある方もない方も、みんなが楽しむことができる花火大会」を目指し、7月からワークショップを実施。視聴覚障がいの方々と花火師、運営側で話し合いを重ねる中で、多くの障がい者が、花火大会に行きたくても行けない環境にあることを知り、どうやったら花火大会に来てもらえるか、花火を楽しんでもらえるか、その方法を様々な角度から考えてきました。
そして、この大曲の花火~秋の章~では、7つの方法を試行いたしました。

花火の情景や花火の種類を朗読劇で表現する花火朗読劇「命火」
打ち上げる花火そのものの製造に工夫を凝らし「光が強く、高い音や強い音でリズムを楽しんでもらえる花火」の開発、打揚
音を振動に変換するネックレス型振動装置「Hapbeat」の使用
会場アナウンスが聞こえやすい難聴者向けスピーカー「ミライスピーカー」「ソノリティ」の設置
会場アナウンスをテキスト情報でスマートフォンに配信するアプリ「UDトーク」の使用
実際に触れることができる花火の模擬玉や花火筒の展示「触ってわかる花火」展示ブース
花火大会の情景を点図イラストで表現した「点図チラシ」
大会の点字プログラム


花火という伝統芸術と様々な新しい技術を組み合わせ、視聴覚障がいの方々が会場で楽しんでもらえるような工夫を凝らしました。

【花火朗読劇「命火」の動画をご覧いただけます】
[動画: リンク ]



 参加していただいた方々からは、「新しい感覚で花火を見る、感じることができ、とても楽しい体験ができた」「皆で楽しめる花火、感じる花火を考えてくれて感動しました。障がい者が少しでも楽しむ事ができる社会を期待します。」といった声を数多くいただけた事は、花火師、運営スタッフ一同、大変嬉しく思います。

事後にアンケートを実施いたしました結果の一部を抜粋します。


本イベントの満足度をお聞かせください。 

大変満足 69%
満足 22%
どちらでもない 3%
やや不満 3%
不満  0%


本イベントのうち、視覚障がい者に評価の高かったもの

花火朗読劇「命火」
「触ってわかる花火」展示ブース、点図チラシ
点字パンフレット
ネックレス型振動装置「Hapbeat」


本イベントのうち、聴覚障がい者に評価の高かったもの

スマホアプリ「UDトーク」
花火朗読劇「命火」
ネックレス型振動装置「Hapbeat」
難聴者用スピーカー
「触ってわかる花火」展示ブース


本ベントにまた参加したいと思うか?

すごくそう思う 39%
まあまあそう思う 33%
どちらでもない 3%
余り思わない 0%
思わない 0%
回答なし 23%





2020のオリンピック・パラリンピック東京大会に向け、これからも、日本全国の花火大会で、花火の啓蒙とバリアフリーを実現させることを目指し、今後も挑戦を続けていきます。

■開催概要
1) 大会名称:大曲の花火~秋の章~「花火劇場~エバーグリーン~」
2) 開催場所:秋田県大仙市大曲雄物川河畔(「大曲の花火」公園内)
3) 実施日時:2018年10月13日(土)18:35~18:45頃

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【響屋大曲煙火株式会社 齋藤氏】

光りや音の強弱など色々な玉を試作しました
視聴覚障がいの方々を意識して花火を作った経験がなかったので、ワークショップに参加しお話を聞いて、色々なひらめきがありました。花火の開発にあたっては、光を強くしてみたり、音に強弱をつけて楽しめるよう、色々な玉を試作、検証したので、皆さまに喜んでもらえたと聞き、まずは嬉しい、という思いです。
 花火の光や音は、火薬の配合比率を調整するのですが、かなり難儀な作業でした。強くし過ぎると、今度は火が着き難くなってしまったりと、問題が出てくるので、配合を変えては直前までテスト打ち上げを繰り返しました。今回のプロジェクトは、様々なことを考えさせられ、良いきっかけを頂くことができました。これからは、どんどん「全てのお客様に楽しんでいただける花火作り」に挑戦していきたいと思います。

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【株式会社和火屋 久米川氏】
花火大会に来たくても来られない、そういう障がい者が多くいることを改めて感じました
ワークショップに参加し”障がいを持っている方々が、花火大会の会場にきて、花火を楽しむ”ことの難しさを、改めて知りました。そんな皆さんの思いを常に意識し、改良に改良を重ねて製造をした花火を打ち上げさせていただきました。皆さまに、すごく喜んでもらえたのでホッとしています。
 同じような気持ちで花火大会に来れない方は、世界中に沢山いらっしゃると思いますので、そういう方々にも我々の作った花火を楽しんでもらえるよう、今後も花火を製造していきたいと思っています。


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【株式会社小松煙火工業 小松氏】
障がい者の方はもちろん、一般の方にも楽しんでもらえるわかりやすい花火を
障がい者の方々が、なかなか花火大会に足を運べない、というお話しをワークショップでお聞きして、久しぶりに足を運んだ方にも、あぁ花火って進化しているんだな、やっぱり楽しいな、と思ってもらえるように、また昔見た花火を思い出し懐かしんでもらえるように、そういうことを意識して作り上げました。脚本家の方が作り上げるストーリーと我々の作る花火、打ち上げる技術を、どう組み込むか、工夫のしがいがありました 。そしてイメージ通りのものができあがったと思っています。今回はこの企画に賛同いただいた方をご招待したわけですが、今後は特別なしつらえではなく、障がい者の方が自発的に会場に来て見てみたいと思ってもらえるようなものを、告知も含めてもっと工夫して作り上げていきたいと思っています。


1. 花火朗読劇「命火」(いのちび) 18:35~18:45
 朗読劇と組み合わせた花火の開発は、ワークショップで「見えていた頃の記憶をたぐりながら、音や振動に合わせ花火のイメージを作り上げて楽しんでいる」「最近の花火は色々な色や形があるみたいだけど、どういう物なのかイメージできない」という視覚障がいの方々の思いを知り、かつての花火を思い出せるような場面や花火の説明を、自然にイメージ方法できる方法はないか、という思いがスタートでした。
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江戸時代から続く、線香花火のような暗いオレンジ色の花火「和火」。


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花火は進化を続け、現代ではピンクやエメラルドグリーンといった色の花火も作られるようになったが、昔から続く伝統も大切に守られている。


 “花火が大好きだった祖父は、いつも花火の話ばかりしていた。父と息子が花火を見上げながらする”そんな祖父の思い出話を中心に物語は進みます。目の前に上がっている花火とセリフを重ね、打ち上がっている花火の説明をストーリーの一部として融合させ、視覚障がい者だけでなく健常者の方々にも物語を楽しみながら、花火を楽しんでもらえることを目指したプログラムです。花火師と演出家、脚本家が、打合せを重ね、花火の設計とセリフを秒単位で合わせ、作り上げてきました。
実際の映像はこちらでご覧いただけます。


リンク

【 当日のご意見 】
・花火の形状の説明が分かりやすく、ストーリーと曲に合った命火(いのちび)は本当に良かった
・花火朗読劇を聞いて、小さい頃、両親と花火を見たことを思い出し、感動しました。


2. 音の波形を振動に変えるネックレス型体感デバイス「Hapbeat」
 Hapbeatは音の波形を振動に変える装置で、首からかける小さな装置から繰り出される小気味よい振動は、ライブハウスにいるような臨場感を与えてくれます。聴覚障がいの方々に、振動で花火を楽しんでもらえるのではないか、という試みとしてHapbeatを使用しました。ワークショップでは、振動が強すぎる、タイミングがあっていない、など様々なご指摘をいただき、課題が大きかったのですが、花火師と開発側で何度も話し合いを重ね、手元で振動の大きさを調整できる様デバイス自体をアップデートしたり、花火と振動タイミングや強弱の調整など細かなプログラムを作り上げました。

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【 当日のご意見 】
・ワークショップの時より色々な点が改善されており良かった。
・新しい花火の感じ方ができた。
・今まで目からだけの花火だったのが、音と一体となり感動した。一つ進歩したと思う。
・首に提げると邪魔になったので、手に持ってみたら良かった。
・振動が不快でした。
【デバイス提供】Hapbeat合同会社(公式サイト:リンク


3. 難聴の方でも聞き取りやすくなる技術を使用したスピーカー「ソノリティ」と「ミライスピーカー(R)」
 「聞こえ」を改善する技術を使用し、難聴者の方でも聞きとりやすい音を、広く遠くまで届けるスピーカーを、モニター障がい者席前方に4基設置し、「聞こえ」のストレスの改善を図りました。

【 当日のご意見 】
・音が良く聞こえ、アナウンスの内容が確認できた。
・駅などの公共機関と比較して、会場アナウンスが聴き取り易かった。
・難聴者の自分には、スピーカーが良かった。アナウンスも聞き易かったように思います。

【スピーカー機材提供】
ソノリティ:ユニバーサル・サウンドデザイン株式会社(公式サイト:リンク
ミライスピーカー(R):用途開発 販売:凸版印刷株式会社/開発 株式会社サウンドファン(公式サイト:リンク


4. スマホアプリ「UDトーク」を使用した字幕解説
 音声を文字に変換するアプリ「UDトーク」を使用して、場内アナウンスをリアルタイムのテキスト情報として、スマートフォンに配信。花火朗読劇「命日(いのちび)」のセリフもテキスト情報として表示させ、聴覚障がいの方々にも花火と物語を楽しんでいただきました


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【 当日のご意見 】
・これまでは場内アナウンスが聞こえないので、打ち上がる花火が何か分からず見ていたが、今回は文字で読めたので分かりやすかったです。
・手元で見れるスマホ版UDトークは本当に素晴らしかった。花火朗読劇も字幕があったので、ストーリーが分かりやすかった。
・UDトークはとても良かったです。ワークショップでお願いしたので、採用していただいて有難かったです。
・時間差がほとんど無いので、不安なくダイレクトに楽しめました。特に朗読劇でその力を十分に見せつけられました。とても感動しました。たくさんのイベントで使えるようにして欲しいです。

【使用アプリ】UDトーク:リンク

5. 触ってわかる花火


点字の花火プログラム
花火大会のわかる点図イラスト
花火模型の展示


視覚障がいの方から多く寄せられた要望として、花火を触って感じられるものが何か欲しいというものがありました。この多くの要望にお答えし、一般の方に配布するプログラムを点字で制作し、視覚障がい者の方に配布しました。また健常者の方にも楽しんでもらえる用にカラー印刷をした花火大会のイラストに、特殊加工を施して凹凸をつけ、イラストを触ってわかるようにした点図チラシもご用意しました。
そして障がい者席の横には、実際の重さと大きさを再現した花火玉や花火筒などの模型を展示し、スタッフが説明をすることで、これまで知らなかった花火玉の大きさや重さなどを感じていただきました。
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【 当日のご意見 】
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・普段触る事のない筒を見ることができたり、2尺玉の重さを知る事ができたりして、すごく面白かったです。スタッフの方の説明も分かりやすかった。


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社名:      一般社団法人 日本花火推進協力会
所在地:     〒103-0023 東京都中央区日本橋4-5-12本銀座第1ビル
代表理事・会長:  小勝 敏克(株式会社丸玉屋 代表取締役社長)
設立:       2016年7月21日設立
公式HP:      リンク
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プレスリリース提供:PR TIMES リンク

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お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。

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