受賞者決定!『第三回入江泰吉記念写真賞』&『第三回ならPHOTO CONTEST』

奈良市役所 2018年10月16日 16時40分
From PR TIMES

奈良市で開催した写真賞「第三回入江泰吉記念写真賞」と「第三回ならPHOTO CONTEST」の受賞者がそれぞれ決定しました。



奈良市では2年に1度、写真文化の発信と新たな写真家の発掘を目的とするとともに、奈良の新たな魅力の発見につなげることをめざし、『入江泰吉記念写真賞』(※)、『ならPHOTO CONTEST』を開催しています。
平成30年6月1日から7月31日に作品募集をし、8月23日、24日の審査を経て、受賞作品が決定しました。
(※「吉」の字は「土」の下に「口」)

第三回入江泰吉記念写真賞受賞
真鍋 奈央(まなべ なお) 「波を綴る」(100枚組写真)

第三回 ならPHOTO CONTEST
・なら賞受賞
川邊 由紀典(かわべ ゆきのり) 「奈良の歴史と文化の香り」(5枚組写真)

・日本経済新聞社賞受賞
西村 充康(にしむら みつやす) 「栢森(かやのもり)の綱掛神事」(3枚組写真)

<トピックス>
◆受賞作品の写真集を製作する写真賞は、現在では『入江泰吉記念写真賞』が全国でただひとつの賞です。
 受賞作品写真集は限定1,000部製作。平成31年2月22日(金曜日)発売。
◆両賞とも、入江泰吉記念奈良市写真美術館にて展覧会を行います。
◆サポーター募集中!皆さんの応援で世界へ羽ばたく写真家を誕生させましょう。サポーターだけの特典付き!


◎入江泰吉記念写真賞 趣旨
本賞では、自らの意識を超え「伝える」こと、歴史、文化、地域性へのこだわりが21世紀の重要なキーワードと考え、私たちの心に深く記憶される普遍的な生の眼差しを持った写真の作り手を支援していくため、未来そして世界に向けてのメッセージとして、第二回から「写真集」を製作しています。

◎ならPHOTO CONTEST 趣旨
本コンテストは、写真文化の発展をめざし、老若男女だれもが気軽に参加できる写真コンテストとして開催しています。多くの写真愛好家が実際に奈良へ来て、独自の視点と発想、多彩な表現法で写真にしていただき、奈良の新たな魅力の発見につなげます。


1.受賞者
―第三回入江泰吉記念写真賞―
真鍋 奈央(まなべ なお)『波を綴る』
[画像1: リンク ]

[画像2: リンク ]

[画像3: リンク ]


ハワイの島々は私の中で強い輪郭を持って存在している場所であり、たくさんの人達と出会い、お互いの時を重ねてきた場所でもあります。
偶然とも必然ともとれるような出会いから大切な存在となっていった彼らと日々を過ごしていくうちに、いつからかハワイの島々が持つ歴史や風土がリアリティーと意味を持って自分に迫ってくるようになりました。
変わりゆく風景の中にも大切な人達が生きてきた時間や心の動きが映っている、そんな風に思います。
人々が生きてきた時間を包含しながら、今なお動き続けるハワイの島々。
自然の脅威を肌に感じながらも、全てを受容するように島で生き続ける人々。
今になり思い返してみると、私は十数年かけてそのような人間と島の在り方を垣間見させてもらったのかもしれません。

真鍋 奈央


<作家プロフィール>

[画像4: リンク ]

1987年徳島県池田町生まれ。
中学卒業後単身渡米。ニューヨーク州、ハワイ州の高校で2年間過ごし、卒業後、2006年に帰国。
ビジュアルアーツ専門学校大阪写真学科入学で写真を学ぶ。
同校卒業後も研究生制度を利用し一年間作品制作に励む。
2011年グループ展(Place M/東京新宿)で「Malamalama」を発表。
2012年第6回写真「1_WALL」でファイナリスト。
同展で「眼を開けて夢を見る」(ガーディアンガーデン/東京銀座)を発表。
現在ビジュアルアーツ専門学校で写真学科講師として務める。
2018年第三回入江泰吉記念写真賞受賞。


<審査員選評(抜粋)>
◆飯沢 耕太郎(写真評論家)
目の前に現れた眺めを、先入観を排したピュアな眼差しで見つめ、その鮮度を保ち続けたままパッケージしていく能力の高さで、従来のドキュメンタリー写真の枠組みにはおさまらない写真群として成立していると思う。

◆三好 和義(写真家)
真鍋さんの視線の揺らぎのなさに、一番感銘を受けました。まだ、若い方なのに、その視線に、海のように深い母性を感じさせる。
それを的確に写真として表現している、その技量も確かなものです。

◆有元 伸也(写真家)
自分勝手に世界を解釈して切り取るのではなく、自己と対象との関係について自問自答を繰り返す。そういった愚直とも思える地道な姿勢からのみ生みだされる美しく澄んだ世界。大好きな作品です。

◆綾 智佳(アートディレクター)
「波を綴る」では、ハワイという島が持つ自然の魅力とそこに生きることを選んだ人々を通して、作家自身もハワイという場所に魅せられ、その人自身の人生に触れ、その人の個人の歴史とハワイの歴史が重ね合わされるので、そのイメージは複雑なレイヤーを幾重にも重ねています。
その重みが作品を見る私たちにも迫ってきて、忘れ得ない印象を残します。
孫の世代からみたハワイという三世代にわたる時間の重なりも作品に重みを与え、ゆったりとしたハワイの風景に、100年にも及ぶような時間が重なりあうこともこの作品の魅力です。

◆窪山 洋子(アートディレクター)
この作品は、島で出会った人々の営みを出発点に、ポートレイト、風景、家族アルバムなどが等しく撮影され、観光地としてのハワイとは違う表情をたくさん見せてくれます。
1つ1つのシーンを見ていくと、彼女が「島の歴史」と「今を生きる人々の営み」に惹かれていることがわかり、何度も訪れながら丁寧に日常を紡ぐ姿勢が、美しいプリントからも伝わってきました。

◆黒阪 幸伸(日本経済新聞社大阪本社写真部長)
刻々を変わる日差し、風、島に漂う湿気や香りなどが写真からあふれてきます。
島で時間を重ね、人と出会い、寄り添い、対峙し、彼ら彼女らの物語を優しいまなざしで丁寧に静止画にとどめています。
被写体との距離感、島の自然や風景との間合いの取り方、全てが心地よいです。

◆百々 俊二(写真家・入江泰吉記念奈良市写真美術館館長)
真鍋は、自分が豊かになるように写真を撮っている。
だから、真鍋の写真を見つづけることで、見る私も豊かになることができる。
その都度その都度の人々との出会い、体験を写真で撮ることで自分を切り開いていく。
「~のために」としては、決して写真を撮っていない。そのことで無限の豊かさがある。


第三回ならPHOTO CONTEST<カテゴリー1/テーマ:ならを視る>
―なら賞―
川邊 由紀典(かわべ ゆきのり)(奈良市在住・68歳※)


『奈良の歴史と文化の香り』(5枚組写真)

[画像5: リンク ]

◆審査員 飯沢 耕太郎 選評
国際観光都市・奈良にふさわしいテーマを的確なスナップショットの技術で表現している。
古都と外国人観光客の組み合わせはよく見る光景だが、こうして写真で見ると彼らの存在が街を活気づけていることがよくわかる。
5枚の写真の選び方、並べ方もうまくいった。
光の状態に気を配りながら、スムーズに写真の流れを作っている。
ステレオタイプな奈良のイメージに納まらない写真が大賞に選ばれたのはとてもよかったと思う。


―日本経済新聞社賞― 西村 充康(にしむら みつやす)(奈良市在住・63歳※)
『栢森(かやのもり)の綱掛神事』(3枚組写真)
[画像6: リンク ]



◆審査員 黒阪 幸伸 選評
第三回なら PHOTO CONTESTの応募作品数は392点でした。
審査会場の机に膨大な数の作品群が次々と並べられ、1作品ずつゆっくりと見てゆきます。
奥明日香の栢森地区に伝わる子孫繁栄、五穀豊穣などを願う伝統行事「栢森の綱掛神事」をとらえた3枚組の写真を前にした時、何故か足が止まりました。
神事の一連の流れを的確にとらえ、記録した写真でありながら、それ以上の何かを訴える力強さが感じられたからです。
写真から伝わってくる現地の空気感や神事の緊張感。
写真の中に引き込まれ、自分がまるでその場にいるような気にさせられる作品でした。

―入選―
氏名(年齢・性別)「作品名」(単・組、撮影年月日、撮影地)
大西 忠男(74歳・男)「 筝曲の調べ」(単、H29.4.14、天理市内山永久寺)
桝井 貴廣(65歳・男)「 落葉の頃」(単、H29.11.18、田原本町)
吉野 恒美(69歳・男)「大和は国のまほろば」(3枚組、H30.5.11、平城宮跡他)※「吉」の字は「土」の下に「口」
宮口 達夫(70歳・男)「幽玄」(単、H30.3.30、桜井市)
城田 清延(70歳・男)「九品寺の印象」(単、H30.5.12、御所市)
吉川 皓三(72歳・男)「飛火野の四季」(4枚組、H29.11.2 他、奈良公園)※「吉」の字は「土」の下に「口」
北 辰弥(17歳・男)「悦楽に浸る~なら瑠璃会 光の夜神楽~」(4枚組、H30.2.14、春日大社)
阿部 育子(46歳・女)「祈り」(3枚組、H29.12.17、奈良市)
寺村 雄機(33歳・男)「金の絨毯」(2枚組、H29.11.12、東大寺)
天神 登(75歳・男)「天と地と」(単、H29.9.20、大台ケ原)
森田 美恵子(58歳・女)「知ってる街が見える!」(単、H29.11.26、若草山)
奥田 勝紀(70歳・男)「若草山焼」(単、H30.1.27、若草山麓)
大西 進(81歳・男)「冬の風物詩 大立山まつり」(5枚組、H30.1.28、平城宮跡)
村上 毅(47歳・男)「秋の装い」(4枚組、H29.12.1、春日山)
加藤 亮三(66歳・男)「美し、不朽の花舞台」(5枚組、H30.4.30、奈良市)
孤杉 英章(54歳・男)「慈光」(2枚組、H29.11.21、奈良市東部(田原))
遠藤 武(76歳・男)「夕暮れ」(4枚組、H30.5.11、若草山)
古川 久仁子(77歳・女)「やさしい雨」(単、H29.11.10、浮見堂)
柳 瑠奈(16歳・女)「夢物語ではおわらない」(単、H29.8.25、奈良市)
山田 太一(44歳・男)「それは杜の奥でたっていた・・・」(5枚組、H30.5.29 他、春日大社)
※年齢は応募時点のもの

<カテゴリー2/家族at奈良>は受賞作品展(会期:平成31年2月22日(金)~4月7日(日))にて一般観覧者による投票を行い、受賞者を決定します。


2.応募数
入江泰吉記念写真賞 応募者 95人・応募作品数 95作品
ならPHOTO CONTEST
<カテゴリー1> 応募者 140人・応募作品数 392作品
<カテゴリー2> 応募者 26人・応募作品数 54作品


3.今後のスケジュール
授賞式・内覧会:平成31年2月22日(金)
受賞作品展覧会:平成31年2月22日(金)午後1時~4月7日(日)
写真集発行日(発売日): 平成31年2月22日(金)限定1,000部

4.第三回事業費(平成29年度決算、30年度予算の合計)
【事業費】
第二回巡回展 699千円
受賞写真集製作 4,200千円
受賞作品展覧会 1,117千円
式典その他 1,064千円
【広報費】
募集要項、ポスター印刷、広告料など 1,398千円
【事務局経費】2,216千円
【合計】10,694千円

<財源>
奈良市負担金(文化庁補助金含む) 4,657千円
協賛金・サポーター寄付金 3,301千円
第二回写真集販売収入 1,190千円
前期繰越 1,546千円

5.サポーター募集
受賞作品の写真集を製作する写真賞は、現在では全国で本賞ただひとつです。
限定1,000部で製作する写真集は、第二回では約1年で完売した実績があり、写真業界のみならず各メディアで取り上げられました。
私たちの心に深く記憶される普遍的な生の眼差しを持った写真の作り手を支援していくため、未来そして世界に向けてのメッセージとしての写真集製作を応援してくださるサポーターを募集しています。
第三回入江泰吉記念写真賞受賞者 真鍋さんの写真家としての飛躍の後押しをお願いします。


サポーター特典《第三回分締切11月30日(金曜日)》
―プレミアムサポーター(10,000円)―
・製作する写真集に応援の証として個人名を記載
・完成した写真集1冊贈呈
・入江泰吉記念奈良市写真美術館の年間パスを贈呈(2,500円相当)

―サポーター(5,000円)―
・完成した写真集1冊贈呈
・入江泰吉記念奈良市写真美術館で開催する
同賞受賞作品展の観覧券ペア贈呈(1,000円相当)


主催:入江泰吉記念写真賞実行委員会/
共催:奈良市、一般財団法人奈良市総合財団/入江泰吉記念奈良市写真美術館
別協力:日本経済新聞社
後援:奈良県、奈良県教育委員会、奈良市教育委員会、一般財団法人奈良県ビジターズビューロー
公益社団法人奈良市観光協会、一般社団法人橿原市観光協会
平成30年度 文化庁 文化芸術創造拠点形成事業

プレスリリース提供:PR TIMES リンク

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